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有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「我慢の時は、自分のミニマックス・リグレット基準に従う」=
(有料メルマガ第270回・2014/3/18配信号)
※2014年3月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
私もついに還暦を迎えて私設年金が毎年少しずつ入ってくる実りの時期の入り口にたどり着くことが出来ました。しかし私にとってまだまだ株式投資は老後の生活費を得るために必要不可欠な収入を得る手段です。
何度もこのコラムで書いてきたように、私は株式投資をしなくても十分な老後の資金を確保できているなら、投資した資金が大きく増減するような相場商品にわざわざ、すでに十分に確保している老後資金を投資する必要は無いと考えています。それは老後資金を減らす可能性を持つ危険な行動になると考えています。
しかし、まだ十分な老後資金を準備できていないなら、現在の日本株は自分の将来の老後資金を形成するために選ぶ投資対象としては魅力があるとも考えています。
現在の日本の株式市場のように多くの企業の業績が増収増益を続けているのに株価が投資家のリスクオフ志向の強まりで下落しているときは、投資対象として魅力のある企業の株を、より安く手に入れるチャンスの時だと考えて、ドキドキかつビクビクしながら銘柄選択を続けています。
株式投資も経済戦争です。だから勝つこともあれば、負けることもあり、負けたら目的を達成できない危険な行為です。勝算がないままで戦争を仕掛けるのは愚の骨頂ですし、必要もないのに戦争を仕掛けるのも愚かなことです。
そして自分が株式投資という戦争で目指した目的を達成できたら、行なう必要の無くなった株式戦争はやめること、または縮小することが大事です。つまり勝ち逃げのチャンスを生かせるようなタイミングを掴まえようと努力を続ける必要があると考えています。
つまり勝ち逃げすることも本当に大事なことだと考えています。そして戦争の目的を達成して勝ち逃げを狙う以上、その目的を達成するために「戦略」が大事で、次に「戦術」が必要で、戦争目的を達成したときの出口戦略が大事だということは、私たち個人投資家が行なう株式投資(=経済戦争)においても、国家間や企業間の戦争とまったく同じだと考えています。
だから、いつもいつの株式の売り買いを続ける必要は無く、現在の日本株式市場のように企業の業績が良いにもかかわらず投資した割安銘柄の株価がズルズルと投資環境の悪化で投資家のリスクオフ志向の強まりから下落しているときは、自分がその企業の株に投資した理由に変化がなければ、じっくりと耐える時だと考えて売買を控えて、亀のように耐える日々を続けています。
東日本大震災が起きて大きな津波が来る前に逃げる時間があったのに動かず、助かったはずの多くの子どもたちの命が、指導者が判断ミスで失われたことに対して起こされた裁判のニュースを見るにつけて、自分の投資判断が、自分の資産運用に多大な影響を与えるのだから、相場の動きに付和雷同することなく、しっかりと正しい判断を行って無謀な投資行動を避けるように厳しく自分を監視しています。
去年までの投資環境のように振り返ってみればかなり利益を増やすことが出来た後で襲ってきた投資環境の悪化による株価の大きな下落は、自分の少し緩んだ危機意識を必要以上に刺激して、つい余計な売買を繰り返し、無駄な売買を行って、投資損失を増やしてしまうリスクが高まるときでもあります。
耐える投資環境が続いているとき、私はいつも自分のミニマックス・リグレット基準をいつも以上に強く意識するようにしています。
「ミニマックス・リグレット基準」というのは、将来がどうなるか不確実なとき、またはものごとが裏目に出たときに、自分の後悔が最も少ないような選択をする基準をいいます。
人間は、ものごとが裏目に出たときのダメージに弱い生きものです。そして裏目に出るという可能性にすら目をつぶりがちです。株を買う場合は、その株が値上がりして儲かると思って買います。だから買った株が値下がりするとうろたえる人が多いです。そして後悔します。人間は欲張りにできています。また心が弱くできています。だから弱い心を支援するシステムをいろいろ考えることが必要になります。
