• このエントリーをはてなブックマークに追加
投資が子供の未来を開く
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

投資が子供の未来を開く

2023-07-23 23:13



     大阪府で所得制限なしの高校無償化方針が発せられ、公費負担を超える部分が学校負担になることで話題になりました。大阪府では元々所得制限ありで私立校の授業料の保護者負担無償化制度が走っており、公費を超える部分については学校の負担が生じていました。

     改正案は、所得制限なしで全面的に保護者の負担部分をなくし公費負担を超える部分を学校負担にしようというものでした。この「学校が負担する」という制度自体は、限られた予算内で運営する、という意味で学校側としてはしんどいものの、財政規律を保つ意味では悪くない気がします。

     仮に、学校負担部分を完全公費負担にすると「あの学校はお金使いすぎだ」という文句が出そうですし、保護者に求めるなら「結局保護者負担部分が高すぎて公費負担の意味がない」という自体が生じる可能性があるからです。


     お金というのはあるだけ使ってしまう、というのは人も組織も同じです。
     そういった意味で、予算の上限を設けることは学校財政の運営上は悪くないと思います。「節電をしっかりしなさい」という教育にも芯が通ります。

     ただ、2022年~始まったインフレを考えると、学校財政が厳しくなることが想定されます。公費負担を超える分を学校が負担するルールだと、授業料の値上げというオプションが塞がれるので単純に節制するしかありません。

     ここで懸念されるのが教育の質の低下です。


     公費は限られる、保護者に負担を求められない、となったら学校としてはどうやってお金を生み出せはいいのでしょうか。

     1つ選択肢としてあるのが「投資」です。


     学校によっては、資金を蓄え、その資金を運用しています。
     資金に余裕がなくカツカツの学校であれば、ファンドを組成するのはいかがでしょうか。
     GPIFみたいに運用方針を作り、「未来ある学生のために投資を」と謳ってお金を集めるということです。運用益の一部を分配すれば投資家は悪気はしません。クラウドファンディングを使う手もあります。

     さらに運用方針を生徒が考え、それを投資の専門家のファンドマネージャーたちが審査する、という形でコンテストをすれば、教育の機会にもなります。
     クラファンならストーリーを作らないとお金が集まらないので、学校としても改めて教育方針を見つめ直す機会になります。


     私たち個人も、労働による所得と、資産運用による不労所得を持ちます。
     後者をしっかり走らせることで、効率的に資産形成・資産活用ができます。

     私学の高額な授業料を「誰が負担するんだ?」という議論も大事ですが、そもそもフローばかりの話だけではなく、ストックを生かす方法も検討したいです。
     日本には2,000兆円の個人金融資産があり、その半分は預金に眠っています。学生のためのファンドに投資してみたいという人はいるのではないでしょうか。


    (遠藤)


    [遠藤 功二氏 プロフィール]

     日本FP協会認定CFP
     1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
     MBA(経営学修士)

    大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
    証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
    自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

    子育て世代のための金融教育サービスFP君
    web:https://fpkun.com
    メッセージ:koji.endo@fpkun.com


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。