カーネーションといえば、母の日に贈る花というイメージ。毎年たくさんのお母さんを笑顔にしている一方で、早く咲き過ぎたり、規格に合わなかったりで、廃棄されてしまう花があります。また、カーネーション以外の花でも、同じように店頭に並ぶ前にやむを得ず廃棄となってしまうものが。そんな花にも活躍の場所を作りたい。花に関する仕事をしている有志たちによる「Flower Ring―花の再資源化Project―」はそういった思いから始まりました。

茎に秘密あり。カーネーションから生まれた再生紙

「Flower Ring―花の再資源化Projectー」のサイトでは、その活動を次のように説明しています。

これまで物流で、花屋さんで、やむを得ず捨てられてしまっていた花の再資源化を考え環境への貢献を図るとともに、「花=資源」という新しい概念のもと花の命の大切さを広く発信していきます。

Flower Ring―花の再資源化Projectーより引用)

そのプロジェクト第1弾は「カーネーション再生紙」。出荷予定日に対して開花が早すぎたり、水揚げ作業でカットしたり等の理由で廃棄予定となった花や茎を再資源化して再生紙にするプロジェクトです。

お店に並ぶ前に廃棄が決められた花や、美しく整ったフラワーアレンジメントを作る際に切り落としてしまう花や茎、これらをなんとか別の方法で利用したい。そう考えていたときに、茎には繊維が存在することに気がつき、紙を作ろうと思い立ったそうです。

前例がないため引き受けてくれる工場はなかなか見つからず、また、廃棄予定の花を一括して回収できるシステムも一から考える必要があったそう。それでも企画意図に賛同する人達は徐々に増え、夢は現実となり、カーネーション再生紙は誕生しました。

紙は薬品を使わないエコパルプ製法で、現在のところ原料のうちカーネーションが占める割合は10%。今後は30%を目標としていくとのこと。第1弾で作られた紙は、名刺2000名分(1人あたり100枚で計算)と、はがき500枚。販売売上は次の花の再資源化費用と新たな雇用の創出に活用されます。

カーネーションで作られた名刺やハガキなんて、持っているだけで気持ちが癒されます。また、配るときの話題にすることで、この活動を多くの人に知ってもらうお手伝いもできそうです。

Flower Ring―花の再資源化Project―

flowers via Shutterstock

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