投資家によって経済環境が違うし、安定収入がどれだかあるかも違います。株式に投資使用できる投資資金の金額も違うし、運用成果が自分の生活にどれほど強い影響を与えるかも異なります。私の株式投資の資金は、自分の生活を維持していく為に必要不可欠な資金なので、できるだけ損をしないように維持していきたい資金です。
そのような経済状態の制約がある上に、投資家それぞれの性格も違うため、投資を実行し、その投資によってもたらされた結果に対する反応(⇔利益を上げたときの喜びとか買って直ぐ株価が下がってしまったときの怒りとか、多くの日本株が一斉に下がり出したときの恐怖とか)が違います。
投資で利益を上げられたときは喜ぶから良いのですが、投資が上手くいかなくて損が発生した時に、多くの投資家は精神的に負担を受けたり、悩んだり、自分を責めたりすることが多くなります。すると冷静にリスクを管理することが出来なくなって、更なる大きな失敗をすることが多くなります。
そこで私は自分の性格を考えて、ミニマックス・リグレット基準を採用して投資ルールを作るようになりました。
『迷ったら半分』
利益が自分が期待している程度(または期待以上に)出ているとき、予想される出来事、今回で言えば日本企業の業績が良くなっているということが続いて株価が上に行く可能性も大きいし、また消費税の増税や海外での戦争リスクなどで株価が更に下に行く可能性も大きいというときに、どのような投資行動を取るべきか。
投資ばかりではなくいろいろな場面で使われますが、よく『迷ったら半分』という考えをする方がいます。株式投資の例だと、自分が投資した数単位持っている銘柄の株価が随分上げてきた。平均買値から20%上がってきた。『そろそろ利喰で反落してしまうかもしれないし、まだまだ上がり続け2倍になるまで上げ続けるかもしれない。』
そんなときには、迷ったら半分だけ売って利益を確定しておく。それが『迷ったら半分』です。
反対に自分が主力として投資している銘柄の株価が下げてきた。持ち続けると、もっと下がって投資資金が減ってしまう。でも持っていれば株価が反転して戻してくれるかもしれない。そんなときは半分だけ売っておく。これも迷ったら半分です。
ただし、私の場合は株に投資すると決めた資金はほぼフルインベストを続ける投資方針を維持しており、東日本大震災のことを思い出しつつ、まだ『迷ったら半分』を実行すべき時期ではないと考えて、投資環境と個別銘柄の株価の動きを確認しながら、いろいろ工夫した銘柄入れ替えを行っている状況です。
【中略】
株価は投資家の欲と恐怖によって乱高下します。株に投資して買い値より株価が下がっても、持ち続けたら株価が買い値より上昇することもよく起こります。その反対も起こります。
つまり損したか利益を上げられたかは、その株を売るまでわかりません。企業の本質的な価値(=資産価値+事業価値)が高い企業を、ミスターマーケット(=市場に参加する投資家の総意=自分以外の投資家)の欲と恐怖という感情によってついた株価で、安く手放してしまっては、いつまでたっても資産を成長させることは出来ません。
しかし持っているままでリーマン・ショックの後の私のように投資資金の総額の40%を失う(=減ってしまう)ような目には二度と遭いたくありません。
低PERで配当利回りや配当優待利回りが高い銘柄は私がリスクオフ時代にホールドしやすい銘柄です。たぶん多くの購読者の皆さんも高配当銘柄や高配当優待銘柄のほうがホールドしやすいのではないかと考えて研究銘柄を選んでいます。
最近のコラムで書いているように、投資環境が業績相場に変わったときは優待という株価上昇のカタリストが無い非優待銘柄でも株価が大きく上げる可能性は高いと予想しています。その為には投資家がリスクオン状態になる必要があるとも考えています。
従ってリスクオフ状態が続いていくときは、なるべく1単元の投資額が少なくて済む銘柄を多く研究銘柄などに取り上げようと考えています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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