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目減りした株式資産の修復活動

2013-08-27 15:28
    長期投資ならリターンがあがると思い6年ほど運用してきたあるプライベートな日本株の株式ポートフォリオファンドが償還されて戻ってきたら約3割目減りしてしまったと私の友人は嘆いていました。

     いったい6年もの間、何に投資していたのやら、内容はよくわかりませんが、どうやらこのファンドはBuy&Hold型の運用スタンスであったようです。 ただ、委託者からの期待を背に受けたプロ運用であるなら何らかの修復方法がありそうです。そうした修復への取り組みもないまま、ファンドの償還がなされた と預託した方々は一様に不満の声。6年前のTOPIXと言うと1700ポイントでしたので現状の1140は、まだ3割以上も下の水準である点で普通の運用 であれば3割の目減りは致し方ないことになりますが、プロの運用という1点で委託者の方々は不満を言うのです。

     仲間が集まって運用をしようとしてファンドをつくり、頑張ってよと目に見える方々が運用者にプレッシャーを与えて結果として失敗するという事例は過去の特金時代にもありました。
     運用というのは孤独な物。運用哲学に運用方針など、委託者の期待に応える独特のカリスマ性も求められますが、委託者も悪いのは一旦運用者を選定して任せ たらそれを信頼し続けないとならないのに、途中で不満を言いつつも委託を継続するかどうかの決断をできないまま、いたずらに時間が過ぎてしまうのです。

     運用者も委託者の期待にどうやって応えるのかを真剣に考えて行く必要がありますが、どうも職人的な立場を強調して運用哲学や方針を絶対的だとして世の中の変化に十分対応できないまま、時間を無駄に費やしてしまうことになります。
     実は運用者も一人の人間。悩みも迷いもあります。一番いけないのは委託者の期待に応えようと真摯に銘柄を研究する姿勢が見られないことなのです。
     運用成果があがらないのは一旦組み入れた銘柄を組み入れたまま放置したままにすることです。また、運用者は委託者へ真摯に向き合い、説明と考え方をしっかり述べていく姿勢が求められます。

     そうしたコミュニケーション能力のない運用者は職業としては不向きなような気がします。大手の機関投資家のファンドマネジャーは個人投資家に向かい合う 機会はそれほど多くはないかと思いますが、個人が集まってつくった投資事業組合などは委託された運用者であればそうした説明は不可欠です。そうしたレア ケースが全くないとは言い切れません。

     ファンドへの投資家も運用能力以前の問題であるコミュニケーション能力のない方に運用を任せてはならないという初歩的な問題を肝に銘じて償還で戻ってきた資金を修復させる必要があります。

     投資の楽しみは増殖して戻ってくること。銀行の利子が微々たるものなのに対して株式投資による運用では値下がりのリスクもある一方で大きなリターンも上がる可能性があります。3割の損ぐらいはまだかわいいものという程度に考えて臨む必要があります。

     ものは考えよう。世の中に投資対象となる銘柄が一つしかない場合、100円で投資した株が70円になってしまったけど、それをどうやって修復するかを考 える際はその投資した銘柄の今後のファンダメンタルズ(成長性)やテクニカル(株価の変動パターン)を分析しないとなりません。リスク分散の視点からは 3500社もの上場企業の中から投資対象を選定し、運用成果を高めていく必要があります。

     ポートフォリオの構築ではリスクのない資産とリスクのある資産への分散が必要なのは言うまでもありませんが、マクロの動向が不透明な場合は、無リスク資産ないし安定株を増やしてリスクを小さくしないとなりません。
     よく万年強気の方がいますが、過去の変動やマクロ経済の動向から過去の高度成長時代のような常時強気になるのは考えられません。3割目減りした資産を修 復するには100%株式にして運用した場合は現状の株価が4割から5割値上がりする可能性のある銘柄に投資しないとなりません。

     年間を通じてそうした銘柄に出会うことはよほどの状況がないと難しいとあきらめずにそうした状況になりそうな銘柄をピックアップしておくことです。1年 で株価が倍以上になるには経常利益が現状から倍になる可能性のある銘柄を組み入れておく必要があります。利益成長の芽があるのに評価不足な銘柄を組み入れ ることに特化しておくことが最も運用成果を高めてくれる方法だと思われます。現状資産を倍にするぐらいの目標でポートフォリオを構築して資産増加を待つこ とにしましょう。




    【2013年後半から2014年前半にかけて投資成果が期待される株式 参考ポートフォリオ セレクト5】

    投資額500万円 投資期間1年(3か月ごとの見直し)
    フルディーリング型(追加枠200万円)

    1.ミクシィ(2121)
     時価:1210円
     投資株数:1000株
     過去1年の株価変動レンジ:1080円―2360円
     過去6年半(2007.1から2013.8)の株価変動レンジ:10,600-H13,400円―L1080円-1210円
     公表経常利益の変動予想:2014.3期10億円~20億円(勝手予想2014.3期E15億円)
     直近のピーク経常利益:38億円(2009.3期)
     現状の時価総額:188億円
     想定時価総額ゾーン(経常利益の20倍/クックパッド24倍):200億円~300億円(+54%)

