「まず柔軟性がアップすると、同じ動きをしても疲れにくくなります。
持久力が向上する、と言い換えてもよいでしょう。ストレッチで直接心臓や肺が強くなるわけではありませんが、無駄なエネルギーを使わなくなる、つまり体の効率がよくなるのです。」
(『やってはいけないストレッチ』p92より引用)
たとえば私たちが足を上げるとき、股関節の前にある筋肉と、太ももの前にある筋肉が縮み、お尻やもも裏の筋肉が伸びます。
体が柔らかい人の場合、足を高く上げるときにお尻やもも裏の筋肉がスッと伸びるため足を上げるという動きに対して抵抗が起こらず、無駄なエネルギーを要しません。そのため疲れにくくなります。
いっぽう、体が硬い人の場合、筋肉がスムーズに伸びずに足を上げる動きの邪魔をするため、その分、余計にエネルギーを消費することになります。
こうした筋肉の抵抗は、立つ、座る、など日常生活のさまざまな動作で起こっており、疲れやすさにつながっていきます。
ストレッチで疲れにくい身体に疲れにくい体にするためにはストレッチで柔軟性を高めておくことがポイント。著書で紹介されている12の基本ストレッチのうち、疲れを感じやすい肩まわりに関するものをピックアップしてみました。
胸・肩・腕のストレッチ
準備姿勢 足を肩幅に広げ、腰の後ろで両手を組み、ひじを伸ばす。
1セット目 息を吐きながら、胸の筋肉が気持ちよく伸びている感覚を得るまで、肩甲骨を引き寄せて肩を後方に引き、8から10秒(ゆったりとひと呼吸分......吸い、吐く)静止する。
2セット目 少しゆるめて4秒(通常呼吸ひと呼吸分......吸い、吐く)インターバルをおき、足を前後に少し開き、息を吐きながらもう一度両腕を伸ばして上に引き上げつつ胸を張り、8〜10秒静止する。
(『やってはいけないストレッチ』p174−175より引用)
このほか全身の筋肉のストレッチを行えば効果てきめん。全身の筋肉が心地よくほぐれる感じは、寝る前のリラックスタイムにぴったりです。
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