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ダイヤモンドをめぐる動き
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ダイヤモンドをめぐる動き

2021-04-14 15:24



     宝飾品原材料の王様はダイヤモンド。ダイヤモンドには天然ダイヤと合成ダイヤがあることはご存知だろうと思うが、その輝きの違いは肉眼では分からない。光学的特性も物理的特性も同じなので見分けるには高度な検査機器を備えた宝石ラボが必要とされる。

     消費者は高価な天然のダイヤモンドにあこがれ、高いお金を払ってでも鑑定書のついた天然のダイヤモンドを求めてきた。特に結婚前に新郎から新婦に贈る婚約指輪は天然ダイヤが当然のように思われてきた。

     これにはユダヤ資本として有名な天然ダイヤの市場を牛耳るデビアスのマーケット戦略によるところが大きい。そのデビアスも3年前に合成ダイヤモンドの新たなブランド「ライトボックス」を立ち上げ、2つのダイヤモンド市場の流れを構築しようとしており、恐らく今後は高額な天然ダイヤ市場と安価でよりカジュアルな合成ダイヤ市場が併存しながら徐々に合成ダイヤモンドに比重が移っていく可能性が高い。

     世の中で最も硬いとされるダイヤモンド。モース硬度で10という素材は工業用にも用いられ、企業でも旭ダイヤモンド(6140)といったダイヤモンド工具メーカーが活躍(宝石用途も年間10億円以上を売上げている)している。
     ただ現在、宝飾品用途では圧倒的に天然ダイヤの生産が中心で合成ダイヤモンドは研磨用など工業向けのものが多く宝飾品の中の割合は7%程度に留まっているとされる。

     宝飾品は目だっていないと余り意味がなく輝きを増すための様々な工夫がなされてきたという経緯がある。高価な天然物ダイヤは美しい輝きで世の女性の心をくすぐるのだが、そうした高価さゆえに所得の低い消費者はブライダル用途などの限られたタイミングでしか購入できないといった市場となってきた。

     そうした宝飾品業界の活躍企業としてはブライダルダイヤを主力にするNEW ART HOLDINGS(7648)の業績が比較的堅調なぐらいでコロナ禍や消費増税で小売店、卸売、メーカーなど押し並べて業績の低迷に苦しんでいるのが現状だ。

     そうしたダイヤモンド市場では米国の若年層の間で安価で高品質、見たは天然ダイヤと変わらない合成ダイヤモンドへのニーズが高まり、生産比率が高まりつつあるという新聞報道が先週なされた。現在の7%程度の比率が将来10%程度になってくるとの話なのだが、合成ダイヤの比率がもっと高いと思っていた筆者はまだこの程度だったのかと驚いた。

     早速にこのことを確認するためにある宝飾品企業に問い合わせしてみて、分かったのは日本では特に合成ダイヤモンドの普及は進んでいないとのことだった。その理由はまた改めてご報告したいのだが、ダイヤモンドと言えば昔から天然ダイヤに決まっているとの消費者の趣向が変化しないとこの状況を変えるのは難しい。
     ひと頃話題を集めたあの京セラのクレサンベール宝石品はキュービックジルコニアのような模造宝石ではなく再結晶宝石とされるが、原鉱石を一度溶かしてから再結晶してつくられるため合成ダイヤモンドとは異なりビジネスとしては赤字(同社の説明会資料で推察)と見られる。

     比較的高級志向の小売り店も高価な天然ダイヤモンドが儲かるのでわざわざカジュアルなイメージのある合成ダイヤモンドを取り扱う必要はない。消費者の方も品質によって格付けされた高価な鑑定書付きの天然ダイヤモンドからカジュアルに気軽に身につけていけるラボで製造される安価な合成ダイヤモンド(酸化ジルコニウムを結晶化したキュービックジルコニアとは異なる)の市場拡大が期待されている。

     天然ダイヤモンドから合成ダイヤモンドへと広がりを見せ、コロナ禍で委縮する宝飾品業界の新たなビジネスチャンスとなるのか大いに関心が持たれるが、その中でダイヤモンドの輝きを増すことに執念を燃やすクロスフォーカット及びダンシングストーンの発明企業、クロスフォー(7810)の今後のビジネス展開にも注目したい。


    【宝飾品関連3銘柄(時価総額100億円以上で優待付き】

    [小売セクター]

    1.NEW ART HOLDINGS(7638・JQ)時価1034円
     上昇後の調整場面
     ブライダルダイヤ主力で全国に店舗展開。海外にも展開中。
     50円配当で高配当利回り(4.8%)+株主優待(1株以上株主に15%割引優待カードなど)
     H1371円(3.3) ⇒L1005円(4.8) 時価総額163億円


    2.ツツミ(7937・T1)時価2119円 時価総額341億円
     4月5日高値2360円からの調整局面 30円配当 無借金経営
     自己株(上限65万株、上限金額10億円)を本年2月から来年2月14日
     まで取得予定。3月末現在で6万3100株(1.33億円)取得済。平均買い付け単価2118円。
     前3期業績はクリスマス限定品の好調で予想売上高を170億円から172億円に、経常利益1.2億円から3.4億円に上方修正。
     3Q保有現預金383億円 無借金経営 PBR0.51倍
     配当利回り1.4% 株主優待制度あり。3月末保有100株以上1000円相当のクオカード。9月末は自社商品15%割引券


    3.4℃(ヨンドシー)ホールディングス(8008・T1)時価1891円
     2月期決算
     3月5日L1815円⇒3月26日H1999円 カジュアル衣料も展開
     年間81円配当(8月、2月)株主優待制度あり
     配当利回り4.28%
     PBR1.03倍 今期予想EPS92.2円 PER20.5倍
     時価総額406億円
     経常利益は2017.2期の78億円をピークに低落傾向。3Q末保有現預金20億円、年末需要に備えた在庫91億円、投資有価証券188億円
     短期借入金6億円。
     1-3Q売上高283億円で4Q(12-2月)が前年比10%減で通期目標達成となる。本日(12日)の本決算発表をチェックしてみる必要。
     今期見通しもポイントとなる。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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