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この世に生を受けた限り、私たちはこの世に自分が生きた証を残したいと願うものです。「たしかに自分と言う存在がこの世にいた」という証です。これは人間がもつ本能的な欲望なのかもしれません。
私たちがこの世に生きた証というのは、けっして物や形ではないはずです。
自分はどのように人生を歩んできたのか。何を信じて生きてきたのか。苦しいときにどのように立ち向かってきたのか。そんな生きざまを語ることです。自分の考えを押しつけるのではなく、ただ自分が歩いてきた道のりを語ればいいのです。
そしてもしも自分自身が道に迷ったときには、人生の先達の話に耳を傾けることです。こうして魂は受け継がれていくのです。
曹洞宗 徳雄山 建功寺の住職・枡野俊明さんによる著書「人生でいちばん大切なこと」。読むと心がすっと軽くなる、そして気持ちがきゅっと引き締まるこの本から、一日一言をお届けします。
【出典】
「人生でいちばん大切なこと 死ぬとき後悔しないために」
枡野俊明
(廣済堂出版)
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