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「腐ってもタイ」ならぬ「腐ってもソニー」と今や評されるほど業績の低迷が見られた日本を代表するハイテク企業のソニー株がいつの間にか3000円台に乗 せてきました。先週末の株価は3138.5円。時価総額は3.6兆円となり、日本の株式市場では23番目にランクされています。
前代未聞のサイバー攻撃で映画部門の第3四半期の業績発表が遅れる中、これを除いた第3四半期の概要が2月4日に発表され、その内容を素直に好感しての買いが入っての株価上昇です。
2015年3月期第3四半期の業績は為替が円安となる中で軒並み各部門とも業績が向上していることが明らかになり、通期の業績も上方修正されました。映 画部門の集計が終わっていない中、同社が2月時点で明らかにした第3四半期決算は前年同期比6.1%の増収に対し、営業利益は倍増となりました。各部門と も軒並み前年同期を上回る好調ぶり。
とりわけモバイル向けイメージセンサーの好調でデバイス部門が大幅黒字化したのが、目につきます。
通期の売上高8兆円、営業利益200億円という見通しが示され、赤字予想から一転して黒字予想に変わった点が株価にもインパクトを与えたと見られます。
ソニー株は昨年10月の安値1782円でそこから2月5日の高値3269円まで83.4%の上昇となっています。為替のメリットを享受したグローバル企 業として世界が注目した結果なのかも知れません。パナソニックや日立などの他の電機株が値を下げる中にあって同社の活躍はここ3ヶ月間の中では特に目立っ ています。
家電量販店では神奈川県を地盤とするノジマ(7419)が異色の株価上昇を続けています。今期中に携帯販売会社ITX(前期売上高2573億円、営業利益73億円)の全株取得を行い、連結子会社化することが発表されて以降の株価上昇が顕著です。
実は「億の近道」では同社を昨年2月17日に実名ではなく「日本でトップクラスの低PER企業」として取り上げています(改めてWEBサイトからご覧頂きたいと思います)。
その際の株価は2013年の高値1063円に対して300円ほど安い700円台後半の株価でPER自体は低く割安感はあったのですが、掲載後の株価は無反応でした。
誰も気が付いてはくれなかったのかも知れませんが、その時に私が書いたコメントは、
「現在700円台という株価水準にあるA社は今期経常利益が8割もの増益が見込まれるなど好業績銘柄の代表的存在です。PER4.9倍、実績 PBR0.59倍、配当利回り3.2%、配当性向16%であれば、自然体で買いが入ってくる筈なのですが、今のところ人気化する兆しは感じられません。」
としていました。
その後同社株は2015年決算の減収減益見通しを公表し、2014年10月の599円安値まで下落を続けましたが、同社よりも売上規模が大きなITX社 の買収を行うとの発表を11月18日に行った結果、株価は一気に急騰し、1000円台乗せから先週の高値は1770円となりました。
2月3日に第3四半期が予想したほど減益にはならなかったことを評価したようです。通期はITXの買収コストが不明で据え置いたままですが、少なくとも既存事業だけでは前期並みの水準に接近する可能性があります。
来期はM&A効果で売上規模が一気に拡大し、収益の拡大が期待されます。現在の時価総額408億円はITX社の業績貢献が過去の実績並みに期待されるとすればなおも、割安感があると算定されます。但し、銀行からの借入金増大とのれん代償却には注意が必要です。
家電量販店では急成長したヤマダ電機(今期予想経常利益410億円)の時価総額が4100億円台となっており、同社の時価総額はその10分の1で、M&Aなどによる収益拡大を図るノジマの時価総額が拡大する余地は残っているように思われます。
積極経営だけにリスクもあるでしょうが、引き続き今後の動向に注目していきたいと思います。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
前代未聞のサイバー攻撃で映画部門の第3四半期の業績発表が遅れる中、これを除いた第3四半期の概要が2月4日に発表され、その内容を素直に好感しての買いが入っての株価上昇です。
2015年3月期第3四半期の業績は為替が円安となる中で軒並み各部門とも業績が向上していることが明らかになり、通期の業績も上方修正されました。映 画部門の集計が終わっていない中、同社が2月時点で明らかにした第3四半期決算は前年同期比6.1%の増収に対し、営業利益は倍増となりました。各部門と も軒並み前年同期を上回る好調ぶり。
とりわけモバイル向けイメージセンサーの好調でデバイス部門が大幅黒字化したのが、目につきます。
通期の売上高8兆円、営業利益200億円という見通しが示され、赤字予想から一転して黒字予想に変わった点が株価にもインパクトを与えたと見られます。
ソニー株は昨年10月の安値1782円でそこから2月5日の高値3269円まで83.4%の上昇となっています。為替のメリットを享受したグローバル企 業として世界が注目した結果なのかも知れません。パナソニックや日立などの他の電機株が値を下げる中にあって同社の活躍はここ3ヶ月間の中では特に目立っ ています。
家電量販店では神奈川県を地盤とするノジマ(7419)が異色の株価上昇を続けています。今期中に携帯販売会社ITX(前期売上高2573億円、営業利益73億円)の全株取得を行い、連結子会社化することが発表されて以降の株価上昇が顕著です。
実は「億の近道」では同社を昨年2月17日に実名ではなく「日本でトップクラスの低PER企業」として取り上げています(改めてWEBサイトからご覧頂きたいと思います)。
その際の株価は2013年の高値1063円に対して300円ほど安い700円台後半の株価でPER自体は低く割安感はあったのですが、掲載後の株価は無反応でした。
誰も気が付いてはくれなかったのかも知れませんが、その時に私が書いたコメントは、
「現在700円台という株価水準にあるA社は今期経常利益が8割もの増益が見込まれるなど好業績銘柄の代表的存在です。PER4.9倍、実績 PBR0.59倍、配当利回り3.2%、配当性向16%であれば、自然体で買いが入ってくる筈なのですが、今のところ人気化する兆しは感じられません。」
としていました。
その後同社株は2015年決算の減収減益見通しを公表し、2014年10月の599円安値まで下落を続けましたが、同社よりも売上規模が大きなITX社 の買収を行うとの発表を11月18日に行った結果、株価は一気に急騰し、1000円台乗せから先週の高値は1770円となりました。
2月3日に第3四半期が予想したほど減益にはならなかったことを評価したようです。通期はITXの買収コストが不明で据え置いたままですが、少なくとも既存事業だけでは前期並みの水準に接近する可能性があります。
来期はM&A効果で売上規模が一気に拡大し、収益の拡大が期待されます。現在の時価総額408億円はITX社の業績貢献が過去の実績並みに期待されるとすればなおも、割安感があると算定されます。但し、銀行からの借入金増大とのれん代償却には注意が必要です。
家電量販店では急成長したヤマダ電機(今期予想経常利益410億円)の時価総額が4100億円台となっており、同社の時価総額はその10分の1で、M&Aなどによる収益拡大を図るノジマの時価総額が拡大する余地は残っているように思われます。
積極経営だけにリスクもあるでしょうが、引き続き今後の動向に注目していきたいと思います。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)