もしも病気が長引いてしまったら?

糖尿病やクローン病、関節リウマチのような慢性的な病気をかかえて生きるのは、本当に大変。薬をのみ続けたり、再燃しないように気をつけたり……。でも、それだけではありません。

あまり心配しないことも必要なのです。それほど重要ではなさそうに思えるかもしれませんが、米国国立精神衛生研究所(NIMH)によると、ずっと心配していると、身体の免疫系や消化器系、睡眠に影響が出て、もっと具合が悪くなります

とはいえ、いつも平常心でいるのはそう簡単ではありません。慢性的な病気をかかえていればたいてい、不快な症状が出ないかと心配になります

そこで、病気が長引いた場合に心配を和らげるヒントをご紹介します。ほんの少しラクになったり、健康状態もよくなるかもしれませんよ。

1.大好きな医師を見つける

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慢性的な病気をコントロールしていくためには、医師や看護師と密接に協力しなければなりませんから、気を許せて好感がもてる相手を見つけることが大切。

「医師と患者の間に強い信頼関係があれば、不必要なストレスを感じずに済みます。手始めとして、おすすめの人がいるか、かかりつけの医師に聞いてみてもよいでしょう」と、クローン病などの慢性疾患を治療している胃腸科専門医のマーク・バーンスタイン医師。

2.生活を変えるなら、ひとつずつ順番に

食事を変える、よく眠れるようにストレス管理テクニックを取り入れるなど、健康状態をよくするための方法に関しては、実に多くの情報があります。

でも、生活をすべていっぺんに見直し、良くない部分を洗い出そうとすると、「すぐに燃え尽きてしまいます」とスーザン・マスターソンさん。自身がシェーグレン症候群(ドライアイやドライマウスの原因になる自己免疫疾患)をかかえる健康心理学者です。

一挙にたくさん変えようとするよりも、一番大きな影響があるのはどこか、医師と相談するようマスターソンさんはすすめます。そこから始めて、次に別のことに進みます。

3.運動する

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散歩する、自転車に乗る、友だちとバスケットボールをする。

NIMHによると、気持ちを高めてストレスを軽くするには、毎日30分身体を動かすだけでも十分。運動は、クローン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎の症状の改善に効果があるという研究結果も出ています。

でも、運動を始める前に必ず医師の許可を。症状のせいで運動が難しいなら、安全に楽しめる運動法を、理学療法士と一緒に探すのもよいかもしれません。

4.支援グループに加わる

友だちや家族がついていても、指がこわばって洋服のボタンがはめられないもどかしさや、誰かの家でトイレを使うたびに詰まらないか心配になる気持ちまでは、本当の意味で理解してはもらえません。だから、ときどきとても孤独に感じてしまいます。

慢性疾患を自己管理する人のサポートについて調べた研究によると、自分と同じか似たような症状と診断された人とつながると、孤独感が和らぐとのこと。自分が取り組んでいる問題に新しい見方が生まれる可能性もあります。

5.専門家と話す

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慢性疾患を専門にしているセラピストか心理学者と定期的に話してみるのも、それだけの価値があります。

「あなたはきっといろいろな問題への対応に取り組んでいるでしょう。フラストレーション、自分の身体と断絶しているような感覚、障害のある人を差別する世界で生きるプレッシャー、めんどうな医療システム、それにあなたの病気を認めなかったり、疑ったり、誤解したりする周りの人たちなど」と、テキサス州のメンタルヘルス医療機関『ARサイコロジカル・サービス』の臨床ディレクター、カレン・マクダウェルさんは指摘。

メンタルヘルスの専門家は、このような問題をすべて解決して、あまり頭を悩ませないようにする手助けをしてくれます。

6.クリエイティブになる

絵を描く、楽器を演奏する、日記をつける、部屋の中を踊り回る。

ペンシルベニア州立大学の研究によると、こういったクリエイティブな活動は気持ちをリフレッシュさせることが分かっています。ストレスやうつ気分に対抗してくれて、慢性疾患の症状を和らげる効果さえあるそう。

別にピカソやモーツアルトのような天才でなくても、よい結果が得られます。楽しめばいいだけ。

7.「マインドフルネス」を試す

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もうすぐ医学検査だとか、最悪のタイミングで症状が再燃するかもしれないとか、つい心配してしまいますよね。

今度そんな自分に気づいたら、深呼吸して意識を“今”に戻します。この数分間の「マインドフルネス」で、頭の中を駆け巡る思考がゆっくりになり、気持ちが落ち着いて、冷静になれます(マスターソンさん)。

マインドフルネスに関するオーストラリアの研究によると、これを繰り返すうちに全体的な幸福感が大きくなってゆくと伝えています。

8.「現在」と折り合う

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自分の症状が治らないかもしれないという事実を受け入れるのは“敗北”ではありません。“解放”なのです。

マクダウェルさんによると、「多くの人が、以前の状態に戻るという目標にしがみついていますが、それは現実的ではありません」。

自分の身体に元のような動きをするように望むのではなく、単にあるがままでOKだと考えます。「現在の自分を受け入れて、あるがままでいる術を学びます。自分の身体に優しくして、思いやりを持つことです」。そしてたいていは、それこそが最良の対処方法なのです。

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