株式は上がったり下がったり。売る投資家、買う投資家、それぞれの事情の中で相場が形成されて参ります。株式を発行している企業の状況も刻々と変化しています。
 そうした変化の中でダイナミックに変動を見せる株式市場を冷静に眺めつつ、それぞれのポートフォリオを構築しながら運用に努める皆さん自身がファンドマネージャーであり、自己責任の下で市場に直接参加されている訳です。
 個人マネーでは限界もありますが、時には個人で盛んに大株主として登場する竹田和平さんのような事例もあります。また、中には事業会社も投資会社として市場に参加します。

 5%ルールと言って上場企業の発行済み株式数の5%を超える株式数を買ったら届けないとならないという決まりがあってそれはEDINETの大量保有報告 書で誰でも見ることができますので、それを見ていると1銘柄に何億円も投資している大口の投資家の動きを見ることができます。

 私が前回書いたエムティ―アイ(9438)についても8月13日付で光通信(9435)が届けを出しています。
 それによるといつから買いだしたかは不明ながら6月10日からの60日間ほとんど毎日、少しづつ光通信がエムティ―アイの株式を買っていることがわかり ます。特にお盆休み前の8月6日は1万9900株を買い付けし、5%以上の株式を保有するに至ったということがわかります。これ以上のことは皆さんの研究 に委ねたいと思いますが、エムティ―アイの時価と光通信の買付平均単価を比べてみると良いかと思います。

 私も上場時に面談したことのあるエムティ―アイの前多社長はもともとは光通信で仕事をしていた人物です。光通信の重田会長とも面識を持っていることは容 易に想像がつきます。かつても光通信はエムティ―アイの株式を所有していて業績が赤字になった際に同社株を売却して赤字をカバーしたということがありまし た。今回5%余りの株式68万株を市場で買い付けし恐らく4番目の大株主に復活したと見られる光通信の本当の狙いは何なのかはわかりませんが、スマホへの 移行期で業績が停滞してきたエムティーアイの株価水準が株式分割を加味して過去10年間のほぼ最低水準にあるだけに興味深いところです。

(炎)

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