• このエントリーをはてなブックマークに追加
混沌とした世界の中の日本
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

混沌とした世界の中の日本

2014-04-09 17:00
    まず最初に申し上げたいことは【日本は大丈夫】ということです。詳しくは、「銀座の投資家が【日本は大丈夫】と断言する理由」(PHP研究所)の中で詳しく述べていますが、「日本というシステム」は、文書に残っているだけでも1300年におよぶ歴史の中で培われてきたものですから、他のどんな国のシステムよりも盤石です。

     例えば、中国4000年の歴史などと誤った考えが流布していますが、現在我々が「中国」と呼んでいる国は、第2次世界大戦終了時にその地域を統治してい た国民党政府(現在の台湾)を、武力で追い出して成立した政権が支配しています(日本が敗北したのも国民党政府=台湾であって、共産主義中国ではありませ ん)。実際、その後も長らく「中国」を統治しているのは国民党政府(台湾)で、共産主義中国は反政府テロリストの集団であるというのが、世界中の国々の共 通認識でした。

     日本が共産主義中国を国家として認めたのは40年あまり前(1972年)の日中国交正常化の時、米国が中国と国交を結んだのは35年ほど前の1979年にしかすぎません。

     また、古代にさかのぼっても、秦、漢、清、元(モンゴル帝国)あるいは三国時代の「三国」などは存在しましたが、「中国」などという国はありませんでし た。結局、その土地に4000年間人が住んでいたというだけで、「一つの盤石なシステム」が受け継がれてきたというわけでは無いのです。

     韓国についても同様のことがいえます。この二つの国の問題点については、「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)の中で論じていますが、2008年当時私が懸念していた問題が、今まさに現実のものになっています(2007年に危険を感じた私は、中国株と韓国株をすべて売却し撤退しました)。

     以前お話したように、北京オリンピックから10年後の2018年までに中国が崩壊する可能性はかなり高いでしょう(早ければギリシャとおなじパターンの6年後の2014年=今年)。韓国も中国あるいは北朝鮮と運命を共にするものと思われます。

     欧州は、小康状態で低位安定すると思われますが、まだ予断を許しません。その他の国々、特に新興国としてもてはやされた国々も極めて厳しい状況に置かれ ているのは、メディアなどで報道されている通りです。あえて投資をしようなどと思う国は存在しません。その中でフィリピンはかなり健闘していますし、長年 にわたって悩みの種であった、イスラム勢力との和解も順調に進んでいるので、ダークホースとなるかもしれません。

     バフェットが大いなる信頼を寄せている米国は、例外的に将来が期待できます。シェールガス・オイルを始めとするエネルギーが潤沢で、穀物の輸出国。世界 中の研究者(頭脳)が集積し、中国などの台頭があるにせよ世界最強の軍事力を誇る。さらには今後労働力人口が増えるほぼ唯一の先進国であることを考えれ ば、未来は盤石です。

     ただ米国の景気にも当然サイクルがあるのですが、以前述べたように、バークシャー(バフェット)の運用成績が5年間S&Pを下回っていることが気になり ます。バークシャーの運用成績は市場株価の下げ局面や緩やかな上昇局面でその真価を発揮し、市場が過熱している急騰局面では必ずしもずば抜けた成績を残し ません。バフェットがバークシャーの経営権を取得してから49年間の中で、5年連続でS&Pを下回るのは初めてのことですから、米国株式市場の過熱には大 いに警戒すべきでしょう。

     また、「企業情報を読み解け! バフェット流<日本株>必勝法=永久保有銘柄を見抜く18のポイント(日本実業出版社)」の 第15章・P214のグラフでもわかるように、米国株が低迷している20年間は日本株が力強く上昇し、その逆も真なりというサイクルがあります。アベノミ クス以前の日本は20年に及ぶ低迷を経験し、逆に1990年代前半からの米国株の上昇は特筆に値しますから、そろそろ米国と日本が入れ替わった逆の流れが 始まってもおかしくありません。

     いずれにせよ、2020年東京オリンピックが終わってから5年後の2025年あたりまでの、日本の力強い発展は間違い無いものと思われますから、下落してバーゲン価格になった日本の優良企業に対する投資はどんどん行うべきです。

    (グルメ投資家おーちゃん改め、大原浩)

    【大原浩の著作】
    ★「銀座の投資家が「日本は大丈夫」と断言する理由」(PHP研究所)
     http://goo.gl/ESxbe
    ★「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)
     http://goo.gl/cMMhBY
    ★企業情報を読み解け! バフェット流<日本株>必勝法=永久保有銘柄を見
     抜く18のポイント(日本実業出版社)
     http://goo.gl/nrtqVO
    ★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
     http://goo.gl/Blo6KT
    ★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
     http://goo.gl/iz1GUV
    ★GINZAX30社! 大原浩著 昇龍社<Kindle版>
    (上巻)+(下巻)
     GINZAXグローバル経済・投資研究会・代表大原浩著
     http://goo.gl/4KKYjG
     http://goo.gl/ePeowm

    *ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
     ては御自身の責任と判断で願います。)
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。