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本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧くださ
い。 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4482
■戦闘をしないで敵兵を屈服させるのが、最高に優れたことである■
その2でも詳しくお話しましたが、<戦わずして勝つ>のが孫子の理想とするところであり、ウォーレン・バフェットが目指すところでもあります。
しかし、「戦わないことと何もしないことはまったく違います」。孫子は、武力を用いた戦いはおこなわないほうが良いと繰り返し述べますが、敵の戦力の研究や敵の情報を集めるための諜報戦(スパイ合戦)はとても重視します。
つまり<戦争では武力が強大である軍隊が勝つのではなく、戦略=頭脳が優れている軍隊が勝つ>といいうのが、孫子の一貫した考えです。
バフェットの投資法も同じです。売買<戦争>をたくさん行って、たくさんの汗をかいても決してもうからないと断言します。大事なのは研究することです。
バフェットが読書家であることは広く知られる事実ですが、世界を代表する富豪となった今日でも、暇さえあれば乱読します。ウォール・ストリートジャーナ ルを毎日欠かさず読みますが、海外に行くときはあらかじめホテルにウォール・ストリートジャーナルが届くように必ず手配します。また、学生の頃、図書館に 籠って過去数十年分の新聞を全て読破したこともあります。さらには、家族旅行に行くときも、山ほどの企業決算書をスーツケースに詰め込んで家族のひんしゅ くを買ったりします。
「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)昇龍社<アマゾン・キンドル版>の第9章<投資について思いめぐらせること>では、このような真剣な勉強を したくないというのであれば、「皆さんが個別株に投資を行うのはやめなさい」と明言しています。最終的に負け戦になることが明らかだからです。
しかし、インデックス・ファンド(日経平均やs&P500などのインデックスに連動したファンド)を何も勉強しないで買っても、世の中の自称プロフェッショナル(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)達の成績を充分上回ることができるとも断言しています。
バフェットが投資を行うのは年に数回程度ですが、その数少ない投資のためにとてつもない量の情報を収集し、膨大な時間をかけて研究しているのです。だからこそ常に勝つことができるわけです。
ただし、気を付けなければならないのは、情報の中で<他人の意見>というものはまったく役に立たないものであるということです。必ずオリジナルの資料からバイアス(偏見、勘違い、情報操作)の入っていない情報を集めなければなりません。
孫子は諜報戦を重視しますが、二重スパイや情報そのものの信頼度にかなり気を配っています。情報は単純に量だけあっても役に立ちません。質の高い信頼で きる情報が少しだけあれば正しい判断ができるのですが、その信頼できる正しい情報を集めるのが決して簡単ではないのです。
投資の世界で、専門家と呼ばれる人々(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)は投資家の味方ではありません。むしろ敵と考えて戦う(投資)する方が賢明です。文末の「バフェットからの手紙」のコメントをご
覧いただければ、その意味をすぐにご理解いただけると思います。
それでは、最後に「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)から、バフェットの厳しいコメントを引用します。
☆そして、このような世馴れないけれども自分の能力の限界をわきまえている(欠点を自覚している)投資家が、頭に(無駄な)知識を一杯詰め込んではいるが自分の欠点にはまったく無自覚な、専門家と称する人々を上回る投資成績を長期的に達成するのは確実です。
(中略)
専門家と称する人々(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)は、投資家が売買したりアドバイアスを求めるたびに儲かる仕組みですから、顧 客である投資家が(彼ら専門家たちを儲けさせるために)たくさん売買をするように必死になって勧めます。しかし、彼らのアドバイスや売買手数料のために高 額の費用を支払っても、投資家の利益になることはまずありません。彼らがぺちゃくちゃしゃべるのは聞き流しましょう!
投資にかかる諸費用を節約し、農場主のように株式投資を行えば必ず成功できるのですから、自称専門家たちのくだらないおしゃべりに多額のお金を払う必要はまったくありません!
