傷つくコミュニケーションの原因は「損する言葉」
心理研究家の津田秀樹さんと、精神科医の西村鋭介さんの共著である本書。2人の共通点は、「傷つかない・傷つけない会話」の専門家であるということです。
カウンセリングや心療の場では、心をケアしながら、相手とうまく会話をするための方法が、さまざまに研究されています。それらの方法は、決して特殊なものや専門的なものではありません。日常会話の中で誰もが実践できる、「ちょっとしたコツ」なのです。
(『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』8ページより引用)
本書によると、会話で人を傷つけてしまったり、自分が傷ついてしまうのは、「損する言葉」を使っていることが大きな原因。「損する言葉」を「好かれる言葉」に言いかえるだけで、会話を中心としたコミュニケーションが変わるといいます。
絶対、ばっかり、なんにも…極端語は「抜くべきトゲ」
本書の第一章で取り上げられるのは、傷つける言葉のトゲを抜く「言いかえ力」。悪意のある比喩を使わない、AをほめるためにBを否定しない、質問形式で責めない……など、日常生活ですぐに使えるテクニックが紹介されています。
「最初に抜くべきトゲ」として登場するのは「極端語」。相手が2、3回くらいミスをしたときに、「いつも同じミスばかりして!」と言ってしまうようなケースです。
《極端語》には、「いつも」「絶対」「ばっかり」「なんにも」「まったく」「~だけ」「本当に」「全部」「全然」「すべて」「完全に」「ちっとも」「大〇〇」「みんな」「超〇〇」などや、「世の中には山ほどいる」「世の中で君くらいのものだ」などの言い方もあり、会話のなかに頻繁に登場しがちです。
(『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』21ページより引用)
著者によると、極端語を使ってしまうのは、自分の伝えたいことが相手にちゃんと伝わらない……というもの足りなさを感じるから。しかし、人を叱ったり、文句を言ったりするときに使ってしまうと、かえってその言葉が相手に届きづらくなるという逆転現象が起こります。極端語を使われたことで、「そんなことない(そこまで極端ではない)」という反発心が生まれるからです。
この解決法は簡単で、「単に極端語を抜けばいいだけ」だと著者。一歩ずつ、確実に習慣にしていくことが大切だと述べています。
大切な人との関係を深めるための「言いかえ力」
「言いかえ力」は、パートナーや家族など、親しい相手との会話でも効果を発揮します。とはいえ、「親しい相手との会話」は上級者編だと著者。相手に心を開き、相手のことを理解していると思うほど、ふとした言葉の傷が深く、大きくなりやすいからです。
とりわけ欠点を指摘するときは、言い方に細心の注意を払う必要があるようです。
心理学者のアルベルトの研究によると、相手の「行動」について不満を言っているカップルは、あまり問題がありません。
でも、相手の「性格」について不満を言っているカップルは、問題アリなのです。別れの危険性がかなり高いといえます。
(『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』242~243ページより引用)
親しいだけにキツくなりやすいというのも要注意ポイントですが、もっと大切なのは、相手の「行動」は非難してもいいけれど、「性格」は非難しないほうがいいということ。「結果としての行動に不満があるだけで、あなたのことが嫌いなわけではない」というニュアンスを伝えられるかどうかで、2人の関係性が変わってきます。
「いっつも服を脱ぎっぱなし!本当にだらしないよね」と性格を怒るのではなく、「脱いだらすぐに洗濯カゴに入れて。自分のことは自分でやって」と行動の改善点を伝えるのが、相手も自分も傷つかない話し方。たくさん紹介されている「良い会話例」「悪い会話例」も参考に、ゲーム感覚で「言いかえ力」に挑戦してみませんか?
1,485円
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コメント
コメントを書くこの手の当たり障りのない言葉ばかり選んで使ってるような奴は確かに社会的に上に行くけど正直腹が知れん。
だからひろゆきみたいなある意味世間から隔絶された人間が、馬鹿に対して馬鹿って言っちゃうキャラで人気出ちゃうんだよなぁ。
なにかにつけて極論とか現実から自分に都合のいい部分だけ抽出したサンドボックスモードを振りかざす輩っているけど、お砂場遊びしてる幼稚園児と同じくらいにしか社会的に信用できませんね
慣れるまでがすごく疲れる。
少しずつ努力するのがコツかな。