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若者を襲う金融詐欺に思う エビデンスの重要性
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若者を襲う金融詐欺に思う エビデンスの重要性

2023-06-22 01:42



     2番目の息子は在学中にとある弁護士事務所でアルバイトをしていました。
     その事務所は各種の詐欺被害の人々の相談を受け付けていました。多くの若者が金融詐欺の被害にあっていることを次男から時折、聞いていました。多くは利回り保証のタイプで高利回りをうたうものです。
     仕組み的には、「ねずみ講」。
     対象となる金融商品は、仮想通貨が多い。
     もちろん、若者たちが振り込んだ最初の数十万円というお金は戻りません。
     残念なことに、知り合いや友達から誘われるケースが多く、知り合いを信じて騙されてしまったショックからか自殺者も出ています。


     こうした多発する詐欺への対策としては金融教育を学校ですべきだという機運が盛り上がりつつあります。実際に、高校では家庭科の時間を使って金融教育が始まっています。

     しっかりとした金融教育が求められます。
     つい先日、200兆円を運用するティー・ロウ・プライス様のESG部門が主催する金融リテラシー教育イベントが開催されました。わたしはゲストとして呼ばれて都内の高校でファンドマネジャーという仕事について高校生たちに少しだけ話をさせていただきました。
     ロウ・プライスのみなさまがゲームを用意してくださいました。ゲームではわたしがファンドマネジャーを務めるセゾン共創日本ファンドもゲームの5つの資産のひとつに入れてくださいました。ロウ・プライス様の優しいご配慮に感謝です。
     高校生たちはサイコロを振るたびに盛り上がりました。2時間の授業でしたが、とても短く感じられました。高校生たちは想定リターンもリスクも最も高く設定された海外株式ファンドに配分を多めにする生徒が多かったですし、今回は、たまたまサイコロがよい目が出てみな大喜びでした。
     預金の比率を多めにした慎重なグループも合理的な選択であったことを学び、たまたまリスクをとってそれが奏功したグループも大きな損失を被る可能性があることを知りつつも、「損してもよい」と覚悟を決めてアロケーションを行ったのです。


     このように、金融教育ではリスクのある投資で利回りは確約できないことなどを教えます。また、世の中には上手い経済話はないということも伝えます。

     金融詐欺の話が持ちかけられたら、もし、それほどに、うまい話があるなら、人に教えずに自分でしてくださいということですね。


     リテラシーのある人は、常識を駆使して、物事を客観化します。

    「もし、この話が本当だったら、世の中はどうなってしまうだろうか」

     たとえば努力もせずに金持ちになれる社会があると仮定する。
     そういう世の中はどういう社会なのだろうか。そう想像してみる。
     国家財政はどうなるのか。物価はどうなるだろうかと思いを張り巡らせる。

     SNSで拡散しているのは虚偽の情報かもしれません。匿名の嘘のネットの情報は無価値で誰も相手にしません。


     そのような虚偽に溢れた情報に翻弄される人々もいるわけです。
     そこにあるのは「うまい話」や「常識的に考えてあり得ない話」がSNSやネットには転がっているのです。

     恐ろしいまでの単純化や究極の二者択一で自らを貶めてしまう。借金をした人が追加で借金をする論理のように、持続可能ではない話で溢れているのです。

     一方、実名で客観的エビデンスをしっかりと示した上で意見をいう人の話は聞く価値があります。わたしたちも仕事上、企業調査を日々しているわけですが、リサーチの現場では、論拠となるのは論文や特許文献です。
     若手のアナリストの発表では何本の論文を読んだかが話題になります。実名で書いたものであっても、エビデンスがないものは職務上、業績予想の材料には組み入れません。客観的なエビデンスが剥落しているからです。

     それでもわたしたちの業績の想定は将来のことですから、わたしたちの推論も間違っているかもしれないのです。間違っているという前提ですから日々、永続的な取材やリサーチを行っているのです。

     こうしたコラムも何かを主張する論文ではありません。
     本コラムもネット記事です。
     エビデンスをベースにしたものではなく、わたしの個人日誌・備忘録の域に留まります。

     ボランティアのNPO理事として20年。
     子育てのこと、健康的な食事のこと、社会のことなど徒然なるまま、思ったことを忘れないように書き留めてきました。


     さて、客観的エビデンスは転職にも必要となります。

     たとえばファンドマネジャー職は、コンプライアンス部が過去の履歴や学歴や職歴を専門の業者を使ってダブルチェックをして当局に届け出をいたします。わざわざ専門業者を雇ってわたしの出身校にまで出向いて証明書をとり、さらに各職場に回ってリファレンスをとります。
     「え?ニューヨークまで行ったの?」とびっくりしたこともあります。

     リファレンスとは「この人、どういう人、どのような実績を残した人でしょうか?」というインタビューなのです。わたしもファンドマネジャーの転職時には知り合いのリファレンスを受けることもあります。職歴や学歴が正しくても、評判が悪ければこの業界は転職さえできないのです。
     他社のファンドマネジャーから、「山本さん、今度、レファレンスが行くかもしれないから、そのときはよろしく」と言われることがあります。

     昨年、Sさんの転職のときは、レファレンスの電話が某大手の国家機構からだったのですが、なんと1時間近く話し込んでしまいました。お役人様もいろいろと悩みは多いようで、相談というにはおこがましいですが、日本の金融の大きな変革点に生きる者同士で話が盛り上がってしまいました。

     また、これは米系投資顧問勤務のときの話ですが、金融庁の検査官の方々が、「山本さん、億の近道、おもしろいね、読んでいるよ」と言われたこともあります。恐縮してしまいました。
     運用業界を販売主体ではなく運用者や顧客が主体となる業界に変えたいという想いがわたしにはあって、億の近道ゼミで若いアナリストたちを育てていることを当局もわかってくれて、当局から相談を受けることもあります。

     当局が株式価値算定の手法で何かよい考えはないかというので、金融の教科書には載っていない資本コストの計算手法を伝えたことが2年ぐらい前だっと思いますが、彼らから、「参考にします」とお礼の返信メールをいただいたこともあります。
     要するに、長期で運用を設計すると資本コストとリターンの関係は良化するということをわたしの資料では示したわけです。

     気が付けば随分とプロの運用者を育てているなあと業界を見渡してそう感じることがあります。

     年月も経ちましたが、いまでも学生インターンや若手アナリストと勉強会や食事会を開催しています。昨日もセゾン投信の若手インターンの素晴らしい発表を聞き、彼女の労をねぎらい、部員全員で感謝の食事会を開催したところです。まだあと10人ぐらいはプロのアナリストを育ててみたいと思っております。どこまでできるかはやってみなければわかりませんが。


     忙しい中でも、仕事100としたら、運用80、育成15、その他事務5の割合です。

     仕事100に対して、ボランティアは20の割合にしています。
     これも高校生の数学と英語と留学支援や不登校支援など。
     仕事100に対して趣味10ぐらいの割合。

     10か月後にジャズライブのランチ会を日頃の感謝を込めて開催する予定です。
     いま一日1時間限定でピアノの練習中です。


     仕事100、ボランティア20、趣味10。
     残りは子育てと家事で20ぐらいでしょうか。

     今年は大学を休学せざるを得ませんでした。
     昨年まではボランティアではなく大学での勉強だったのですが、ボランティアをするために、2回目の休学となりました。1年間、ボランティアをしっかりやってみるつもりです。


    (NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)
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