体重を落としたい時や、より体を引き締めたい時に、ダイエットのカギとなるのが「体脂肪」。
しかし、そもそも「体脂肪を減らす」とはどういう意味なのでしょうか?
減量外来ドクターに、長い目でみた身体の健康のために、どうすれば体脂肪を減らせるかを教えてもらいました。
Q1. 体脂肪って、一体なんですか?
image via shutterstock「体脂肪とは、脂肪組織の集まり。複雑な構造をしており、代謝的に活発な臓器として機能しているものなのです」と、米国肥満医学会(OMA)フェローで、ノースカロライナ州ダーラムのシモンズメタボ・減量クリニックの院長であるウィッカム・B・シモンズ医師。
「体脂肪には、断熱作用や内臓の位置を保つ以外にも多くの機能があります。そして他の臓器と同様に、脂肪組織は肥大化し過ぎると、病気につながり、正常に機能しなくなります」
実際、 2019年に『European Heart Journal』誌で発表された研究によると、過剰な体脂肪は、心臓の出口にある弁が正常に開かなくなる病気である大動脈弁狭窄症を含む、少なくとも9つの心血管障害の原因となるそう。
たいていの場合、私たちが「体脂肪」と呼んでいるのは、皮下脂肪と内臓脂肪のことです。「皮下脂肪は、二の腕、太もも、お腹周りの皮膚の下にある、つまんで感じる脂肪です」と米国肥満専門医認定委員会(ABOM)の専門資格取得者で、ベイラー医科大学の准教授であるピーター・ジャン医師。
「内臓脂肪は、腹腔内に存在し、腸や肝臓といった臓器の周りに付着しています」
皮下脂肪と内臓脂肪のどちらもお腹周りに影響しますが、ジャン医師は、内臓脂肪の方が、2型糖尿病や心疾患といったような病気の発症リスクを高めることを指摘します。「理想的な体脂肪率は、女性で32%未満、男性で25%未満です」(ジャン医師)
Q2. 体脂肪をうまく落とすためには、何を気をつけるべき?
1. 食事に気を配る
食事と運動の両方が体脂肪に関わってきますが、食事の方がより大きく影響します。
「体脂肪をスムーズに減らすには、炭水化物の摂取量を減らしたカロリー制限が一番効果的です」
シモンズ医師によると、消化吸収が速いパン、ごはん、パスタといった炭水化物を摂ると、血糖値を下げようと、インスリンが大量に分泌され、体が脂肪を蓄積するモードに入るのだそう。
しかし、人の体はそれぞれ違うため、その人その人で合う食事プランも異なります。流行りの一時的なダイエットをやってしまう前に、まずは減量を専門とする医師に相談するとよいかもしれません。あなたにぴったりな、安全で、効果的な食事プランを提案してくれるはずです。
2. メンタルヘルスを安定させる
image via shutterstockメンタルヘルスをみくびってはいけません。
「ストレスを感じていたり、気分が落ち込んだりした状態では、食事も不健康になりがちです」とジャン医師は言います。
「メンタルヘルスはホルモンに影響します。ホルモンは空腹感や満腹感、それから体の脂肪代謝に関わってきます」
それだけでなく、同じ高カロリーのものでも、ストレスを発散するために食べると、普通に食べるよりも体重が増えやすいことが、2019年に『Cell Metabolism』誌で発表された研究で報告されています。
3. もっと体を動かす
米国心臓協会は、毎週150分の中程度の運動、もしくは75分の強度の高い運動を行うことを奨励しています。
「さまざまな制限があることから、誰もができることではありませんが、できるだけ体を動かすように心掛けるようにはできます」(ジャン医師)
車を目的地からなるべく遠くに駐車する、エレベーターの代わりに階段を使う、昼休みに散歩する、CMの間に腹筋をする、といったもの。
繰り返して言うようですが、ジャン医師いわく「どんなに少しの運動でも、それが積み重なれば、体脂肪率を減らしてくれます」
次回の『Prevention』記事に続きます。
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Kaitlyn Pirie/3 Best Ways to Burn Body Fat Fast, According to Weight Loss Doctors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)