欧米では「1日1個のリンゴで医者いらず」という言葉があります。では、オレンジなどは?
レモン、ライム、グレープフルーツ、ザボン、ミカン、キンカンなど柑橘系の果物も、ビタミンCや食物繊維、葉酸、カリウムといった抗酸化物質、ビタミン、栄養素の宝庫なのです。
「これらの栄養素は、がんや心臓病などの慢性的な病気から身体を守ってくれ、脳の健康も保ち、腎臓結石になりにくくする力があると研究で証明されています」と話すのは、アメリカ栄養士会の広報担当者で管理栄養士のヴァンダナ・シースさん。
ここでは脳の健康アップからシワの予防まで、いろいろな面で柑橘類が健康増進に役立つ理由をご紹介しましょう(すべて研究で裏付けられています)。
1. 減量に役立つ
オレンジとグレープフルーツには、食物繊維が何と驚きの4gも含まれていますから、血糖値を安定させて、満腹感を長続きさせるために役立ちます。プレーンヨーグルトやスクランブルエッグなど、タンパク質かヘルシーな脂肪を豊富に含む食べ物と組み合わせると、さらに効果的。
でも、それはジュースではなく、オレンジやグレープフルーツを丸ごと食べたときの話。ジュースは1食分当たりの糖分がずっと多いですし(オレンジジュース1杯で砂糖21gに対して、大きなオレンジ1個は14g)、減量を助ける食物繊維がそもそも含まれていません。
「それに、オレンジの皮をむいて食べるには時間がかかりますから、減量しようとしている場合は、食べるために手間がかかるところも違いになるのです」と管理栄養士のアレクサンドラ・カスペロさん。
2. 鉄分の吸収を助けてくれる
柑橘類はビタミンCが豊富ですから、(それぞれ1個でオレンジ68mg、グレープフルーツ77 mg、レモン18mg、ライム13mg)、鉄分の吸収を助けてくれます。
これは菜食主義の人やビーガンにはとくに重要。植物に含まれる鉄分は、“非ヘム鉄”と呼ばれ、肉類や海産物に含まれるタイプの“ヘム鉄”より吸収されにくいからです。
「主に植物から鉄分を摂っている人は、ビタミンCと組み合わせれば、5〜6倍吸収がよくなります」と、カスペロさんは言います。
3. 体内の水分を保ってくれる
のどが渇いたらまず水に手を伸ばすはず。ただ、実は私たちが摂る水分全体のおよそ4分の1は食べ物から摂られているのです。
そして、オレンジはおよそ90%が水分。「水分補給の方法は、水に限りません」と、カスペロさん。
4. シワを防いでくれる
エステティシャンが肌の老化と戦うための秘策は、ビタミンCの高機能美容液をふんだんに使うこと。でも、ビタミンCを口から摂っても、肌によいとわかりました。
臨床栄養学の専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌で報告された2007年の研究によると、アメリカ全国の女性約4000人のうち、ビタミンCを多く摂っていた人は、少ない人よりシワが少ない傾向があったそう。
それはビタミンCが、皮膚をなめらかでしなやかに保つタンパク質、コラーゲンの生産を助けるから。「赤ちゃんはコラーゲンをたっぷり持っていますが、年齢を重ねるにつれて減っていきます。コラーゲン豊富な食事にビタミンCを加えれば、コラーゲンの損失に対抗してシワを減らすために有効です」(カスペロさん)
5. おなかの張りを軽くしてくれる
水太りしているような気がする? 朝食にオレンジかグレープフルーツを1個食べて、電解質カリウムの1日推奨摂取量のうちおよそ10分の1(それぞれ255mgと332mg)を満たすとよいことがあるはず。
「ナトリウム(塩分)を摂ると体内に水分が多くとどまるようになりますが、カリウムを摂るとバランスを取れます。おなかの張りを和らげる効果があるのです」と、カスペロさん。
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訳/STELLA MEDIX Ltd.