為替が1ドル=120円という円安水準で前期末を迎えた企業にとっては為替面でのハードルが高まっての新たな決算期入りとなる中で、期初慎重な見通しを 出してくることが当然のごとく予想されますので、投資家は期初においてはこうした企業を避けようとする動きになると考えられます。
ところが、大半の企業が期初慎重なために相場が調整ムードにならざるを得ないことになります。
ここで大事なことは期初計画に対する信憑性です。前提があっての見通しですが、前期良すぎた反動が期初計画の慎重さに反映されていたり、とってつけたような最悪の前提条件をベースに計画されていたりと一筋縄にはいかない投資環境が足下に見られます。
投資家が期初計画をどう評価するかをじっくりと勘案して今後の株価を占うことがここでのポイントとなります。
企業は絶えず前提となるマクロ経済を慎重に見て最低限の業績計画を打ち出すことになりますが、投資家はその結果の株価下落による投資価値の向上、最終的 な業績の上方修正余地、前期実績ベースでのバリュー価値向上、企業価値の評価を眺めながら新たな株価上昇に転じるまで耐えることになります。
期初段階から前向きな業績見通しを出した企業は、それが株価に織り込まれていない場合は一定水準まで株価は上向くことになります。反対に想定以上の減益を見込む場合はその逆になります。
こうした相場の混沌を嫌う投資資金は業績とは関係のない材料銘柄に向かうことになります。決算発表前の慎重姿勢が既に株価に反映されていて決算発表後はむしろあく抜けとなるケースもあるかと思われます。
5月相場は決算発表前と後では値動きが異なってくると思われますが、企業側の余りの慎重姿勢に対して投資家は嫌気売りを出すのか、むしろポジティブな評価をするのか、引き続き注目していきたいと思います。
(炎)
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