(OH)
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/Blo6KT
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/iz1GUV
◎『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)
http://goo.gl/1543MI
◎「銀座の投資家が「日本は大丈夫」と断言する理由」(PHP研究所)
http://goo.gl/ESxbe
◎「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)
http://goo.gl/cMMhBY
◎「代表取締役平社員」(あいであ・らいふ)
他多数。
*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
い。 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4482
■戦闘をしないで敵兵を屈服させるのが、最高に優れたことである■
その2でも詳しくお話しましたが、<戦わずして勝つ>のが孫子の理想とするところであり、ウォーレン・バフェットが目指すところでもあります。
しかし、「戦わないことと何もしないことはまったく違います」。孫子は、武力を用いた戦いはおこなわないほうが良いと繰り返し述べますが、敵の戦力の研究や敵の情報を集めるための諜報戦(スパイ合戦)はとても重視します。
つまり<戦争では武力が強大である軍隊が勝つのではなく、戦略=頭脳が優れている軍隊が勝つ>といいうのが、孫子の一貫した考えです。
バフェットの投資法も同じです。売買<戦争>をたくさん行って、たくさんの汗をかいても決してもうからないと断言します。大事なのは研究することです。
バフェットが読書家であることは広く知られる事実ですが、世界を代表する富豪となった今日でも、暇さえあれば乱読します。ウォール・ストリートジャーナ ルを毎日欠かさず読みますが、海外に行くときはあらかじめホテルにウォール・ストリートジャーナルが届くように必ず手配します。また、学生の頃、図書館に 籠って過去数十年分の新聞を全て読破したこともあります。さらには、家族旅行に行くときも、山ほどの企業決算書をスーツケースに詰め込んで家族のひんしゅ くを買ったりします。
「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)昇龍社<アマゾン・キンドル版>の第9章<投資について思いめぐらせること>では、このような真剣な勉強を したくないというのであれば、「皆さんが個別株に投資を行うのはやめなさい」と明言しています。最終的に負け戦になることが明らかだからです。
しかし、インデックス・ファンド(日経平均やs&P500などのインデックスに連動したファンド)を何も勉強しないで買っても、世の中の自称プロフェッショナル(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)達の成績を充分上回ることができるとも断言しています。
バフェットが投資を行うのは年に数回程度ですが、その数少ない投資のためにとてつもない量の情報を収集し、膨大な時間をかけて研究しているのです。だからこそ常に勝つことができるわけです。
ただし、気を付けなければならないのは、情報の中で<他人の意見>というものはまったく役に立たないものであるということです。必ずオリジナルの資料からバイアス(偏見、勘違い、情報操作)の入っていない情報を集めなければなりません。
孫子は諜報戦を重視しますが、二重スパイや情報そのものの信頼度にかなり気を配っています。情報は単純に量だけあっても役に立ちません。質の高い信頼で きる情報が少しだけあれば正しい判断ができるのですが、その信頼できる正しい情報を集めるのが決して簡単ではないのです。
投資の世界で、専門家と呼ばれる人々(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)は投資家の味方ではありません。むしろ敵と考えて戦う(投資)する方が賢明です。文末の「バフェットからの手紙」のコメントをご
覧いただければ、その意味をすぐにご理解いただけると思います。
それでは、最後に「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)から、バフェットの厳しいコメントを引用します。
☆そして、このような世馴れないけれども自分の能力の限界をわきまえている(欠点を自覚している)投資家が、頭に(無駄な)知識を一杯詰め込んではいるが自分の欠点にはまったく無自覚な、専門家と称する人々を上回る投資成績を長期的に達成するのは確実です。
(中略)
専門家と称する人々(評論家・コメンテイタ―・銀行・証券・投資顧問など)は、投資家が売買したりアドバイアスを求めるたびに儲かる仕組みですから、顧 客である投資家が(彼ら専門家たちを儲けさせるために)たくさん売買をするように必死になって勧めます。しかし、彼らのアドバイスや売買手数料のために高 額の費用を支払っても、投資家の利益になることはまずありません。彼らがぺちゃくちゃしゃべるのは聞き流しましょう!
投資にかかる諸費用を節約し、農場主のように株式投資を行えば必ず成功できるのですから、自称専門家たちのくだらないおしゃべりに多額のお金を払う必要はまったくありません!
(OH)
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/Blo6KT
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/iz1GUV
◎『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)
http://goo.gl/1543MI
◎「銀座の投資家が「日本は大丈夫」と断言する理由」(PHP研究所)
http://goo.gl/ESxbe
◎「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)
http://goo.gl/cMMhBY
◎「代表取締役平社員」(あいであ・らいふ)
他多数。
*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)