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例年通り5月のIPO市場はお休み状態。だからマザーズ銘柄など売られてきたとの説もありそうですが、直近のマザーズIPO銘柄の多くはマザーズ指数が1040.58の安値をつけた5月17日に安値をつけたようです。投げが出たという印象です。
どこかのファンドが投げたのではないかと推察される5月17日でした。
日経平均やTOPIXは5月13日のボトムを打ちましたので、マザーズ銘柄はやり繰り算段の上でのタイムラグがあるボトム形成だとの印象です。
中身次第ではありますので投資家があきらめて投げた銘柄というのは多くが駄目株の烙印を押されたと言えます。その後は戻り歩調ではありますが戻り売りスタンスの投資家も多いように思います。
こうした局面でいよいよ6月は2日のメイホーHD(7369)から待望のIPOが再開です。IPO銘柄にご関心をお持ちの投資家の皆様にとっては寂しい時期が続いてきたと拝察致しておりますがまた忙しくなりそうです。
4月後半から5月13日にかけて株式相場全体は調整含みの展開を余儀なくされてきましたが、6月からのIPO市場始動は再び相場を活気づける可能性があるか、反対に需給悪が露呈していやなムードとなるのか運命の分かれ道です(筆者はややポジティブに見ています)。
昨年の3月はコロナショックに見舞われ多くのIPO銘柄にも公開価格割れする大波乱がありましたが、今年は順調な消化が続いてきました。
ただ、順調な初値形成が見られた銘柄にもその後はコロナの影響もあってか割高感と全体相場の調整の動きに連動し調整ムードが広がっており、外国人をはじめとした投資家のスタンスも慎重です。
一方で業績好調が伝えられたような銘柄は人気を集めており、銘柄を選別する動きが随所に見出せます。
例えばI-ne(4933)、STIフード(2932)、プレミアアンチエイジング(4934)、FastFitness(7092)、ローランド(7944)、ポピンズHD(7358)、交換できるくん(7695)、ウエルスナビ(7342)など昨年のIPO銘柄では堅調な値動きの銘柄も見出せます。
直近ではシキノハイテック(6614)やオキサイド(6521)などのハイテク銘柄や中古車販売支援のファブリカコミュニケーションズ(4193)や建設DXのスパイダープラス(4192)などもが比較的堅調な値動きがみられます。
こうした局面で既に6月のIPOは2日のメイホーホールディングス(7369・M)から30日のプラスアルファコンサルティング(4071・M)まで23銘柄が発表されました。
昨年の6月IPOが6銘柄だったのに対して大幅に増加。IPOラッシュの様相がみられます。
4月まではやや遅れ気味でIPO数も少なかったのですが書類作成などの手続きが進捗したのか例年に比べても6月にしてはやや多いようです。この結果、昨年の6月までのIPO銘柄数は34銘柄だったのに対して今年は54銘柄と大きく増加。このままのペースでいくと年間では100銘柄を上回ることが予想されます。
そうなってくると気がかりなのはIPO市場の需給です。
全体相場の調整局面の中でのIPOラッシュは更に反転相場に水を差す恐れもあり、特に22日から25日にかけ12銘柄(うちマザーズ銘柄は9)が一気にIPOの予定ですので果たして順調に消化できるのか気になるところです。
とは言え、IPO銘柄にご関心をお持ちの投資家も多い筈。
1か月余りの空白期を経てまた銘柄研究に勤しみながら有望な銘柄には積極的にリスクテイクされると拝察致しております。
昨年は93銘柄がIPOして参りましたがIPOには銘柄ごとに紆余曲折あるとして、筆者の調べではそのうちの36銘柄が27日現在で公開価格も上場初値も上回っており、中には分割実施や業績の上方修正などで大幅に株価上昇を見せた銘柄も存在しています。
IPO銘柄には興味深いビジネスモデルや成長への意欲が投資家に示されることで株価にプレミアムが付きやすい上に概ね需給は良好。上場直後から評価が高まる場合もあれば上場後に大なり小なり訪れる調整局面において投資するチャンスも生まれます。
今更ながらIPO銘柄への投資はどのような運用成果が待っているのかはまったく未知数でリスクも付き物。積極果敢に初値やその後の調整場面でリスクテイクするか否かでリターンの度合いも変わって参ります。
間もなく始まる6月のIPO相場。
投資に際しては各企業から提供された成長性の可能性についての資料を参考にしながら投資家ご自身の判断を基に余裕をもって投資の臨んで頂ければ幸いです。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)