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「アメリカは武力行動を取るべきだと決断した!」

 8月31日、アメリカのオバマ大統領が発したこの“最後通牒”とも取れる宣言で、シリア情勢は一気に緊迫の度合いを増してきた。

 きっかけは、8月21日、内戦の続くシリアの首都ダマスカス近郊で、政府軍による化学兵器の攻撃を受け、のたうち回る一般市民の映像がソーシャルメディア上に“流出”。「貧者の核」とも言われる化学兵器の使用を、「見過ごすわけにはいかない」と米英仏の政府が即座に動いたのだ。が、国連安保理ではシリアに近いロシアと中国が拒否権を発動し、国連軍による介入を否決。アメリカとは「鉄の同盟」と称されるイギリスの議会さえ、「介入は国連の調査後に」と待ったをかけたのだ。それもそのはず、シリアのアサド政権は「政府軍の兵士も毒ガス被害に遭った」と、化学兵器使用の指示を身に覚えがないと全面否定。米政府の調査報告書を「バカバカしい」と切り捨てたのだ。大量破壊兵器が「ある」「ない」の押し問答は、ちょうど10年前、イラク戦争のときに聞いた記憶があるが、果たして、オバマ大統領は単独介入に動くのか?

 元イラン大使で、外務省国際情報局長も務めた孫崎享氏に聞いた。