8月にアメリカで公開された映画『ウェアド・ユー・ゴー、バーナデット』で、主役のバーナデット・フォックスを演じたケイト・ブランシェット。
バーナデットが置かれている状況は常識的にはありえないわ、と話します。マイクロソフト社重役の夫と成績優秀な娘を持つバーナデットですが、仲の悪い隣人の庭に看板を立ててしまいます。普通はそんなことしませんよね。
「つらい」と言えない女性たちに共感
でも、妻であり母であるバーナデットに共感する女性も多いのではないでしょうか。いろんなことを抱え込み途方に暮れているけれど、誰にも相談できない、そんな気持ちになった女性も多いはず。
「親として、女性として、そしてクリエイティブなエネルギーをたくさん持っている者として——もちろん、夫や家族のことはすごく愛しているけど——家族という括りの中で、(女性が)孤立してしまう気持ちはよくわかるわ」。トロントで行われた同映画のPRインタビューで、ケイトはこう語っていました。
これまでもさまざまな役柄を演じてきたケイトですが、本作では、どこにでもいそうな普通の母親を演じています。
毎日の生活にちょっと不満を持ち、張り切って仕事に励んでいた頃をふと思い出して懐かしんでしまう。でも、そんなことを家族に言ったら、家庭を壊してしまうかもと不安が募る……。
似たような悩みを抱えているあなたに、ケイトからアドバイスが届いていますよ。
1. 「私は大丈夫!」なんて言わないで
image via shutterstock「(今回の撮影で)一番心苦しかったのは、バーナデットの夫に『大丈夫?』って聞かれるシーン。『私は大丈夫! うまくやれてる! 問題ないわ!』と彼女は答えたくなります。夫は、お金を稼いできてくれる人だから、何も不満はない。だから、自分の一日には何があったのかとか、大変な一日だったとかは、バーナデットはパートナーに何も言わないんです」
でも、「最悪な一日があったって、いいんじゃない?」とケイト。
2. 根本にある問題を受け入れよう
image via shutterstock「バーナデットは挫折とも闘っているの」とケイトは語ります。
「かなり辛い挫折と。産後うつにもなっていると思うわ。彼女は流産を数回経験してるんだけど、そのことをきちんと話したことがないの。その後、最愛の娘が死ぬかと思うような出来事にも遭遇してるわ」でも、バーナデットと夫は、ふたりともこの問題を話題にしません。
映画の中ではバーナデット演じるケイトが、元大学教授のポールに流産のことを打ち明ける重要なシーンがあり、そこが彼女のターニングポイントになっています。一方、夫のエルジーも同じタイミングでセラピストにそのときの経験を語りますが、流産のことが抜け落ちてしまっているんです。
「結局、夫のエルジーがバーナデットを精神病院に入院させようとする状況に陥ってしまう。少し時間を巻き戻して、もっと早い段階でカウンセリングを受けていれば、精神病院に行かなくて済んだのに」と指摘するケイト。
判断力の問題ではなく、大変なときに夫婦でコミュニケーションを取ることが大切なんだと訴えます。そして、セラピーを受けるのも健康のために大事なことなのです。
3. 相談できる相手を見つけよう
image via shutterstockケイトは、映画を見た女性やママたちが「私もまったく同じ気持ち! 毎週火曜日の朝は、誰もかも嫌いになる」と思うことを期待しているそう。そして、できたらそれを笑い話にしてもらえたら、と話します。
「問題は、バーナデットが誰にも相談できないということなの」と語るケイト。
本作ではクリステン・ウィグとゾーイ・チャオがPTA仲間を演じていますが、相談を打ち明ける相手が同じ学校のママたちである必要はありません。「薬剤師に打ち明けることだってあるかも。場合によっては、自分の子どもに話すこともあるわ」
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