株式市場には多くの企業が上場していますが、その中でも比較的地味なイメージで目立たない企業に前号に続きスポットを当てていきたいと思います。

 今回も指標面で低評価に甘んじている類似企業2社を並べて比較してみます。

 前回は建設業界でしたが、今回は紙媒体を中心とした広告業界からピックアップした2社を比較してみます。


サイネックス(2376)VS KG情報(2408)

 大阪に本社を置くサイネックスは創業直後のテレパル電話帳で業容を拡大しましたが、現在は地域の自治体が発行する暮らしの便利帳という広告入り行政情報誌で業績が伸びている企業です。
 その創業者は現社長のお父さんですが、その創業者が先週お亡くなりなったそうです。本メルマガにおいても謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
 創業時期のテレパル電話帳から今や暮らしの便利帳へ、それも今や全国的な官民協働事業として存在感をますます高めつつあります。創業者から、その息子さんである現在の村田社長に引き継がれ新たな発展を示そうとしています。

 一方のKG情報は岡山を地盤としたミニリクルート的存在(人材情報誌や生活情報誌などを発行)の有力企業です。業績の停滞局面を打破するために前期よ り、新たな事業に挑戦しており、そのための先行投資があって業績は2期連続の減益傾向を示していますが、その新規事業の具体化が期待されています。

 本メルマガでも幾度となく取り上げて参りました両社ですが、上場時期など似ている面もあり、同じ広告モデルの企業同士比較してみると良いかと思います。

 類似点としては両社とも実質無借金経営であるということ。豊富な現預金を保有し、財務の健全性は両社とも光っています。

 村田社長率いるサイネックスはヤフーと提携しており、ヤフーが展開する計画だったロコという地域商店などとの連携プロジェクトで協業を目指して一時は子会社化されるのではないかと見られた時期もありました。
 益田社長率いるKG情報は中国・四国地方を地盤としながらも上場来、東京での事業展開を虎視眈々と狙って参りました。一度挑戦した新事業に再挑戦する意向でこのビジネスモデルの構築次第では業容拡大の要素を秘めていると考えられます。


さあ、今あなたならどちらを投資対象として選びますか?

 皆さんのご意見をお待ち申し上げます。果たしてどちらに軍配が上がりますか?

収益拡大傾向が続くサイネックスですか?

それとも新規事業で発展を期すKG情報ですか?


・サイネックス(2376)

時価655円
時価総額42.4億円
実質時価総額36.3億円
発行済み株式数647万株
自己株式数 93万株
実質発行済み株式数 554万株
第3Q現在実質現預金(期末現預金+有価証券─有利子負債)
38.79億円-3.5億円=35.29億円

上場年月2003年11月
上場来高値1730円(2004年)
上場時公募価格700円
実績BPS826.6円 PBR0.79倍

今3月期予想売上高101億円 同経常利益6.7億円
予想EPS74.1円

第3四半期実績売上高74.09億円 同経常利益5.71億円
第3四半期粗利率60.0% 販管費率53.1%
第4四半期予想売上高26.91億円 同経常利益0.99億円

従業員数713名(平均年齢38.3歳、平均年収426万円)
従業員一人当たり売上高1,416万円

外国人持ち株比率0.1%


・KG情報(2408)

時価490円
時価総額36.3億円
実質時価総額41.8億円
発行済み株式数739.8万株
自己株式数 16.4万株
実質発行済み株式数 723.4万株
実質現預金(期末現預金─有利子負債)
48.3億円(前期末)

上場年月2004年8月
上場来高値2150円(2004年)
上場時公募価格1200円
実績BPS934.2円 PBR0.52倍

今12月期予想売上高50.6億円
同経常利益5.3億円
予想EPS42.9円
今期予想配当金10.8円

前期実績売上高46.9億円 同経常利益8.2億円
前期粗利率27.6% 販管費率11.4%
実績EPS67.0円
実績一株当たり配当金16.8円
従業員数436名(平均年齢32.5歳、平均年収368万円)
従業員一人当たり売上高1,160万円
外国人持ち株比率3.8%

(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)