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神戸出身の南部オーナー率いる人材派遣業界3位のパソナグループ(2168)が本社機能を東京から兵庫県の淡路島に移転させるとして話題を呼んでいる。
1800名の本社従業員のうち1200名が淡路島に移住し業務を推進するとの驚きの計画だが、こうした地方への流れが始まると日本は東京一極集中が収まり新たな潮流が生まれることとなる。
パソナグループは地方創生に熱心な企業。もともと関西が活動拠点だった同社なので淡路島と言ってもさほどサプライズはないのかも知れませんが、いわば故郷帰りとも言うべき大胆な施策に関心が集まっている。
これは余談だが、淡路島に関心が高まったせいか先般から淡路島に工場等の拠点を置く住宅用タイルメーカーのダントーホールディングス(5337)が先般来、人気化。本日も一時ストップ高を演じた。
首都圏に拠点を置く企業の地方移転で考えられるのはコストの低減。人件費や賃料の削減が抑制されることになるが、この移転には地域を活性化する効果も考えられる。グループ全体で8000名近い人材を雇用するパソナグループの場合は淡路島での人材誘致による地方創生に挑戦。様々な観光施設やイベント開催などで国内外から多くの方が訪れる魅力的な島をつくってきたと言う経緯がある。
今回はこうした事業基盤に本業の従業員を移住させての大がかりなビジネスとなる。
まあ、いわば旅行ビジネスを展開するHISの本社社員が佐世保のハウステンボスに移り住むようなもの。
家賃の高い東京を脱して地方でのネットワーク、DX業務を推進し観光ビジネスも盛り上げていこうとする流れと言える。
既にこうした地方発のビジネスは他の多くの企業でも見出せる。
和歌山県海南市に本拠を置くガーデニング関連資材・用品メーカーのタカショー(7590)の株価がガーデニングブームの到来で最近になって人気化。
また、熊本県山鹿市に本社を置くユニークな住宅メーカーLibWork(1431)が、市場人気を高めたことも記憶に新しい。
更には岡山市に本社を置く自然災害関連の建設コンサルタント会社、ウエスコHD(6091)もこのところ人気化。
こうした地方を拠点にした地道な活動を続ける企業の活躍が永続するかどうかは何とも言えないが、市場の潮流として関心を寄せておきたい。
東京ではなく地方に拠点を置いていても企業はDX(デジタルトランスフォメ―ション)の力で成長を享受する時代の到来。通勤の地獄を味わう必要のない新しい従業員の幸福度追求の姿がそこにはあるように感じられる。
それこそが停滞してきた日本経済の復活に向けた取り組みにつながるのかも知れません。
東京一極集中がコロナ禍で変わりつつある。パソナグループの大胆な取り組みに引き続き注目しておきたい。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)