企業価値は現実の収益で図るべきか、未来に生み出される収益で評価すべきかを議論してみたいと思います。
本来の株式投資の王道は成長株投資であることは言うまでもありません。
ですから多少まだ収益には貢献していなくても未来に利益貢献してくれる製品が登場すると企業の評価は俄然高まることになります。
企業の活動には2つの側面があり、市場で受け入れられる製品や商品を企業の経営資源を用いてユーザーや消費者に提供して事業を存続させるためのキャッシュフローを生み出す活動が主たるものではありますが、まだ、市場性がないものの、近い将来において製品化が可能な次世代の製品を研究開発して準備する活動は別の視点で企業の大事な活動と言えます。
特許や知財はそのための有力な武器となります。
株式市場において評価が高まるのは先行的な研究開発投資が開花して業績に貢献するタイミングです。
研究開発優先で事業活動を行っている企業のことを研究開発型企業と言います。
株式市場ではそうした研究開発型企業の株価を高く評価しがちです。
企業も自らのことを研究開発型企業と称しているケースもあります。
今は赤字でも研究開発型企業と称しただけで企業評価は大きく変化するようです。
創薬ベンチャーの大半がその部類にありますが、大赤字ばかりを計上しがちな創薬ベンチャーの中から飛び出たのがそーせいグループ(4565)で、今期は大幅な黒字を見込んでいるという話もあって昨年5月には株価は26180円(時価総額約4400億円)というややイレギュラーとも思える水準にまで跳ね上がりました。
その結果マザーズ指数も今から思えばイレギュラーな値動きとなったと言えます。
創薬ベンチャーは大半が上場後に内部蓄積する間もなく研究開発に資金を投入し新薬開発などに邁進することになります。
そんな基準で言えば、創薬ベンチャーほどではなくても研究開発に相当な資金を投入している企業は日本の株式市場には山ほどありますので、本来はそうしたR&D型企業の株価はもっと跳ね上がっても良いということになりますが、それがどうやったら利益につながるかが不明なために投資家に十分な評価がなされないままに株価が低迷したままで推移している中小型株も多いのかも知れません。
また、比較的多くの知財を持っていてなおかつキャッシュも潤沢な銘柄も株式市場には数多く存在します。私は今、特許を比較的保有しているにも関わらずアピールしないままで活動してきた企業にフォーカスを当てながら取り上げています。
知財ならこのところ急落してきた東芝のような大企業が豊富だろうと言われるのかも知れませんが、どちらかと言うと今後も大型銘柄よりは中小型R&D銘柄に絞っていこうと考えています。
時価総額が比較的小さくて、財務内容が良好で今後も研究開発に意欲的な企業に対して皆さんもご興味を持って頂ければと思います。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)