数年前のブーム以来、静かな人気が続く「苔」。なんともいえない独特の世界観と優しい手触りを持つ植物です。淡い緑、濃い緑......と、さまざまな緑色が重なりあうその姿は、どこか生命が持つ神秘的な力のようなものを感じさせます。
癒される苔の壁その苔を「癒しのインテリア」として楽しもうと、オーストリアのインテリアデザイン・スタジオ「Innovative Naturawand(イノヴァティブ・ナチュアバンド)」が提案しているのが、「コケの壁」です。
実際は壁だけでなく、サウナのまわりや玄関一面に苔を植えたり、パテーションをもこもこした苔で覆ったり、床に苔で字や絵を描いたりと、可能性は無限。苔に囲まれていると、まるで森林にでも足を踏み入れたような気分になります。
空気を浄化するエコ・プラントまた、苔には癒される以外の効果も。実は空気を浄化する働きがあるため、エコ・プラントとしての役割を果たしてくれるそう。
コケは地球の厳しい環境の中を生き延びてきた、地上最古の生命の一つです。(中略)また、コケは太陽の光を受けたときにも、気温を上げるはたらきをする赤外線の反射量が他の植物にくらべて少ないのです。それのみか、群生(コロニー)をつくっているコケは、その中に適度な水分と適度なすきま(空気)があるため、優れた断熱材となるのです。
(「コケの不思議」より引用)
つまり、二酸化酸素を吸収して空気をきれいにしてくれるだけでなく、湿度や温度まで調整してくれるということ。苔のある部屋での生活は気持ちが良さそうで、仕事や家事などもはかどりそうです。
また、苔というとすぐに茶色くなってしまうイメージもありますが、このデザインスタジオ開発の苔は、枯れたり虫がついたりすることがありません。色も赤、黄色はもちろん、黒まであり、さらには、アルファベットの形にした「アルファベット苔」まで存在します。
もしも自宅に苔があったら......。そっとなでるたびに、穏やかな気持ちになれそうです。
[Innovative Naturawand,コケの不思議]
Green&Heart via Shutterstock