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「好きなものをいっぱい食べて、なんて幸せな気分だ!」
これは、息子がおばあちゃんと回転寿司に行った時に語っていた感想です。
おばあちゃんに「好きなものどんどん頼んでええよ」といわれ、お寿司もデザートも好き勝手注文できたので、楽しくて仕方がなかったそうです。私はお金の教育論について日々考えていますが、この回転寿司のエピソードで、1つの気づきを得ました。
億近読者の皆様こんにちは。
子を持つ親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。
今回子供がおばあちゃんに連れていってもらった回転寿司はくら寿司です。
くら寿司は、寿司はおいしいわ、デザートもたくさんあるわで、どおりで家族連れに人気なわけです。そこで、「好きなものをどんどん頼んでええ」わけですから、子供としては最高な一時です。
「好きなものどんどん頼んでええよ」
そういえば、この言葉は私の家庭では使いません。
私は仕事柄「お金の教育」についていつも考えています。子供には「親のお金を湯水のように沸いてくるもの」と思って欲しくないと思っています。その心理が根底にあるせいか、「好き放題ジャンジャン頼んでいい」といったような、あたかも親のお金が無限にあるかのような言い方を子供にすることはありません。無意識にそうなっています。
外食したときに、子供に「何たべたい?好きなもの選んでいいよ。」ということは普通にいいますが、「好きなものジャンジャン頼んでいいよ」という言い方はしません。ちょっとしたニュアンスの違いですが、伝わってくる気持ち良さが違います。前者より後者の方が言われた側はテンションが上がります。
テンションを上げるどころか、私は回転寿司に行こうものなら、子供に予算を渡して予算内で注文することをやってみたら勉強になるのではないか、と思っていました(このワークは本当にやってはいませんが)。これはこれで学びになりますが、子供にとっては面白くない外食になるでしょう。
私は思いました。
「好きなものをジャンジャン頼む一時も人生には必要なのでは」と。
なぜそのように考えるかというと、シンプルに「人生は楽しいものだ」と子供に思ってほしいからです。
私は普段、「お金の使い方には、消費、投資、浪費があって、浪費を少なく、投資を多くすることが大事ですよ!」と語っています。その考えは正しいと思います。
回転寿司で注文をしまくるのは、食べられる分だけであれば消費です。残してしまったら浪費です。これは御法度です。
ただ「人生って楽しいものなんだ」という気持ちを育むものだと考えれば投資だとも言えます。
外食する度に毎回毎回、「好きなものジャンジャン頼め?」といっていては、子供が「親はいくらでもお金を持っている」と勘違いするでしょう。子供が大人になったときにクレカでお金をジャンジャン使ってしまったら大変です。
だから、お金は仕事をして得られるものだし、「有限であること」を伝えることは大切です。その理解があって初めて「ジャンジャン注文して良いこと」の有り難さがわかるからです。
そういえば、2020年のコロナのときに、みんながティッシュペーパーを買いだめして、市場にティッシュがなくなりました。そのときは、1枚を大事に使いました。私は鼻炎があるので死活問題でした。その経験があるから、ティッシュペーパーの有り難みが理解できたわけです。
お金も同じです。お金は有限だという教育をしているからこそ、たまに「人生は楽しい」と伝えられるお金の使い方を示せるのだと思います。
おばあちゃんと孫の回転寿司エピソードから、「人生にどれだけ幸せな瞬間を作れるかも大事だよな」と思ったついこの頃です。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)