ドイツにおける幸福研究の第一人者、ヘルベルト・ラスツィオ氏の子女、ソニアさんは、一風変わった幸福論で有名です。彼女の幸福感とはいったいどんなものなのでしょうか。
幸せになる秘訣は「受けいれること」著書「幸福なんてクソくらえ(現題:Fuck Happiness)」をとおして時の人となった彼女。「ヨーロッパにおける幸福研究所」の研究員としても働いています。そのソニアさんによると、幸福を感じるうえでいちばん大切なものは、「受けいれること」であるといいます。
1、自分の力ではどうしようもないことを受けいれる
現実を見て、ときには事務的になることができる人間の方が、人生の満足度が高いといいます。仕事にしろ、家族にしろ、友人・恋人に至るまで、私たちは「こうあるべき」という思いに縛られてしまいがち。しかし、そういったいき過ぎた期待感を強くもつほど、かなわなかったときにの失望は大きいのです。
2、人を幸せにしようとすると自分にもどってくる
人が不幸を感じる原因は、他人から何かがもらえることを常に期待しているから。つねに他人に期待してばかりではいけません。自分を幸せにしてくれるのはなにか、だれかを幸せにしてあげられるものはなにかを考えましょう。そうすると、おのずと信用や信頼という、人と自分を幸せにしてくれるものが見えきます。
「Sonia Lazlo」より引用
ソニアさんは幸福が人間にとってどのように働いているのか面白い例を挙げています。
サルにリンゴを1個与えます。するとサルは喜びます。つぎに、こんどはレーズンを与えます。すると、リンゴをもらったときよりももっとサルは大喜びします。少したってから、そのレーズンを取りあげます。その結果、目の前のレーズンがなくなったことにサルは深く落ちこむと言います。
日々を受けとめるのが大切人間もおなじように「もっともっと」と欲を出すことで幸せになろうとします。けれど、この「幸福感」は長くは続きません。本来のありがたみ(最初にもらったりんご)をすぐに忘れてしまうからです。だから普通でいること、いまの状況に満足して平凡でもいいからそのままの日々を受けとめる。そのことで、すこしいいことがあったときに幸福を感じられるようになるのだと思います。
そして、幸せを長続きさせたいのなら、日々のちいさな満足を感じとれるようにするのが大切です。幸福とはすでにあなたの手のなかにあるのですから。
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