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週刊『夏野総研』vol.120【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】
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週刊『夏野総研』vol.120【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】

2015-01-30 08:00
    ▼第120号
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                  2015/1/30

         夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
                    vol.120
             【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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    『ニコニコヘルプ』
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    ───────────────────────────────────

    《目次》
    01.時事ネタキュレーション
    02.ビジネスモデル分析
    03.Q&A
    04.Product Lab
    05.Good Food Good Life
    06.Weekly Wine
    07.スケジュール
    08.編集後記

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
    【01.時事ネタキュレーション】
     いつもぼんやり見ているニュースも、見方を変えればいろいろなことが見えてくる。当コーナーは、日本の未来を読むための時事ネタや話題コンテンツを、私がキュレーターとなって解説していくものです。
    ……………………………………………………………………………………………
    ※執筆の都合上、今号では1月27日までのニュースについて解説しています。

    ◆NTTがスポンサー第1号に 東京五輪組織委と最高位で契約
    http://goo.gl/eiWW7Y
     いち早い決断は、さすが持株会社社長の鵜之浦さん。この決断スピードがドコモにもあればなあ……。

    ◆米マイクロソフト、「Windows 10」を正式発表
    http://goo.gl/lA7dUc
     ビジネスモデルの転換がちょっと中途半端だな。

    ◆Windows10のお披露目会が完全にMacに支配されてMicrosoft幹部が真っ青に
    http://goo.gl/rs5euR
     ま、そうだよねえ。

    ◆インターネットは「姿消す」、米グーグル会長がダボスで講演
    http://goo.gl/uljBbf
     同意。

    ◆5周年迎える「radiko」、有料サービス利用者が15万人突破 ネットで新たなファン獲得、好循環も
    http://goo.gl/KeOk8M
     有料で成り立っているのはいいことなのだろうか。世界のインターネットラジオの趨勢は無料だけど。

    ◆広告動画を見るとスタンプがもらえる「LINEマストビュースタンプ」
    ・動くスタンプの次は「しゃべるスタンプ」! よしもと芸人の音声付きLINEスタンプが登場
    http://goo.gl/gTZDs4
    http://goo.gl/cRNZiZ
     LINEのスタンプに関する話題が2つ。広告動画のスタンプは、なんかイヤな印象……。音声付きが登場とのことだが、これは流行らないな。

    ◆新聞からスマホへ「折り込みチラシ」のデジタルシフト鮮明、Shufoo! は月2億 PV 突破
    http://goo.gl/h7sph2
     新聞を読まないもんね。

    ◆外食予約にネットの波 スマホ普及、対応店は1年で5倍
    http://goo.gl/yV7xwy
     ようやく飲食業界にもネットの波。もちろんウェルカム。

    ◆月額5800円で借り放題--女性向けファッションレンタル「SUSTINA」3月開始へ
    http://goo.gl/4KpCWS
     新しいビジネスモデル。すばらしい。期待!

    ◆書籍・雑誌販売額ピークの6割「好転兆しない」
    http://goo.gl/h9ziaH
     構造的に出版業界は大変革を求められているな、と思ったら、私も当事者だった。

    ◆「SNSのいじめを無くしたい」14歳の少女が開発した新システムに世界が注目
    http://goo.gl/eGP8bD
     すばらしい。単純だけれど、効果はありそう!

    ◆ヨドバシのネット通販、都内は6時間で配送
    http://goo.gl/QraxtZ
     こういうサービスがもっと早く出てもよかった。早速利用しよう!

    ◆サムスンのTizen初号機「Z1」、インドで撃沈。5年前の携帯と呼ばれる
    http://goo.gl/MGx7T8
     終わってるな。

    ◆ユーザー「3DSを無くしました」 任天堂「自己責任。再DL?買い直してください」
    http://goo.gl/ICZeeZ
     これではAppleに負ける。

    ◆Xiaomi副社長「スマホを安くできる理由?単純だよ。発売を年2機種に絞り込み、2年売り続けるだけ」
    http://goo.gl/1PRwJH
     だよなあ。

    ◆パナソニックがロボット掃除機に参入 三角形の「ルーロ」
    http://goo.gl/jhAo9Y
     もう、ロボット掃除機はiRobotに任せて、もっと斬新な製品を出そうよー!

    ◆シャープ、BD機自社生産撤退へ 他社に委託し合理化
    http://goo.gl/TF8J8s
     別にSHARPがBlu-ray機器を売らなくていいじゃん。

    ◆手のひらサイズで重低音 ソニーが新スピーカー
    http://goo.gl/gF7vJL
     こういう要素技術はあるのに、パッケージ化された商品が出てこないんだよなあ。

    ◆鴻海、自動車進出の野望 EVへの投資表明
    http://goo.gl/yGSULe
     この動きは速い。

    ◆どんどん算数が好きになる!新教育サービス「RISUタブレット」がスゴい。
    http://goo.gl/rtHZGA
     使ってみよう!

