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証券取引所から割安(低PBR)企業へのプレッシャーやバフェット氏の日本株投資の話題が広まってから、3月中旬をボトムとして6月13日までに日経平均株価で約6,000円、率にして約22%も上昇しました。
流石に外人買いが増えると上がるなぁ~と感心しつつも、半導体関連や日経平均への寄与度が高い銘柄ばかりが物色される市場にはついていけませんでした。知り合いの方達からも「こんなに日経平均は上がるのに自分の株は上がらない」と言ったお話しもよく聞きました。
全体的には株主還元を打ち出したバリュー銘柄も買われました。株主還元に消極的だった日本企業の大御所達も流石に重い腰を上げたと言うべきか。ばらつきはあるものの増益となった企業が多いためか、人材確保のために人件費を上げるとともに、自社株買いなどを発表する会社が増えました。
さて、確かに米中デカップリングの影響や円安により日本株が見直されることは理解できますが、何となくですが、日本企業の本質を理解していない部分もありそうだと感じています。分かり易い半導体設備や輸出型割安株への投資意欲が高かったようですが、30年前の栄光は昔のこと、ソニーや東京エレクトロン、アドバンテストなどの一部を除いて今や円安頼みの企業が多いですから。
日銀保有によるこれら銘柄の浮動株の薄さも気になるところです。
株主還元を発表した会社の中には市場からのプレッシャーを受けて還元策を打ち出し、「あそこがやっているんだから、うちもやらねばまずい」的な横並び意識が影響したことも大きいのではと感じている次第です。
リーマンショックなどの経験を経て、イザと言う時に当てにならない銀行に懲りたとの理由もあるのでしょうが、「利益を溜め込むばかり」と批判されていては流石に分が悪いと考えたのでしょう。株主総会を目前に控えて(笑)。
先日のコラムでも書きましたが、連休辺りからの市場は強気ですが下期の業績には注意が必要と感じていますし、賃上げも今期がピークになるかもしれません。いつまでも還元に積極的な姿勢が続くと考えるのは危険な気がします。日本企業の利益推移や事業環境からも継続的に賃上げや還元を続けることは難しいと思えるからです。
こんなことをつらつらと考えながら、2010年の1月に書いたメルマガから下記を抜粋してみました。
2010/01/28配信 ⇒ http://okuchika.net/?eid=2826
~抜粋ここから~
『火曜日担当の渡辺直行氏が、先々週のコラムで懐かしい話題を提供してくれました。
豪華客船のキャプテンが研修時に習う「非常時における国籍別誘導マニュアル」のパロディだか何かだったと記憶しています。
船が沈没しそうなときに、どうやって乗船客達を船員の指示に従わせるかを国別に書いてありました。船が沈む前に早く海に飛び込ませ、急いで船から離れさせねばならないときに躊躇する客たちをどう誘導するか・・・。
米国人・・・・・今飛び込めば勇敢だといわれますよ!
英国人・・・・・今飛び込めば紳士だと言われますよ!
イタリア人・・・今飛び込めばカッコイイと言われますよ!
ドイツ人・・・・ここで飛び込むのが規則です。
フランス人・・・ここでは飛び込んではいけません。
日本人・・・・・みんな飛び込んでいますよ!
中国人・・・・・今飛び込めば儲かります!
投資スタイルも国別に同様なメンタリティーが働くのでしょうか?その辺りを分析できれば結構役に立つ分析ツールになるかも知れませんね(笑)。
~以上、抜粋~
昨年からの賃上げや株主還元の増加は日本人特有の横並び意識が強く出たと考えることも出来ます。故に、本質的な経営思想が変わったと判断するのはまだ早いと考え、これからの経団連的レガシー企業の総会後の行動を見守りたいと思います。
余談ですが、とうとう60年超の原発稼働を可能にしてしまいました。
財界からの圧力に屈し、そして巨大天下り先を減らすことも叶わず、昨年からの電力不足と価格高騰を理由にGX(グリーントランスフォーメーション)と言う美名の下に。
脱炭素化を遅らせ、日本のエネルギー政策の自由度を奪ったのは、電力利権が持つ資金の誘惑を断ち切れなかった政治家自身であることを隠したまま、正に喉元過ぎれば(国民も忘れるだろう)という事でしょうか。
この「喉元過ぎれば」の繰り返しが日本の将来を暗いものにしています。
硬直化した日本の政治システムの責任は与野党、地方を問わず、全ての政治家、ひいては全有権者の責任であることを自覚しなくてはならないのでしょう。
先日は零細野党をクビになった輩が帰国し逮捕されました。目立ちさえすれば誰でも無差別に国政に参加できてしまう今の政治制度から作り直さねばならなそうです。
既に選挙対策が始まったのか?バラマキを口にするだけの政権(ぬるま湯政治体制に浸かったまま)では日本の将来には期待できません。少子化と共に若者は海外へ逃げてしまいます。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)