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酸化や抗酸化というワードが巷に溢れるなかで、「実はよくわからない」という人が多いのも現実です。

そこで今回は、美容皮膚科「アオハルクリニック」院長の小柳衣吏子先生に、ウェルエイジングのために知っておきたい「肌と酸化の基礎知識」を取材しました。

抗酸化力は年齢とともに低下する

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酸化とは、一言でいうと“活性酸素によって体が錆(さ)びる”こと。

「呼吸により必ず生じる活性酸素(フリーラジカル)は、過剰になると細胞の機能にダメージを与え、老化を促します」と小柳先生は話します。

「呼吸によって吸い込んだ酸素のうち、約2%が活性酸素になるといわれています。

酸化ダメージを受け続けると、細胞の生まれ変わりが妨げられ、結果、細胞が老化していきます」(小柳先生)

「活性」と聞くとよい言葉のようですが、実は逆なのです。通常、人は抗酸化力を持っていますが、その力も加齢とともに低くなってくるそう。

歳ごとに弱くなる抗酸化力と、加齢に従い増えてくる酸化ストレスが相まって、酸化のスピードは増していくのです。

紫外線が「酸化」を加速させる

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酸化は24時間、体中の至る所で起きていると小柳先生。皮膚の細胞膜や核、タンパク質や脂質、糖質も、活性酸素によって酸化し、体に悪影響を与えます。

活性酸素の発生は、生きている限りなくすことはできません。しかし、その影響を減らすことはできます。そのひとつがUVケアです。

「紫外線は、シミやしわに即つながるというより、まず、活性酸素の影響を増やします。この活性酸素が、しわ形成の促進やシミにつながるメラニンの生成、 細胞エネルギーを生み出すミトコンドリアの老化などに関与しているのです。

さらに、すでに光老化した肌(たるみ・深いシワ・シミなどが目立つ肌)は、抗酸化力も弱まっています。つまり、光老化した肌では、紫外線にあたると活性酸素が増えやすくなっていますので、特に注意が必要といえます」(小柳先生)

酸化ストレスがもたらす多くの弊害

小柳先生によると、紫外線による酸化ストレスは、肌に次のような悪影響を及ぼすとのこと。

・細胞のミトコンドリアにダメージを与え、細胞エネルギーを低下させる。
・日やけ、シミ・シワなどの原因のひとつとなる。
・肌が黄ばむ、くすむといった現象も酸化が原因のひとつ。

酸化ストレスを受けすぎると細胞がアポートーシス(細胞死)することがある

紫外線を浴びると、皮膚細胞の核にあるDNAの正常な活動が妨げられます。通常は修復能が働きますが、あまりにも酸化の刺激が強いと傷んだDNAが正常に消去されなくなることがあるのだそう。

激しい運動や大気汚染も「増強因子」に

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あらゆる老化と疾患に関わってくる、紫外線による酸化ストレス。UVケアは肌の老化だけでなく、皮膚がんなどの重大な疾患を防ぐことにもつながります。

小柳先生によると、大気汚染や喫煙、激しい運動、疾患による炎症も、体内の酸化を促進してしまうそう。酸化の影響は、酸化をもたらす因子が多いほど増えていきます。

まずは紫外線をしっかり防いだ上で、そのほかの増強因子も生活から取り除いていくことが、酸化による老化を抑える近道です。

今回ご紹介したのは、小柳先生に聞く「肌と酸化の基礎知識」。後編では酸化を防ぐUVケア以外の方法や、先生がお使いの化粧品、サプリメントについて伺っていきます。

小柳衣吏子先生
「AOHAL CLINIC(アオハルクリニック)」院長。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。ウェルエイジングを日々探求する皮膚の専門家。平成10年順天堂大学医学部卒業後、平成23年「AOHAL CLINIC」院長に就任し、現在に至る。著書に『美肌の王道』など。

AOHAL CLINIC

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