7月3日のコラムでは「上がるかどう分からない」との前提で割安銘柄の発掘を試みてみましたが、本日はソディックが金属3Dプリンターの記事で買い気配 のままストップ高になっています。こんなニュースが出るなら、そしてこんなに買われるなら買っておけば良かった(苦笑)と思いました・・・毎度のことです が(笑)。
 確かに計画通りになれば売上げを10%近く押し上げるほどの材料ですが、まあ、こんなニュースが出てきて、そして良く見たら割安だった、しかも動きも軽そうだと言う事で買われているのでしょうか?相場は難しい(当たり前?)です。
 分からないからこそ、1)割安に放置されている、そしていつかは、2)投資家から評価されるはず・・・等々の判断で買うしかないのでしょうね。小職の場 合には「上がりそうか否か」ばかりを基準にして儲かった記憶がありませんから、今後もこの手法でカメのように地道に行こうと思っています。

 南欧諸国の国債利回りが米国債利回りと同レベルにまで買われるなんて…と違和感を覚えていましたが案の定です。規模からみてポルトガル一銀行の資金繰り が欧州全体に影響を及ぼすことは無いとは言え、毀損した資産の回復には時間がかかります。南欧諸国の財政不安は何かと材料にされ易い状態が続くと感じてい ます。
 欧州各国の景気実態も違えば、ユーロになってからは通貨の管理環境も大きく変わりました。国家の財務管理と通貨管理が別々になされているのですから、バブル崩壊以降、ECBは過去に例の無いオペレーションを強いられているのでしょう。
 回復過程とは言え失業率の改善も緩慢で、バブルの爪痕も大きく残したままであるにもかかわらず利回りだけが低下しているのは、特殊な力(流動性供給やデ フレの影響など)が働いている訳です。もちろんこれらだけで説明することは出来ませんが、各種統計からも「ユーロ圏は回復した」と言える状況には至ってい ないと思われます。

 足元のユーロドルは1.352辺りですが、依然としてユーロの強い状況が続いていると感じます。ユーロ発足間もない2000年頃、ユーロ:米ドルはザッ クリと1:1に近いレベルでスタートしましたが、このときは妙な安堵感を覚えたものです。仕事で海外へ行った時には概ね1ドル=100円と言った換算イ メージでおりましたが、当時は円ドル・レートも110円前後で推移していて、特に円高にも円安にも感じなかったと記憶しています。これは自分自身の消費 (買い物)感覚なのでしょうけど。

 米国のQE3も10月頃に終了するようです。今年に入ってからはこのオペレーションによる影響を先取りしてマーケットは動いておりましたが、この状況も あと数か月過ぎると次の話題は米国の利上げ時期に移るのでしょう。利上げ時期は今のところ来年半ば頃と言われているようですが、米国金利の上昇が感じられ てくれば円ドルも円安方向に動くのではと考えています。とは言え、まだそのキッカケが掴めずにいます。

 自身の例ですが、2011年秋~2012年春の時期に新興国債券と米国REITを分散して買いました。ギリシャ国債の利回りが40%にもなった頃です (ギリシャ国債は買っていませんが)。少額ですから買付時のコストは結構なものでしたが、それでも2年以上も経つと元々それらの利回りが高いことから当初 の投資コストを賄い、先日の計算では投資債券のトータルの年率は4%弱になっていました。今後は保有コストが殆どかかりませんので、為替次第ではあるもの の、仮に変化が無い前提であれば年率平均で5~6%くらいは確保できる見込みです。もちろん大きく円安に動くなどがあれば一部の利益確保を考えますが、イ ンフレ対策とも考えて長く保有しようと思っています。

 市場を俯瞰してみて、年内に円高局面が来るようであれば、そこで再度、外国債券投資を増やそうかと考えている次第です。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)