入院食が楽しみ、にはなりません
日本では産院を選ぶとき「入院食の内容」もポイントになると聞きます。専属シェフプロデュースのフルコースや、豪華な食材をたっぷりつかったお祝い膳など、レストラン顔負けの食事をウリにしているところもたくさんあると。インスタグラムで産婦さんたちのハッシュタグ「#入院食」めぐりをすると、そのレベルの高さに驚き、うらやましくなってしまいます。
というのも、ドイツの入院食は涙が出るほど質素。朝は丸パンにスライスチーズとハム。りんごかバナナにヨーグルト、飲み物。昼は何種類かのメニューから選べるのですが、厨房で作っているわけではなく、できあいのレトルト食品のようなものを温めて出される程度(上記写真)。そのあと3時のおやつにはちょっとしたお菓子とコーヒーまたはお茶。そしてなんと、夜は朝とほぼ同じ(冒頭写真)。パンが丸からスライスになるだけ、という悲しい現実。毎日これの繰り返し。栄養バランスやカロリー計算、絶対されてないよな、と思わざるを得ない内容です。
こんなんじゃ、出るものも出ない
これはわたしの出産した病院がたまたまそうだったわけではなく、残念ながら全国どこへ行ってもほぼ同じ。以前お話したように、産後の入院費もドイツでは保険で全額カバーされるので、贅沢はいえないのだけれど、こんな食事じゃ元気出ないよ(ついでに母乳も)......と嘆いたものです。
そんなわけで、入院中には家族や友人に差し入れを持ってきてもらっている人がほとんど。入院病棟にお見舞いにきた人がくつろげる大きな待合室があるので、そこにピザや中華の出前を頼んで、家族で一緒に食事をしている姿も。
人生の一大事ともいえる出産を終え、最初に口にするもの。おいしいものであるに越したことはありませんよね。日本の入院食は世界に誇れる文化です! 病院で出されるお食事、どうぞありがたくいただいてください。