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本物を知っている人はごく僅か。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」
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本物を知っている人はごく僅か。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」

2014-06-19 22:00
    梅雨のさなかの雨降りの日は、窓を開け放つことができません。

    雨の匂いも決して悪くはないけれど、室内にぱらぱら水の粒が入り込み、気がつくと小さな水たまりができていたことがあったり。そこで4月に屋久島を訪れ持ち帰ってきた「クスノキエッセンシャルオイル」を、アロマディフューザーに数滴。

    アロマディフューザーに数滴たらして使っている「クスノキエッセンシャルオイル」。森の中をおもわせる、すーっと清涼感のある香り。

    するとじんわり部屋の中に清涼感のある緑の香りが満ち、じめじめ気分もどこへやら。クスノキの成分は「カンファー」といって、アーユルヴェーダに用いられることもあるオイル。蚊除けの効果もあるので、梅雨の時期の気分転換だけでなく、これからの季節にさらに重宝します

    七緒』(プレジデント社)38号。8ページに渡り、兵頭材木店や、屋久島の自然や昔ながらの店を取材した「屋久島『しょうのう』物語」が掲載されています。

    屋久島まで足を運んだのは、着物の専門誌『七緒』で、兵頭材木店が復刻した「クスノキしょうのう」作りを取材するため。

    屋久島といえば、樹齢1000年以上の「屋久杉」がよく知られていますが、藩政時代から戦後まで、クスノキを原材料とした「しょうのう」作りは島の基幹産業でした。しかし化学合成された防虫剤の普及とともに、しょうのう作りは一時期ぱったり途絶えてしまっていました。

    数十年の時を経て、かつての屋久島の産業を再生させようと立ち上がったのが、兵頭材木店の兵頭昌明さん。かわいい孫たちの存在も大きく、子どもも安心して使えるものを残していきたいと思ったそう。

    衣類用防虫剤というと、ツンと鼻をつきあげるような刺激臭を思い起こす人が多いかもしれません。けれどもそのおおよそが化学合成されたもの。子どもたちにも安心な100%天然のしょうのうを作っている工房は、今は日本にわずか数軒しかなく、本当のしょうのうの香りを知っているのは、私たち祖父母世代。

    防虫効果のある「屋久島クスノキしょうのう」。クローゼットを開けるたびするっと香る懐かしい匂い。気持ちがことんと鎮まります。

    化学製品だとタンスから衣類を出して匂いをとるのにひと晩かかるけれど、天然しょうのうならば数十分で気化するので、着替える少し前にハンガーにつるしておけばその後も刺激臭に煩わされることもありません

    クスノキと水。たったそれだけの原料から、粉(しょうのう)、油(エッセンシャルオイル)、芳香蒸留水(カンファーウォーター)、3つのしょうのう製品に枝分かれします。

    スプレータイプの小さなボトルに移し替え、ルームフレグランスとして使用している「カンファーウォーター」。独特の臭いがこもっているビジネスホテルの臭い消しにもなるので、最近は旅のお供。

    しょうのうは、タンスや机の引き出しに入れて、衣類や紙類の防虫に。エッセンシャルオイルはアロマオイルに。カンファーウォーターは、ルームフレグランスに。どれもが深い森の中を思わせる清々しい香りをたたえ、虫をよせつけず、気持ちをゆったり和らげてくれます。

    東京だと、エッセイストの中川ちえさんのお店「in-kyo」で、しょうのうと、エッセンシャルオイルの取り扱いがあります。兵頭材木店から通販もできるので、屋久島からの小包を待ってみても。

    RSSブログ情報:http://www.mylohas.net/2014/06/038936shounou.html
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