夜でも煌々と光る灯り。
現代日本の生活では、暗くて困ることは、まずないですよね。夜に宇宙から地球を見ると、地球はまるでお星様のようにキラキラピカピカ。これは、先進地域の明かりが輝いているからです。とくに日本は列島全体がまぶしいほど! どうも日本人は暗いのが苦手なようで、「明るいことイコール豊かで文明的である」と勘違いしている節も。
皆さんの部屋にも、天井に蛍光灯がばっちり張り付いていませんか?
人間は、夜眠るようにできている
そもそも人間は「昼行性」の動物なので、夜は眠るようにできています。体は夜になると、メラトニンというホルモンを出して眠りを誘います。メラトニンは眠りを促すだけでなく、生体時計の調整も行ない、ガンなどの腫瘍に対抗する作用も持っている、非常に大事な「夜のホルモン」なのです!
でも、現代日本の生活は光の洪水。ネオンや街灯の下を通り、明るい電車で帰宅し、明るすぎるスーパーやコンビニに寄り、家でもベッドに入るまで、この洪水は続きます。これでは、体は「まだ昼だ」と勘違いして、メラトニン分泌を抑えてしまいます。とくにパソコン、スマホ、TVのブルーライトや蛍光灯の光は目にも眠りにも悪影響を及ぼします。快眠のためには午後8時ごろからは、極力暗めな生活をすべきなのです。
「夜は みんなで 早く寝よ」
ねむりのイロハカルタより 切り絵:ナカニシカオリ ©ナカニシカオリ スタジオ・ソムニナ
家の灯りは、薄暗いくらいが丁度いい
ここで私の光との付き合い方をご紹介します。まずはPC、携帯にはブルーライトカットシートを貼ります(家電量販店で購入)。さらにブルーライトカット眼鏡も用意。100%カットとはいきませんが、ぜひやっていただきたい対策です。
次に、寝室は夜に帰宅したら、すぐベッドサイドの灯りを点灯してしまいます。もちろん、天井蛍光灯はNG。私が愛用しているのは、旧式の白熱色のスタンドです。夜もふけて寝室に入って行くと、薄暗い中にほっこりしたオレンジの光が迎え入れてくれます。このとき受ける感覚は何とも癒し感のあるもので、実際、快眠に繋がります。(ワンルームの場合は、夜はパーテーションを使い、リビング空間とベッド空間を分けることをおすすめします)
美濃で購入した美濃和紙のスタンド
お風呂も薄暗くして入ります。アロマなども使って、ぬるめのお湯でゆっくり。リビングも、欧米の映画の夜のシーンに見るような間接照明にして過ごします。
はじめは薄暗さに違和感を覚えますが、慣れてくると心地よさを感じてきます。それは、体が太古からの人間らしさを取り戻した証拠。夜は暗いもの。それを感じ取れれば、眠りはもっと深くなりますよ。さあ、これから、夜は皆で「暗めに、早めに」を実行してくださいね。
【今月のねむまめ】
睡眠にとって、とても大切な灯り。岐阜県美濃市では、美濃和紙あかりのアート展が開催されます。想像以上の芸術性と美しさに息をのむこと間違いなし! 日本の灯りの歴史を学ぶなら、長野県上田市にある「武石ともしび博物館」もおすすめです。ろうそくや行灯を組み立てる体験や、茶室で茶道と灯火の繋がりも学ぶこともできます。
[第20回美濃和紙あかりアート展]
開催日時:2013年10月12日(土)・13日(日) 17時~21時
開催場所:岐阜県美濃市 うだつの町並み通り一帯(詳細はこちら>>)
お問い合わせTEL:0575-35-3660
主催:美濃市観光協会,美濃和紙あかりアート展実行委員会
[武石ともしび博物館]
住所:長野県上田市下武石1902-4
開館時間:9時~16時
休館日:月曜日・祝祭日の翌日・冬期間(12月29日~3月31日)
入館料:一般 400円・小中学生 200円・団体一般 300円・団体小中学生 150円(障害者・高齢者の方は 割引があります)
TEL:0268-85-2474
photo by Thinkstock/Getty Images
(橋爪明子)