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あっという間の1年でした。
今年は年初からの資源安や中国景気不安に始まり、イギリスのブレグジットでボトムを打ち、10月からは大半のエコノミストによる円高予想を覆して米国大統領選でのトランプ氏勝利以降には「あれよあれよ」と言う間にドル高&株高局面となり年末を迎えました。
年央にかけては混乱しましたが結果としては昨年末と同水準に戻っています(^^)
東証1部時価総額が580兆円にもなったのですから、ここから先は無理せず、一部をIT銘柄に替えるなどして少しだけポジションを下げました。
世界のマネーが米国に吸い寄せられるように、特に新興国など経済が不安定な地域からの資金流出が大きくなりました。この10年の間にもファンドなどの仮需(金融取引)が大幅に増加しましたし、恐らくは来年以降も巨額な投資マネーが金融市場も実需も翻弄することになるのでしょう。
今年はじっくりと相場を見ていてはとても勝負にならない年でした(苦笑)。
さて、米国新大統領の登場によってTPPが頓挫しそうです。もちろん米国を含み日本も相当の発言権を得て、且つ高度な協定内容を持つ巨大経済圏の誕生は望ましいですが、振り返れば日本にとってはTPPの交渉をすること自体にも価値がありました。
何より、この交渉過程で日本の成長を阻害している様々な障壁の存在を知ることが出来ましたし、隠されていた既得権維持装置のために消費者が損害を被っている事例が数多く知られる効果があったことが重要です。
食料安全保障という美名に隠れた既得権の暗躍。農林水産予算に食らいつく節操無き族議員や、それを利用して省内の独自利権の肥大化に邁進する腐敗行政。その仕組みを知らされずに高いものばかりを買わされている善良な国民…等々。
1億人以上もの人口を抱え、一人当たりGDP37,000ドルを誇る先進国の国民が何故に余裕すら感じられず長時間あくせく働き続けねばならないのか?
何故に他の先進国に比べて住宅や食料品などの基本的な生活コストが高止まりしているのか?・・・等々を知る良い機会となりました。
つまり、国民の安全と豊かさを追求するという視点が国家を管理する政治や行政から欠落し、自身の既得権(自分達が楽をして存在すること)の維持が優先されている結果です。これらは資本主義による格差拡大などとは違う、権限を悪用した詐欺行為と言えます。
TPP交渉により隠されていた情報が公になることで政官による詐欺行為が明らかになること自体が将来の日本に良いことです。それ故、結果を気にせずまず交渉をすべきと訴えられておりましたし、既得権側の連中は「日本の農業が壊滅する。交渉すべきでない」などと言った、交渉自体を回避したいがための戯言を主張していた訳です。
ところが一転交渉が纏まりそうになったら、今度は損害額はそれほど大きくないと言った数字が農水省から示されました。呆れたものです。
コメの販売額に一定のパーセンテージを掛けた額が自分達の「掴み金」となる仕組みであり、野菜などを仕入れても無リスクでサヤ抜きするだけの仕組みですから、JA上級幹部(農水系シロアリ)が悠々自適の生活を維持するためには最大手卸としての権限を手放せず、且つ消費者のために生産物価格を下げようというインセンティブも働きません。
政治の側からは、この仕組みを維持する事で予算を確保しバラマキで票を得ることを最優先する訳ですから、農水産業の発展(真の食糧安全保障)や国富云々など2の次3の次になっています。まさに持ちつ持たれつの悪魔の関係です。
来年には予測不能な思想を持つ米国大統領が生れます。
国家安全保障を含めた日本の負の側面がクローズアップされることになるかも知れませんが、これを奇貨として現実を知り、ぬるま湯から抜け出して新たな日本を造る機会になればと期待しています。それまでには国内産業の体力をつけるべく不要な規制の撤廃や大胆な社会保障費の見直しなどを進めておかねばなりません。
社会保障や財政の行方、金融政策の転換、日本を取り巻く世界のパワーバランスの変化・・・等々。来年からオリンピックまでの約3年半、日本が何らかの形で大きく転換する重要な時期になると感じます。
小池氏を支持した区議を除名する、しない、などと言ったゴミ溜め議論(ゴキブリの生存)にも終止符を打たねばなりません。
今後もタイミングを見つつ徐々に海外資産への投資を増やしていきたいし、来年一杯は株式投資を楽しめる時期ではないかなと考えています。変化はチャンスですから。
世界では依然として悲惨な事件や紛争が続いていますが、日本ではそのようなことが起こらないよう、そして世界が平和になるよう切に願うばかりです。
来年も様々な変化に翻弄されず、将来の安定に向けた皆様の資産運用が着実に進展するようお祈り申し上げます。
本年最後の小職のコラムになります。
皆さま、どうぞ良い年をお迎えください。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)