10代の頃あったもので、懐かしく思うもの。それは、顔に広がるニキビ。しかし、じつは思春期をすぎても多くの人がニキビに悩んでいるのです。
『The Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology』誌に掲載された2017年の研究レビューによると、ニキビ治療に訪れる人の3分の1は25歳以上の女性だそう。さらに、ニキビ対策の方法を探している女性は、男性の2倍弱もいるといいます。
ニキビのでき方は年齢に関係なく、若い頃も昔も同じ。皮脂腺を含む毛穴が塞がれ、汚れ、バクテリア、細胞が栓を作り出すというものです。
ほとんどの女性にとって、月経の前後や、更年期移行の間のホルモンの変化が原因になるといいます。また、偏った食事とストレスも要因のひとつ。
さあ、どのように治していきましょうか。皮膚科医が、厄介なニキビを治すベストの方法を教えます。
1. 精製加工された炭水化物を減らす
「チョコレートやジャンクフードをたくさん食べること自体でニキビができるわけではありませんが、問題は、バランスの取れた食事を摂らず、精製加工された炭水化物を摂りすぎること」というのは、ニューヨークの皮膚科医、アルバート・レフコヴィッツさんです。
食生活がニキビに与える影響を調べた研究の2016年のレビューによると、「血糖を高める食生活がニキビを悪化させる可能性については、説得力のあるエビデンスがある」ようです。
白いパンのように精製加工された炭水化物の割合が高い食品は、GI値が高い傾向にあります。科学者たちは、炭水化物でインスリン値が上昇すると、毛包が炎症を起こして、脂を増やすホルモンを放出するのでは、と推察しています。
2018年のある研究では、66人の食生活を2つのグループに無作為に分けて、一方は高GI食品のグループ、もう一方は低GI食品のグループとしました。2週間を過ごしてもらった結果、低GI食品のグループはニキビの発生の引き金となるインスリン様成長因子(IGF-1)の値が低くなることがわかりました。
もし食生活が犯人と疑っているなら、これらGI値の高い食品(70以上のもの)を徹底的にやめてみて、その後の違いを確認してみては。
それらは、糖分の多い間食や飲み物、白いパン、ベーグル、コーンフレーク、インスタントオートミール、白いご飯、ジャガイモ、プレッツェル、ポップコーン、スイカなどの果物……といったものです。
2. 乳製品を減らす
image via shutterstock乳製品の摂取とニキビの関係は、まだまだ研究が必要ですが、アメリカ皮膚科学会によると、因果関係があるとする研究は増えているそうです。
学会誌に掲載された2018年の研究によると、牛乳の飲用、特に全乳よりも、糖分の多いスキムミルクがニキビのリスクを高めていることがわかりました。糖分の高さよりむしろ、インスリン様成長因子(IGF-1)を含む乳製品に含まれるたんぱく質とホルモンが、油分の産出と炎症の増加によるニキビの発生に役割を果たすと考えられています。
また『Clinical Nutrition』誌に掲載された2018年の研究によると、驚くことに、ヨーグルトとチーズには同じ効果が見られなかったそうです。
いつも牛乳を飲んでいるなら、肌が改善するかどうかを見るためにアーモンドミルクのような代替品に切り替えることを検討してみては。一杯当たり、糖分10g未満のものを探しましょう。
3. ストレスをコントロールする
image via shutterstock「ストレス自体は皮膚疾患を引き起こしませんが、既存の問題を悪化させるのです」と、ニューヨークの医師、ベス・マクレランさんは解説します。
胃をしめつけるような不安がなぜ大人のニキビにつながるかは、明らかになっていませんが、コルチゾールのようなストレスホルモンが身体の炎症レベルを上昇させ、皮脂腺を刺激するのではないかと考えられています。
いずれにせよ、運動、瞑想、その他の神経をなだめる方法で、ストレスをコントロールすれば、お肌も落ち着いていくはず。
4. ティーツリーオイルに注目
image via shutterstockティーツリーオイルは化学的に過酸化ベンゾイルと似ているのですが、刺激が少なく、中程度のニキビの治療に使われてきました。オーストラリア原産の植物の葉から作られ、殺菌性を持ち、ニキビ原因菌を減らし、皮膚細胞の炎症を抑えてくれます。
「32種類のニキビ原因菌のうち27種類を含めて、幅広い微生物に効果を示すことがわかっています」と、自然療法医のマイケル・マレーさんは解説します。
『International Journal of Dermatology』誌に掲載されたものを含む複数の研究によって植物成分の効果が裏付けられています。ティーツリーオイルは、さまざまな石けん、洗顔料、および局所用液材に含まれています。
肌の反応をテストするために、オイルは最小濃度の5%のものを探します。顔全体の治療には刺激が強すぎると感じたら、より頑固なニキビの局所治療薬として使ってみては。
5. 塩分を減らす
ナトリウムの影響を疑っている医師もいます。食卓塩と一部の魚介類に豊富に含まれるヨウ素がニキビの発生を促していると考えられるのです。
実際、2016年のある研究では、ニキビに悩む人はニキビのない人々と比べて、多くの塩分の高い食品を摂っていると統計的に分かりました。
減塩バージョンの食品を選び、1日の塩分消費量を世界保健機関(WHO)が推奨する5g未満に抑え、実際は塩分の高いこれらのヘルシーフードを避けるようにします。
6. 乳液・保湿クリームを変えてみる
image via shutterstock習慣的に顔に使っているスキンケア製品は、お肌に大きな影響を与えます。
ニキビがあり、特に乾燥肌の治療をしている場合は、保湿を欠かさないようにします。ただし、使用する保湿剤の種類によって違いが出てくることも。
「ニキビができやすい10代の若者でさえ、肌のバリアを健康に保つために保湿する必要があります。皮膚のバリアは、お肌を乾燥させるニキビ対策製品や薬品でダメージを受けることも」と、ニューヨーク大学医学部の皮膚科の臨床教授、医師のアリエル・カウバーさんは説明します。
お肌への刺激に悩んでいる場合は、オイルフリー、ニキビを防ぐ無香料の保湿剤を使うようにします。
そうすることで、毛穴を詰まらせたり、既存のニキビを悪化させるのを防ぎます。
ニキビのない美肌へ
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Alyssa Shaffer/11 Highly Effective Adult Acne Treatments for Clear, Glowing Skin
訳/STELLA MEDIX Ltd.