走れるようになりたいのに、いつも3日坊主で終わってしまう……そんな超初心者がランニングを続ける方法を、元・運動嫌いのランナー鈴木莉紗さんが伝授。モチベーションキープから道具選びのコツまで、実践的アドバイスをいただきました。
初心者でも続く「ランニングの心構え」
この日の講師としてお招きしたランナーの鈴木莉紗さん走れる人と走れない人の間には、高く大きな壁がある――ランニング経験のない人は、ついそんな風に考えてしまいます。
ところがランナーの鈴木莉紗さんは、もともと「走れない」側だった人。趣味の山登りで膝を痛めてしまい、足を鍛えたいとランニングを始めたところ、たった1年半でサブスリー(3時間を切ってフルマラソンを完走すること)を達成しました。
image via Shutterstock最初は10分間も走れなかったという鈴木さん。「無理をせず、楽しむ」マインドが、長続きの最大のコツだと話します。
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慣れるまでは自分のペースで、走るのと歩くのを組み合わせるのがおすすめです。
私の場合は5分走って5分歩いてを、トータル20分~30分くらい。それを週2、3日続けているうちに、だんだん走れる時間が長くなり、ランニングが楽しくなっていきました。
ときには走りたくない日もあるけれど「それでいい」と鈴木さん。
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モチベーションは波があったほうがいいんです。ゆるめないと切れてしまうから。走ると頭と身体がスッキリして、仕事にもプライベートにもいい面が多いと気づくと、自然と走りたくなりますよ。
初心者こそ形から。道具選びのポイントは?
鈴木さんいわく、初心者がランニングを続けるためには「形から入る」ことも重要。自分に合った靴やウェアを選ぶことで、ケガや体調不良を未然に防ぐことができるからです。
この日はゲストとして「ニューバランスジャパン」PRの小澤真琴さんをお招きしました。小澤さんが「1足目にちょうどいいシューズ」と紹介してくれたのは、ニット素材の「ニューバランス フレッシュフォーム ザンテ( FRESH FOAM ZANTE)」。編み方によって細かくサポート力を調節しているため、足に優しく気持ちよく走ることができます。
小澤さんによると、シューズを選び方・履き方のポイントは次の通りです。
シューズの選び方
1.ジャストサイズや小さめの靴は、爪が黒くなってしまうのでNG。つま先ギリギリまで指がくるのではなく、小指1本分くらい余裕があるサイズを選ぶ。
2.迷ったらインソールを取り出して足を合わせてみると分かりやすい。
3.スニーカーのサイズ選びとは違うので、初心者はスポーツショップでプロに相談しながら選ぶとよい。
シューズの履き方
1.シューズに足を入れたら、かかとをトントンしてしっかり合わせる。つま先ではなくかかとから合わせるのがポイント。
2.靴紐をしめるときは、つま先側から順にしめるとフィット感が得られる。ぎゅっとしめすぎると足の甲が痛くなるので注意。
3.靴紐をちゃんとゆるめてから脱ぐこと。かかとのヒールカップがつぶれるとランニングシューズとしての機能を果たせなくなる。
ここで鈴木さんから、紐の通し方について2つアドバイスが。
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紐の通し方によってフィット感が変わります。足の内側の紐を上から通すとがっちりホールドされ、下から通すと遊びができて余裕が生まれます。紐のしめ方ひとつで疲れ具合が変わってくるので、上から通したり、下から通したり、色々変えてみてください。
また、靴紐がほどけるのが気になる人は、一重結びではなく蝶結びを二重結びにしてみて。大会や長距離を走るときは、二重結びにした紐の先をシューズと紐の間に挟めば、絶対にほどけません。
続いてのテーマはソックスの選び方。鈴木さんのおすすめは、ずり落ち感がなく履きやすい「武田レッグウェアーのR×L(アールエル)」です。
ソックスの選び方
1.ファッション用ではなくランニング用の専用ソックスを選ぶこと。
2.5本指ソックスは慣れるまでに少し時間がかかるので、最初は指先がつながっているタイプを。5本指タイプは地面を指でつかむ感覚が得られる。
3.ソックスはかかとが合っているかが重要(ずれる原因になる)。スポーツショップはソックスも試し履きできることが多い。
鈴木莉紗 :
初心者がランニングをやめる理由の大半はケガだから、足元を守るシューズとソックス選びは本当に大切。
お気に入りのウエアやシューズがあれば、ランニングのモチベーションもぐっと高まるはず。
ランナーの鈴木莉紗さんに聞く「超初心者向けランニング入門」、後編ではランニングウォッチの活用法や、ランニング後のストレッチについて伺っていきます。
鈴木莉紗(すずきりさ)さん
運動部への所属経験はないものの、平塚潤氏(城西大学准教授・元城西大学男子駅伝部監督)に師事を仰ぎ、走歴1年半でサブスリー(フルマラソンを3時間以内に完走すること)を達成。現在は加圧インストラクターとして働くかたわら、SBIアラプロモ株式会社所属の契約マラソンランナーとして活動し多くの市民ランナーの記録向上を実現させている。カリフォルニア・レーズンスポーツアンバサダー。ガーミン湘南国際マラソンアンバサダー。著書に、『1日10分も走れなかった私がフルマラソンで3時間を切るためにしたこと』(台湾で翻訳出版)や『フルマラソンを最後まで歩かずに「完走」できる本 一番やさしい42.195㎞の教科書』(ともにカンゼン刊)がある。
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撮影/内山めぐみ(2枚目、4〜7枚目)