私は、ちょうどそのタイミングで、スイスのジュネーヴに訪問していましたので、少しタイミングは遅くなりましたが、その件について現地の様子をお伝えしようと思います。
今回ジュネーヴは、まさしくプライベートバンクやファミリーオフィスなどスイスの富裕層相手の金融機関がどのようなサービスを展開しているか調査をしに行っていました。
スイスのプライベートバンクと聞くと、ものすごく秘密主義で敷居の高い金融機関だと思われる方も多いでしょうが、実際話を聞いたところでは普通の銀行業、証券業を中心とした金融サービス業であると認識を持ちました。
つまり、差があるとすれば、日本では
「預金や融資は銀行」
「証券投資や資産運用は証券会社」
と分業されているのに対して、スイスでは
「預金も、融資も、証券投資も、資産運用も同じ銀行でできる」
というサービスラインナップが異なるだけで、ひとつずつのサービスが大きく異なるということはありません。
ただし、日本と大きく異なることがあるとすれば、私がよく米国視察で報告している
「顧客の利益を重視して、動くかどうか(クライアント・ファースト)」
の精神です。
スイスのプライベートバンクでも、報酬の取り方は、米国のFPビジネスとそっくりで
預り金融資産残高×1%
というのが管理報酬です。
そのために、金融機関側も顧客の資産を殖やすこと(あるいは減らさないこと)にインセンティブが働く仕組みになっています。
日本では、そうした金融機関がまだまだ少ないのは、皆さんもお感じの通りだと思います。
最後に、Brexitに対するエピソードを一つ。
先ほども、プライベートバンキングの意識は
「お客さんの資産を減らさないこと」
にあると申し上げました。
顧客の注文次第ですが、プライベートバンクの志向性は私の予想した以上に保守的な運用を行っていました。
訪問したのはBreixtの前日でしたが
「我々は、英国は残留する確率が60%、離脱する可能性が40%と考えています。
そのため、投票の様子を見ながら、万が一英国が離脱するシナリオになりそうであれば市場は10%程度下げると考えているので、クライアントのリスクポジションをゼロにするためのプットオプションを購入して対応する予定です」
と話をしていました。
つまり、市場の反応としては
「残留なら上昇」「離脱なら下落」
という結果になるわけですが、その2択の結果が出る瞬間は、あえて資産を減らさないために
リスクポジションをゼロにする作業をする
というのは、顧客の資産を保全する大切な行動だと思いました。
日本に入ってくるプライベートバンキングの情報では
「資産を増やしてくれる」
イメージを持ってしまいがちですが
実際の現場では
「資産を減らさない努力をしてくれる」
ことが行われているのだとつくづく感じました。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
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