「アベノミクス相場=株高」が終焉したと株価急落の際は言われたのですが、今回の調整は更にスケールの大きな上昇相場の一時的な修正に過ぎないと逆に強気の考え方も示されれば、「さもありなん。」と強気に変わってしまう投資家もまだ大勢いらっしゃるのかも知れません。
株式相場は強気と弱気の綱引き。ポジティブに見る投資家も実は「一旦相場は安くなってくれないと…。」と思っていたに違いありません。一方ネガティブ投 資家も内心は、「また上がる前に買戻ししたい。」と複雑な思惑も働いてここでの短期的な相場が展開されているようにも思われます。
日経平均は8500円どころから15900円どころまで7か月程度かけて7400円幅で上昇。その半値押しなら12200円という単純な下値目途もあっ て実際には12400円で下げ止まったという結果となりました。相場の変動はそこに材料がついて、より増幅されたりもしますが、今回は下げて弱気の声が出 たとたんに指数そのものは下げ止まった感じがします。ただ、個別銘柄を眺めると指数が上がっているのに値を消す銘柄もあったりと必ずしも指数と個別銘柄の 動きは一致しておらず、指数よりも遅れて増幅されたように思われます。
7月相場も全体指数に連動する主力銘柄(ソフトバンク、トヨタ、ソニー、ファーストリテイリングなど)の動向が鍵となりますが、一時的な円安修正を終え た為替相場の動向とともに日経平均が早くも再び上昇傾向に入るのではと感じさせる勢いの6月末の株価上昇がそのまま継続されれば案外、早い時期に 15900円台の高値を奪回しに来る可能性もあります。まずは14000円台乗せへの挑戦となるでしょうが、まだ個別銘柄などを見ると予断は許しません。
調整局面で有望銘柄をコツコツとため込んでいた投資家が所期のリターンを上げられるほどまだ個別銘柄は本格的な動きが出ておりませんが、ここでの戻り相場をどう見るかによって運用成果は変わってきます。
ここから1ドル=110円までの円安の進展で日経平均が5月高値を大きく突破してくるという強気の見方を取るなら、ここは主力銘柄を中心に格好の仕込み のチャンスだと捉えることができます。一方でアベノミクスへの期待が後退し再び日経平均が1万円を割り込むといった弱気の声もあると思われ、ここでの戻り は格好の売場になるとの見方もできます。相場の強弱感対立は乱高下を生みやすくなりますが、5月高値が年前半の高値になりましたので、基調としては5-6 月に続き7月も調整ムードが続くと考えたいところではあります。戻ったからと言って強気になり過ぎず、また日経平均が1万3,000円を割り込んだからと 言って弱気になり過ぎず、冷静な目で見ていく必要があります。
上昇の過程でしっかりとキャッシュポジションを確保した投資家の皆さんはせっかくできた余裕資金で安くなったら買うスタンスで臨めますのでここからの戻 り相場で再び資産増強を図るチャンスです。極端に売り込まれた銘柄が戻りに転じるには時間がかかると思われますが、年後半に向けた相場のスタートですの で、そうした投資家には再び勇気をもってリスクに挑戦して頂きたいと思います。
相場のことをメディアは起きている事象として高いのだの安いのだと急落したの急騰したのと伝えますが、決してここ先どうなるというのを明確に皆様に伝え ることはありません。皆様はメディアに踊らされることなく、冷静に自らの投資尺度をもって、運用手法や運用哲学を身につけて株式相場に向かい合って頂きた いと思います。
2013年もいよいよ後半戦です。投資啓蒙メールマガジン「億の近道」も億への近道となるよう皆さんとともに着実に歩んでいきたいと思います。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)