     上場後初の四半期赤字転落で株価停滞するも無借金で現預金126億円を持つ企業としての実力を評価。成長中のクックパッド(2193・時価総額857億円)と比較し時価総額を想定。


    2.KG情報(2408)
     時価:437円
     投資株数:2500株
     過去1年の株価変動レンジ:415円―520円
     過去6年半(2007.1から2013.8)の株価変動レンジ:550-【L210―H597】-440円
     過去6年の基本売買レンジ:250円買い~500円売り
     公表経常利益の変動予想:2013.12期6.8億円~2014.12期8億円
     直近のピーク経常利益:10億円(2012.12期)
     現状の時価総額:33億円
     想定時価総額ゾーン(経常利益の7倍から8倍):48億円(+45%)~64億円(+94%)

     先行投資期入りで株価停滞するも無借金で現預金45億円を持つ企業としての実力を評価。PBR0.5倍から1倍になると想定しても株価は倍化の余地。


    3.アルチザネットワークス(6778)
     時価:35800円(1週間前29900円)
     投資株数:20株
     過去1年の株価変動レンジ:23320円―48900円
     過去6年半(2007.1から2013.8)の株価変動レンジ:76200-H117000―L20210-35800円
     公表経常利益の変動予想:2013.7期▲2.0億円~2014.7期3億円
     直近のピーク経常利益:1.1億円(2012.7期)
     現状の時価総額:34億円(自己株除く時価総額29億円)
     想定時価総額ゾーン(経常利益の12倍から15倍):36億円(+24%)~45億円(+55%)

     R&D先行投資で収益停滞、LTE-Aの拡大で来7月期から収益拡大が期待される点を評価、自己資本比率90%、無借金経営で後は黒字化待ち。


    4.エムティーアイ(9438)
     時価:785円
     投資株数:1500株
     過去1年の株価変動レンジ:650円―1078円
     過去6年半(2007.1から2013.8)の株価変動レンジ:900-【H2,544―L645】-770円
     過去6年の基本売買レンジ:850円買い~2000円売り
     公表経常利益の変動予想:2013.9期4.7億円(最終着地10億円ライン)~2014.9期20億円
     直近のピーク経常利益:36.9億円(2011.9期)
     現状の時価総額:105億円
     想定時価総額ゾーン(来期想定経常利益の8倍から10倍):160億円(+52%)~200億円(+90%)

     スマホへの切り替え先行費用計上で業績停滞し株価も下落歩調辿るも実質無借金経営のモバイル関連企業としての実力を評価。子会社Jibe Mobileが業績寄与。今後の成長にも期待。


    5.スクロール(8005)
     時価:275円
     投資株数:3000株
     過去1年の株価変動レンジ:232円―321円
     過去6年半(2007.1から2013.8)の株価変動レンジ:490-【H612―L232】-275円
     経常利益の変動予想:2014.3期0億円→15億円(第1四半期経常利益10億円)
     直近のピーク経常利益:25億円(2012.3期)
     現状の時価総額:94億円
     想定時価総額ゾーン(Max経常利益の10倍):150億円(+60%)

     構造改革に着手。改革費用計上を見込み通期大幅な減益を計画。このため株価下落傾向辿るも月次売上が比較的堅調に推移。上方修正の可能性を加味して評価。直近安値232円までの下落はないという前提で組み入れるスタンス。


    【参考ポートフォリオ】  ベンチマーク:TOPIX=1142

     運用期間:1年間 目標リターン:50% 

       銘柄 (コード)  投資単価 投資株数  投資金額  買付期間
    1.ミクシィ(2121) 1210円 1000株 121万円  5日間
    2.KG情報(2408)  437円 2500株 109万円 20日間
    3.アルチザNW(6778)3.5万円  20株  70万円  5日間
    4.スクロール(8005) 275円 3000株  83万円  5日間
    5.MTI(9438)   785円 1500株 118万円  5日間
      合計                     500万円


    【組み入れ原則と心得】

     それぞれの銘柄ごとに株価の変動パターンや位置は異なりますのでできるだけ静かにコツコツと投資します。大量の買い指値を入れてしまうと株価に影響します。乗り遅れないようにとあせってしまうことのないようにじっくりと行動しましょう。
     ポートフォリオを構築したらあとはじっくりと見守りましょう。当初成果が上がらずとも蒔いた種を実らせるために大事に育てていきましょう。
     投資はあくまでも自己責任だということを忘れないでおきましょう。
     野球と同じで意外にも期待に反して調子の悪い選手が出てきたら入れ替えてあげるぐらいの余裕を持ちましょう。

    (炎)

    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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