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投資アイデアの創出その8 アイデアを出す際の原則を決めてみる
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投資アイデアの創出その8 アイデアを出す際の原則を決めてみる

2019-10-19 02:46



    ■ 株式投資のアイデアの生成過程についての連載を続けています ■


     闇雲にアイデアを出すよりも、まず、アイデアを出す際の原則を決めてみることです。

     「アイデアの筋」なるものを前号で紹介しました

     アイデアの筋とは、アイデアの分類ということでした。


    ステップ1) アイデアのA分類)
    市場や産業の動向。拡大する市場や産業はどこ?という原則。つまり、伸びる市場はどこなの?なにが伸びるの?といこと。

    ステップ2) アイデアのB分類)
    産業間や市場間の闘いや産業内や市場内の闘いの趨勢はどうなるの?という原則。対象企業の市場占有率はどうなるの? どの企業のシェアが上がるの?という問題。

    ステップ3) アイデアのC分類)
    対象企業のコストダウン余地は?付加価値をどう価格に反映できるか?というコスト競争力やテクノロジーのロードマップに関するもの。
    対象企業のコスト競争力やテクノロジーの高さを評価しましょうという問題。


    この3つのステップは、言い換えると、以下のとおりです。

    ステップ1) 伸びる市場を見つけて、
    ステップ2) 今後強くなる企業を見つけて、
    ステップ3) 実際にコスト計算や収益予想をしてみよう。


    ■相互に関連する投資アイデア■

     とはいえ、この3つのアイデアの分類ですが、相互に関連しています。
    ステップ1)で市場が伸びるという前提の場合、当然、量産効果が期待できます。量産効果を測定して、ステップ3)のコストダウンの余地がある程度、計算できます。ステップ2)のシェアの推定については、生産能力や企業の性格から、行います。すると、伸びる市場にある企業が、積極的に圧倒的な設備投
    資をして、他社を萎縮されるなら、そのときは、投資で圧倒する企業が、量産効果を独り占めにしてしまうわけです。いってみれば、鶏が先か、卵が先かの議論と同様です。


    ■A分類、B分類、C分類の重なる部分について■

     A分類だけの企業であれば、伸びている業界に属しているが、参入企業が多すぎる場合ですね。かつてのHDD業界やPC業界でしょうか。模倣タイプ。(15%)

     B分類だけの企業であれば、成熟産業で、シェアを今後伸ばしていく企業(M&Aなど)が該当するでしょう。成熟業界のトップ企業タイプ。(15%)

     C分類だけの企業では、シェアも下位だが、技術的なロードマップがしっかり見通せる企業でしょうか。DRAM業界なんかは当てはまるでしょうか。代替脅威のタイプ。(15%)

     A∩Bの集合では、伸びそうな業界でシェアも高くなりそうな企業が当てはまりますが、採算面での確信が得られない場合が該当するでしょうか。ハイエンド市場ですね。(5%)

     A∩Cの集合では、伸びそうな業界で、コストの見通しがついている企業群が当てはまるでしょうか。コンデンサや半導体が当てはまるでしょうか。(5%)

     B∩Cの集合では、成熟業界ではあるけど、革新的な工法や中抜きによって、コストを下げ、シェアを上げていく企業群が当てはまるでしょうか。(5%)

     A∩B∩Cの集合では、成長産業でシェアが伸び、コストダウンの道筋もつくという企業群になりますでしょうか。(上位5%)

     どれにも当てはまらない企業は、負け組で倒産まっしぐら企業でしょうか。(35%)


    ■アナリストの質問■

     アナリストとしては、3つのステップを押さえるために、このような質問を企業側にします。

    ●市場の規模はどの程度でしょうか。
    ●市場の成長性をどうみますか。
    ●御社のこの事業だけの売上げや収益を教えてください。
    ●シェアはどう見ていますか。御社のシェアは何%ですか。
    ●ライバルはどこでしょうか。
    ●代替の脅威は何でしょうか。
    ●能力の増強の歴史や今後の能力増強の予定と設備投資の歴史と今後の設備投資の予定。


     この7つから、市場規模や成長性がわかり、各企業のシェアがわかり、市場間の競争(代替)が理解でき、その事業が儲かる事業か儲からない事業か、そして、設備投資の効率(いくら投資をすればいくら売上が増えるか)がわかります。


    (つづく)

    山本 潤
    スロー・インベストメント2004
    ~ゆっくり考え ゆったり投資~

    このコンテンツは、特定の銘柄を推奨するものではありません。アイデアというものは、単なる思い付きの部分も多く、投資判断を導くには未成熟・不十分・不正確なものです。ここで紹介しているようなレベルのアイデアでは、投資の役には立ちません。内容についても、関係者との立ち話が中心なので、わたしの取り間違いや聞き違いも含まれているかもしれません。内容の正確さを保証するものではありません。


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