かつてはIT、今はDX(デジタルトランスフォーメーション)。
 DXという言葉が言われ始めたのはスウェーデンの大学教授が提唱した2004年とされます。

 2018年に経産省はDXの定義として「企業がビジネス環境の激しい変化に対応しデータとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性(他社よりも儲かる仕組みづくり)を確立すること。」だとしています。

 日本でもこのDXがテーマとなり、社会全体に広まり始めて数年が経過していますが、直近になっても少子高齢化時代を迎える社会全体が効率性や変化を求める中でますますDX化が進展しつつあります。システム開発系の企業にとってはDX化を推進する気運がビジネスチャンスとして捉えられ、積極的にその活動をアピールしているように感じられます。

 業務の効率化に重点が置かれてきたITが戦略的な変革を伴うDX化に移行していくための鍵はデータの利活用にあると考えられます。

 日本でも有数の社会インフラの独立系制御システム企業であるアドソル日進(3837)の推進するDX化もそこにデータの利活用が根底にあって、それが今後の同社の成長につながるという点を強く感じることができました。
 同社は宇宙をテーマにした事業展開にも注力していますが、そこでも様々なデータの利活用が事業の根幹となろうとしています。直近になって同社の株価が堅調な背景も社会全体のDX化がどうしても求められていることがあって同社への期待が高まっていることがあるものと推察されます。

 世界的なデータ利活用企業ではアマゾンが典型的ですが、日本にも大企業を中心にデータ利活用型企業が様々に存在していることに気がつく必要があります。

 直近のIPO企業でもそうしたデータ活用型を推進している企業が見出せます。例えば昨年6月にグロース市場にIPOを果たしたサイバーエージェント系のマイクロアド(9553)はデータプラットフォーム事業を展開しており、提携企業の保有するデータを外販する事業モデルで自らもデータ分析を施して株式投資に役立てるという事業に乗り出しています。

 建設業向けDXコンサル企業のArent(5254)やDX関係のデジタルコンサルティング事業を展開するモンスターラボ(5255)、DX事業を展開するFusic(5256)など今年もDX関連銘柄が成長を目指して盛んにIPOが続いています。

 DX化の進展とともにデータの利活用は今後様々な分野で進展すると見られ株式相場にも新たなうねりをもたらすものと大いに期待されます。


(炎)


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