実際に2013年の前半に活躍した株には業績の拡大を背景に大きく上昇した銘柄と、単に需給を背景にした株価の上昇を示したものと分かれます。行き過ぎは終息に向かいますし、長期成長の芽があれば継続的な株価上昇につながり、後半にも期待をもたせます。
株価が行き過ぎている場合の修正は後から追いかける企業業績の拡大で正当化されますが、ここを読み取ることができれば投資家の資産は大きく膨らみます。
2013年の活躍株の典型はソフトバンク及びその関係企業群(ヤフー、ガンホーなど)です。また、日経平均株価の押し上げに貢献したのがソニー、ファーストリテイリング、トヨタなどの世界企業です。
需給の思惑で人気化したシャープ株や東京電力など低位銘柄も活躍が目立ったほか不動産、金融といったセクターの主力株も人気化しました。また、タカラバ イオやアンジェスMG、ナノキャリアといった創薬ベンチャー企業の株も大活躍を示すなど多くの銘柄が年初から5月にかけて上昇ピッチを速めました。
IPO銘柄も需給好転で人気を集めました。昨年12月に上場したユーグレイナ、全国保証、地盤ネット、コロプラや創薬ベンチャー株の活躍が目につきました。ただ、その後多くの活躍銘柄が調整色を強めています。
【ソフトバンク及びグループ株】
ガンホーオンラインエンターテイメントがヒット商材の登場を背景に驚異の短期上昇
1.ソフトバンク(9984)
昨年末株価3,140円
直近高値 6,100円 +94.3%
時価 5,790円 +84.4%
2.ヤフー(4689)
昨年末株価27,860円
直近高値 53,500円 +92.0%
時価 48,900円 +75.5%
3.ガンホーOE(3765)
昨年末株価 865,000円
直近高値1,633,000円(×10)18.9倍
時価 108,000円(×10)12.5倍
【国際優良株】
ソニーの活躍が顕著
1.ソニー(6758)
昨年末株価 958円
直近高値 2,413円 2.5倍
時価 2,078円 2.2倍
2.トヨタ(7203)
昨年末株価4,005円
直近高値 6,760円 +68.8%
時価 5,990円 +49.6%
3.ファーストR(9983)
昨年末株価21,840円
直近高値 44,400円 +103.3%
時価 33,450円 +53.2%
【需給相場の続く低位株】
意外にも東京電力が急騰
1.シャープ(6753)
昨年末株価303円
直近高値 633円 +108.9%
時価 400円 +32.0%
2.東京電力(9501)
昨年末株価206円
直近高値 841円 4.1倍
時価 513円 2.5倍
【金融・不動産株】
出来高増で証券株が人気に
1.みずほFG(8411)
昨年末株価157円
直近高値 233円 +48.4%
時価 206円 +31.2%
2.野村HD(8604)
昨年末株価503円
直近高値 980円 +94.8%
時価 731円 +45.4%
3.三井不(8801)
昨年末株価2,090円
直近高値 3,610円 +72.7%
時価 2,917円 +39.6%
【創薬ベンチャー株】
大半の創薬ベンチャー株がムードで急騰
1.アンジェス(9984)
昨年末株価 53,500円
直近高値 375,000円 7.0倍
時価 91,000円(×2)3.4倍
2.ナノキャリア(4571)
昨年末株価102,000円
直近高値 563,000円 5.5倍
時価 195,000円 +91.2%
3.タカラバイオ(4974)
昨年末株価 722円
直近高値 4,295円 5.9倍
時価 2,310円 3.2倍
4.テラ(2191)
昨年末株価 850円
直近高値4,970円 5.8倍
時価 1,965円 2.3倍
【IPO銘柄】
1.全国保証(7164)
昨年末株価1,526円
直近高値 4,650円 3.0倍
時価 3,165円 2.1倍
2.ユーグレイナ(2931)
昨年末株価 5,700円
直近高値 16,510円(×5)14.5倍
時価 6,200円(×5) 5.4倍
3.地盤ネット(6072)
昨年末株価2,438円
直近高値 6,040円(×2) 4.95倍
時価 2,700円(×2) 2.2倍
4.コロプラ(3668)
昨年末株価5,110円
直近高値 6,290円(×5) 6.15倍
時価 4,125円(×5) 4.0倍
ガンホー株など利益急増銘柄の活躍が目立った前半相場の展開でしたが、コア銘柄が円安メリットを享受して業績の拡大を期待して上昇したように本日よりス タートした2013年後半の活躍期待株も基本的には前半の流れを汲む形で好業績期待のコア銘柄、低位好需給銘柄、好業績中堅優良株、創薬ベンチャー株、 IT・通信系銘柄、IPO銘柄などから人気化する銘柄が登場する可能性があります。年後半も新たな好業績成長株が登場し、市場人気を高める展開を期待した いところです。
また、株価の位置が過去の水準と比べそれほど高くない銘柄の中から意外な活躍株が登場するという前提にして選定してみるのも良いかと思います。
意外性という観点では私は企業の認知度が比較的低い銘柄の中で業種とコード番号が一致しない銘柄に着目しています。
リブセンス(6054)は創業社長が学生時代に立ち上げたということで話題になり、上場後10倍に株価が上昇しましたが、人材情報関連のビジネスを展開 するこの会社も機械セクターのコード番号が割り振られていて投資家のイメージが比較的薄い銘柄ではありましたが、業績の拡大とともに株価は大きく化けた格 好です。
コード番号が6000番台にある他の銘柄ではインターネット選挙の解禁でイーガーディアン(6050)、SNSによるPR会社のベクトル(6058)、 介護関連のチャームケア(6062)、賃貸住宅入居者向け緊急駆け付けサービスのアクトコール(6064)、保育所受託運営のサクセスHD(6065)、 覆面店舗調査のメディアフラッグ(6067)、店頭販売支援のP&Pホールディングス(6068)、女性の口コミ活用型マーケティング会社であるトレン ダーズ(6069)、年金調査業務のキャリアリンク(6070)、婚活サービスのIBJ(6071)、白アリ駆除サービストップのアサンテ(6073)な どがあります。
これらの中から比較的株価水準の低い6銘柄でポートフォリオを組んでみましたのでご参照下さい。
【コード6000番台の成長サービス銘柄で構築した300万円ポートフォリオ20130701】
銘柄(コード)/時価/来期経常利益/時価総額/株式数/投資金額
イーガーディアン(6050)
2055円/250百万円/34.9億円/200/42万円
ベクトル(6058)
1879/1100/79.2/300/57
アクトコール(6064)
1795/500/22.1/300/54
P&PHD(6068)
300/700/32.8/1000/30
IBJ(6071)
1970/600/40.9/300/60
アサンテ(6073)
867/2500/104.2/600/52
合計 295万円
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)