    ◆「クロネコメール便」廃止「信書」めぐり「顧客が容疑者になるリスク、放置できない」
    http://goo.gl/3FELSh
     ヒドい国。あり得ない。そこまでして日本郵政を守る意味が全くわからない。

    ◆地方私立大、「公立化」に活路 地方創生が追い風に
    http://goo.gl/hT4DZW
     つぶすべき。

    ◆総務省、「技適」未認証端末の使用を合法化へ――電波法改正を予定
    http://goo.gl/mkyV92
     新しいデバイスやドローンがどんどん出るなかで、遅いくらいの改革。でもやらないよりマシ。

    ◆ロボット活用へ5カ年計画=福島に開発拠点-安倍首相
    http://goo.gl/l3I5I2
     これはいい動きだね。福島でロボット開発というのはいいアイデア。

    ◆江田色強める維新、大阪は反発 政権との距離感にも差
    http://goo.gl/SKuqoM
     あんまり揉めないで、都構想きちんと実行していって欲しいな。

    ◆「学力の低迷はゲームのせい」 北海道、第1・第3日曜は大人も子供もゲーム禁止に
    http://goo.gl/4bhHMi
     まったく関係ないな。

    ◆スマホ:学校公認でネットいじめなくなる 高知の私立高
    http://goo.gl/n3pFzR
     本来こういうことだよね。子どものスマホに関しては我が家でも意見が対立している。とほほ。

    ◆沖縄観光客、初の700万人突破 外国人62%増
    http://goo.gl/gEpFUA
     いいよね。リゾートのクオリティもぐっと上がってきた。

    ◆訪日外国人、最多1341万人 2兆300億円を使う
    http://goo.gl/Thlm6o
     一人15万円くらい使ってくれる。外国人のみなさん、ありがとうございました!

    ◆ギリシャ総選挙:急進左派連合が勝利宣言-服従の時代に決別
    http://goo.gl/heoRKc
    「もうギリシャは知らん」と国際社会が見捨てる事態が近づいている。

    ◆中国、裁判官の「有罪判決ノルマ」廃止検討―警官の「逮捕ノルマ」も
    http://goo.gl/OTxUjz
     ノルマがあったんだ。怖いな。

    ◆「クモの糸」量産へ 車・航空機…素材革命の挑戦
    http://goo.gl/J3nPou
     宇宙エレベーターの実現に一歩。

    ◆Mステ、「血・ナイフ」ある歌詞を自粛、変更へ イスラム国・邦人人質事件に配慮
    http://goo.gl/wAJUVF
     そういうことは本当に必要か?

    ◆インフルエンザの予防接種、全く効果なしと判明 WHO「予防はできない」と断言
    http://goo.gl/uOxCTh
     今年はまったく外れたらしいが、去年はバッチリ当たったらしいから、何とも言えないよね。

    ◆「私に20万円出資してくれればデートができます」 元AKB48森杏奈のクラウドファンディングは正攻法か?
    http://goo.gl/cRmdF7
     これは難しい問題。しかし否定はできない。トラブルに発展しなければいいが。

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
    【02.ビジネス分析】
     企業が手がけるビジネスの仕組みや戦略や動き、それを取り巻く社会状況などを解説していきたいと思います。
    ……………………………………………………………………………………………
    【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】

     今や押しも押されもせぬ巨大IT企業となったGoogle。12個のニュースをピックアップし、「すごいGoogle」、「やっぱりGoogle」、「Googleの誤算」、「Googleの弱点」の4つにジャンル分け。強みやポテンシャル、将来的な不安材料などを分析してみた。

    …………………………
    【すごいGoogle】

     さっそく“Googleらしい”ニュースが流れてきた。『Google 1日の総検索数は約30億クエリ、1年で1兆超え』(http://goo.gl/Ifsylq)だ。世界のネット人口が約29億人とされている今、ネットを使う人々が1日に1回アクセスしている計算ということになる。これは凄まじい数字と言える。
     Googleは元来、検索サービスを通じて“世界中の情報を再整理する”というポリシーを持ってきた。情報の再整理には言葉の壁を取り除くことも含まれており、事実、Chromeの翻訳を使えば「言葉の意味がわかる」程度にまでなっている。これが2014年までのGoogleだった。2015年からは「意味がわかる」からさらに進化し、「コミュニケーションができる」、つまり自然言語にシフトしてきたと感じるのだ。そう、『ほんやくコンニャク実現か、グーグルが同時翻訳アプリを発表』(http://goo.gl/fQu0La)である。Googleは最新のテクノロジーに敏感に反応し提供してきた企業。そういう意味では、空想の存在だった『ほんやくコンニャク』の実現が目前に迫っている可能性はかなり高い。

