ニューヨークタイムズによると、イカリア人が90歳まで生きる確率はアメリカ人の2.5倍で
比較的心身共健康で、痴呆症の確率は4分の1という結果に。また「GreeceJapan.com」では、長寿の要因として、とくに魚介類、果物、野菜、豆類、お茶の摂取、昼寝(シエスタ)の習慣、家族の絆、頻繁な近所付き合いと地元の催事への参加などがあげられると発表しています。
そんなイカリア島に移住してきた若者たちの姿を追ったドキュメンタリー映画『ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かなギリシャの島で―』が10月11日(土)から公開になります。
ギリシャは、2010年頃からの経済危機で3人に1人は貧しく、若者の半数は無職となり、希望を消失。彼らの多くは、ギリシャを離れたいと願い、ギリシャに残るとしても都市に残らずに田舎に移住しているのだそう。
首都アテネで、IT関連の仕事をしていた35歳のトドリスも、彼女のアナと、安定の職を捨て、イカリア島に移住し、畑付きの家を購入し、見よう見まねで自給自足的の生活をスタートさせます。
彼らは、農作業や島の生活に馴染もうとするのですが......。トドリスとアナはイカリア島に住んでから現地に暮らす老人たちと出会い、いろんな知恵を学んでいくのですが、テクニックだけではなく、いかにして心豊かに暮らすことができるのか、その秘訣をたくさん知ることになります。
お互いが助け合ったり、交流したり。それはひと昔前の日本でも普通に行われていたこと。お金がなくても幸せに生きるために必要なことを老人たちは改めて教えてくれますし、そうすれば心だけではなく身体も健康になり、その結果が長生きに繋がるんですね。
島暮らしで直面するきびしい現実も描く素晴らしき島暮らし! みんなで島暮らしを! とアピールしているわけではないのもまたこの作品の魅力。素人が突然、自給自足生活を始めるのですから、それには苦労もともなうわけで、夢を見て都会からやってきた若者たちが直面する現実も描かれています。
私の周りでも都会での暮らしを捨てて、島暮らしをはじめた知人がいます。コンビニもない不便な場所ですし、特に産業があるわけでもないので大変なこともあったと思いますが、実に活き活きとしています。顔の表情も以前と全く変わりました。
自分なら今後どういった生き方が合っているのか? ということを考えるきっかけにもなる作品です。島で豊かに暮らす老人たちから、人生を楽しむコツも学べますし、自分にとっての「ハッピー」な暮らし方を見つけるヒントがたくさん詰まっています。
[ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かなギリシャの島で―]
監督:ニコス・ダヤンダス プロデューサー:レア・アポストリデス、ユーリ・アヴェロフ
製作:ANEMON 共同制作:ARTE & ERT
配給:ユナイテッドピープル
原題:LITTLE LAND
ギリシャ/2013 年/ギリシャ語・英語/52 分/HD/16:9/カラー/ドキュメンタリー
2014 年10 月11日(土)より渋谷アップリンク他にてロードショー!