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トルコのクーデター未遂事件には驚きました。ニースでのテロも恐ろしい限りですが、何故にこんなことで何百人もの善意の命が失われなければいけないのかと考えさせられます。
諸悪の根源は為政者の権勢欲?権力者同士の闘争?・・・要は金の為?
突き詰めれば人間の欲が肥大化した結果なのでしょう。
トルコには昔からの知り合いも居りますので慌てて連絡を取り合った次第ですが、西側寄りの知識層はエルドアン大統領の強権政治に不安を持っており今回のクーデターに期待した方も多かったようです。
とは言え先進的な知識層は西側(イスタンブールやエーゲ海沿いの都市)に偏っており、大半の国民は世俗的な意識は薄く、且つ同大統領の在任期間中の躍進 を歓迎していますから、そもそも成功確率の低い(タイミングの悪い)クーデターだったのでしょう。しかも本当にクーデターが仕掛けられたのか、別の意図を 持った謀議だったのかすら不明です。
今年はもう何が起こるか予想が出来ません。特定の投資先にポジションを傾けるなどの無理をしてはいけないと改めて感じた次第です。
その一方で投資の観点からは、安全な国としての日本が再度見直されることも予想されます。
アジアで(世界的にも)最も安全かつ安定した先進国である日本への直接投資や訪日客の増加なども予想されるため、それらに関連する企業業績に期待が持たれます。様々な切り口からの研究も怠れませんね。
ところで、以前は有価証券取引税と言うものがありましたが1999年の金融制度改革によって廃止となりました。損益に関係なく譲渡(つまり売買など)が 発生すれば(一部の例外を除いて)取引額の0.05%~0.1%程度の課税がされていましたが、金融取引の自由化の推進などにより廃止されました。
50年近く続いた(余り評判の良くない)制度でしたが、今一度検討してみるのも悪くないと考える次第です。
ご存知の通り法人と個人とでは税の取扱いが違います。個人投資家を後押しするのであれば利益や配当に係る税率を引き下げ、その一方で取引税を復活させる議論があっても良いかなというお話しです。
所謂ファンドも一種の法人投資家であり、その巨大な資金量と低い取引コストをテコに無茶な売買を仕掛けて相場を動かしていると見做すなら、そのような取引が出来ない不利な一般投資家との公平性を保つためにも検討の余地があると考える次第です。
勿論税率は相当低くしなければいけないでしょうが、海外にも管理コストの徴収手段として、また規制の一手段として金融取引税があるのですから、ここ20年ほど自由化ばかりを進めてきた日本の金融市場も新たな考え方で市場整備を進める時期と思います。
いずれにしても昨今のように、様々なデリバティブを駆使して利ザヤを捻出する投資家ばかりが幅を利かせることでマーケットが乱高下し、結果として企業(産業)への中長期の資金供給システムが機能しなくなるようでは本末転倒です。
上場企業の事業評価、成長性評価などは二の次になり、技術を駆使し市場を動かすことで利益を出そうとする投資家が幅をきかせれば価格形成が歪になり易く、結果として博打場に変質してしまっていると言えるからです。
市場の無茶な変動要因への抑止力を持ち、市場の状況に応じて税率を変えていく手段を得ることが出来るなら、中長期の投資家を含む全体の公平性を担保するためにも新たな取り組みが望まれます。
市場間の出来高競争を無視する訳にはいきませんが、とは言え
1秒間に1,000回以上の約定が出来るほどのシステムを必要とする投資家って、数で言えば何%くらいになるのか?
企業の成長にどれほど役立つのか?
またコロケーションによる取引実態に問題が無いと、ちゃんと検証がされているのか?
一度しっかりと見直すべき時期です。
取引所の出来高(収入)を優先する余り、本来の大事な投資家が置き去りにされているのではないかと言う、実は重要なテーマです。
今のところアベノミクスと言っても所詮は金融緩和で円安や株高、資産バブルを演出しているだけであり、そこに都合良く財政支出を絡ませて古典的政治家な ど既得権グループを(予算分配で)黙らせているだけです。これだけでは国民の生活が良くなることも、潜在成長率が上がる訳もありません。
もっとも、安倍政権じゃなかったらもっと酷いことになっていたかも知れませんが・・・(汗)。つまり有権者自身が変わらなければ頼れる政治家は現れないと認識する事でしょうか。
都知事選では都議会と都行政の腐り切った癒着構造に切り込み、国内最大都市の既得権構造改革に踏み出せる候補を見極めたいと思います。
愚痴を書いているとキリがありませんが、金融市場を見ていく上で、様々な観点から研究しておくことも大事ではないかと申し上げたかった次第です(^^;)
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)