近所にあったら、毎日がどんなに豊かだろう。しみじみ思える店に出会いました。きっかけは友人から手土産にもらったサブレ。押し花のように本物の花が生地に焼き付けられたもの。

店内にはイートインスペースがあり、花を眺めながらお茶やお菓子が味わえます。

つくっているのは、花屋と、焼菓子屋と、カフェを兼ねた店と聞き、訪ねてみたい気持ちが頭を離れません。そうしてとうとう念願叶ったとき、花・菓子・喫茶が一度に揃う店のある、町ごとぴかぴか輝いて見えました。

花は一輪から購入可能。サボテンの鉢もあります。花束は予算やイメージをお伝えして。

その店の名は「cotito(コチト)」。JR中央線・総武線 西荻窪駅から歩いて10分ほど。自分の家の近くにあったらいいな」と思う店を夫婦で、2014年の8月に開きました。お花は旦那さまで、お菓子は奥さまの担当。もともとお花屋さんが多い一帯。けれどもせっかくふたりの店を持つのなら、やっぱり好きな土地がいいと、西荻窪で物件探し。駅からは少し離れているけれど「あの道の角にある花屋さん」と言われるような、バス通りの交差点で、理想の建物が見つかりました。

リースも注文可能です。自分の部屋にも、贈りものにも。

隣は古道具店「recit」。さらにその隣は、野菜中心のイタリアの家庭料理やワインが味わえる「食堂くしま」。3軒の名店が軒を連ねます。

店の名のコチトとは「わたしたち」を表す日本の古い言葉。「お店を営む夫婦ふたり」。「花と菓子」。「お客さまとお店」。「花や菓子を求める人と贈る相手」。さまざまな「わたしたち」がともにある場にふさわしく、ふっくらとした響き。

伊勢原市でエディブルフラワーを栽培する「加藤花園」の花をのせて焼いた「ハナサブレ」。コチトのクッキーは全て、卵・乳不使用です。

コーヒーを飲みに立ち寄った人が花を買って帰ったり、お菓子を求めにやってきた人が飲みものとお菓子でひと息ついたり。最初は、花、菓子、カフェと、なにかひとつの目的で来た人も、別のお気に入りを見つけて常連になることが多いそう。

コチトの焼菓子。こんなふうに、オリジナルのギフトBOXに詰めることができるので、贈りものに。

梅・すもも・ベゴニア・不知火みかんの酵素シロップ。熊本産の無農薬果物、加藤花園のベゴニア、てんさい糖で手づくり。カフェのメニューのひとつとして、水割り・ソーダ割りで味わえます。

花は一輪から、もちろん花束やリースも求めることができます。目的や予算を伝えての注文は、予約をすればお菓子も可能。私は花の好きな友人の誕生日に、卵・乳製品不使用の、エディブルフラワー(食用花)のホールケーキをお願いしました。ベゴニア、なでしこ、メランポジウム......。

友人の誕生日に注文した「cotitoのバースデーケーキ」(要予約)。卵・乳製品不使用のデコレーション用ケーキ、名前入りアイシングクッキー、季節のエディブルフラワー付き。

「食べられる花束のようだ」と、友人も大喜び。ケーキもクッキーも、子どももおとなも安心して口に運べる食材を使った、優しい母の味。ご近所ではないけれど、これからも、わざわざの道のりを楽しみながら通えたら。好きな店を目指すとき、心も体も豊かに満ちる。

RSS情報:http://www.mylohas.net/2015/07/047502cotito.html