みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。
日に日に、夜の時間が長くなってきたのを感じます。そんな深まりゆく秋の夜に欠かせないのがお月見です。旧暦8月15日の「十五夜(中秋の名月)」と、旧暦9月13日の「十三夜」は名月といわれ、あわせて眺めるのが古くからの習わし。
どちらか一方のお月見しかしないことを片月見(かたつきみ)と呼んで、縁起が悪いと嫌われていたほどです。平年の名月はこの2回だけですが、今年は171年ぶりに「後(のち)の十三夜」が出現します! その月が見られるのは11月5日です。
悠久の時に思いを馳せ、奇跡の月を愛でる月の満ち欠けを基準とする旧暦のひと月は、29日もしくは30日。一年の日数は約354日です。ところが、季節変化をもたらす太陽の1年は約365日なので、このままでは年を追うごとに日付と季節にズレが生じてしまいます。そこで、約3年にいちど「閏月(うるうづき)」を挿入して調整するのが旧暦の仕組みです。
今年は、閏月が挿入される年。しかも、9月のあとに「閏9月」が入るため、暦のうえでは9月13日が2回となって、十三夜も2回出現するというわけです。2回目の十三夜のことを「後の十三夜」といいます。
当日の月の出、月の入りは前回、閏9月が挿入されて「後の十三夜」が出現したのは1843年(天保14年)。計算すると......なんと171年ぶり! これはまさに一生にいちどのミラクルムーンといえますね。この奇跡の月が見られるのは11月5日で、当日の月の出は15時40分、月の入りは翌日の3時53分です(東京)。雲や建物などにさえぎられることがなければ、ほぼひと晩中お月見が楽しめます。
171年ぶりの名月を見られるチャンスが巡ってくるとは、私たちはなんてラッキーなのでしょう! 11月5日はひとりでも多くの人に、この奇跡の月を愛でてほしいと思います。
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