     Googleはテクノロジーを使い、社会に大きく貢献している。その意思は、『グーグルがゲノム解析を支援:自閉症研究などと提携』(http://goo.gl/lSrGcG)と『Googleが世界の海を監視することで「違法漁業」の実態が明らかに!』(http://goo.gl/zmstHR)を見れば一目瞭然。特に先天的な病気の解明には、ゲノム解析がきわめて役立つこと、そしてゲノム解析には巨大なコンピューティングパワーが欠かせないことがわかってきた。その中でGoogleは「世界一のビッグスポンサー」になったわけだ。
     違法漁業監視もしかりである。Google Earthは将来的に衛星から受け取ったデータをリアルタイムで表示されるようになるだろう。違法漁業だけでなく、交通情報の入手や違法な森林伐採なども取り締まれることになる。以前は、限られた人間しかアクセスできなかった情報がGoogle Mapsやストリートビューによって誰でも手に入るようになっている。STAP細胞論文の写真盗用を見ぬいたのもネット上の一般人だ。今後は、「関心のある個人」の力がさらに強くなっていくということ。そんな時代の幕開けを意味するニュースである。

     あくまで噂レベルだが、テスラに搭載された17インチのタッチスクリーンのOSはAndroidと言われている。実際に使ってみてわかったのは、自動車産業は全世界的にIT音痴ということ。なぜなら、「先進的」といわれるテスラのタッチスクリーンも既存の技術をパッケージしたに過ぎない。加えて、車速や車がいた位置などを「プローブ情報」というが、自動車会社はプローブ情報の共有に閉塞的だったりする。『米グーグル、自動車に直接搭載する「アンドロイド」開発へ』(http://goo.gl/00nTde)というニュースは、その状況を打破する狼煙かもしれない。Androidを搭載するとなれば、プローブ情報の共有は前提だ。しかも、GPSや加速度センサーを応用すればよりリアルな統計データを得ることが可能になる。適正な保険料率を設定することもできるので、『なんとGoogleが自動車保険を販売予定、「保険」業界へ進出か?』(http://goo.gl/TkucY4)という動きにも合点がいく。自動車保険の計算方法すら変えようとしているGoogle。これこそ社会イノベーションだ。


    …………………………
    【やっぱりGoogle】

    『グーグル、3.5GHz帯の開放をFCCに働きかけ 安価なネット接続サービス実現が狙い』(http://goo.gl/DSMd5h)という記事があったが、電波解放などの働きかけは、元来通信会社が行ってきたこと。直接的な利益を得ないIT企業は行ってこなかった。つまり、このGoogleの動きは「Googleの影響力」を象徴するような出来事と言える。しかし、電波帯を解放したからといってGoogleは通信サービスに参入するとは思えない。なぜなら、Googleの規模感に合わない“つまらないビジネス”であるからだ。最近では、「Googleは世界征服する気だ」という言葉を耳にする機会も増えてきたが、当のGoogleは世界征服など眼中にはない。一貫して「自社サービスの使い勝手が上がれば、利用者が増え成功する」というスタンス。ビジネスモデルは後回しという考え方だ。
     そんなGoogleが乗り出そうとしてるのが「格安スマホ」。先進国で高級スマホの需要が強くなる一方で、途上国では依然として安価なスマホ中心。世界的に市場が二極化しているわけだが、その状態に手を打つために『米グーグル「Android One」、新たに3つのアジア市場への参入を正式表明』(http://goo.gl/n0QEpf)、『Googleの組立スマホ「Project Ara」、プエルトリコで年内発売へ』(http://goo.gl/HkpFS2)を発表したわけだ。普通のメーカーならAndroid Oneのような低価格端末を作って終わりだろう。しかし、組み立て式であれば、極端にいえばカメラすらない端末も販売できるためより低価格にできる。この発想は「さすが」と言わざるを得ない。


    …………………………
    【Googleの弱点】
     低価格スマホで途上国市場を狙うGoogle。Googleの強みは「サービスを全世界で展開できる」ことである。それは、IT化が極端に進んでいた日本市場をも飲み込んだ。ところが、1国の人口が10億人を超える中国とインドの場合、話は別だ。国内だけで世界トップレベルの規模を誇るマーケットがあるため、ガラパゴス化でも十分にスケールが保てる。『Gmailが中国全土で使用不能?当局によるネット規制の強化か』(http://goo.gl/63juuJ)という出来事もあったが、中国は過去に対立があり、すでに失ったマーケット。そこでインドなのだが、インドで打った手の様子がどうもおかしい。

     
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