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「ラーマガ」#064
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「ラーマガ」#064

2015-07-10 23:00
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    北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
    「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
    #064

    ・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
    ・2015年7月10日発行(月3回)7月第1号(通刊 第65号)

    【目次】

    ■巻頭コラム
     『求められるインバウンドへの対応』(山路力也)

    □クロスレビュー「必食の一杯」
      つけめんTETSU「赤い冷製」

    ■ラーメン実食レビュー
    【北島秀一】
      175°DENO~担担麺~@札幌「汁なし担担麺」

    【山路力也】
      AU GAMIN DE TOKIO@恵比寿「サイフォントマトラーメン」
      つけ麺 竹川@三軒茶屋「有機野菜つけ麺」
      RAMEN BURGER TOKYO@中野「グリルチキンバーガー」
      中華料理 豊味苑@高円寺「海鮮サンラータン麺」
      めん結び 光の葉@五井「鶏白湯ら〜めん」
      博多うま馬 本店@祗園「源流博多ラーメン」
      麺屋ホウテン@祗園「名代博多ブラック」

    【山本剛志】
      紬麦@秋葉原「つむぎラーメン」
      りんすず食堂@大島「ニラ玉ラーメン」
      天国屋@成瀬「焙煎ウルメ正油麺」
      あっぱれ屋@城陽市「こくまろ塩ラーメン」
      秀吉家@守山市「ラーメン」
      加藤屋めん食堂「こってりまぼちゅー」
      一三〇@一乗寺「小麦そば 昆布だし」

    □拉麺人インタビュー
     鯉谷剛至(地雷源 店主)①
     『東京に出て来てラーメンの奥深さを知った』(聞き手:山路力也)

    ■連載コラム(第14回)
     『ラーメンの憂鬱』〜ラーメンは『商品』である(山路力也)
     『教養としてのラーメン』〜甲信越・北陸のご当地ラーメン(山本剛志)

    □告知スケジュール

    ■編集後記


    ■巻頭コラム
    『求められるインバウンドへの対応』山路力也

     過去に例をみないほど外国人観光客が増えている今の日本。銀座や新宿などの街を歩くと、本当に驚くくらいの外国人観光客を見かけるようになりました。ビルの壁面一面には、完全に中国語オンリーの広告も掲出されることも増えましたし、それこそ量販店に行くとこちらが海外にいるのかと錯覚してしまいそうです。

     日本政府観光局(JNTO)によれば、昨年日本を訪れた外国人観光客の数は前年比29.4%増の1341万4000人と、過去最高を記録したのだそう。これは円安による旅行代金の値下げや、東南アジアの訪日ビザ緩和、さらには外国人向けの消費税免税の拡大など、外国人観光客に対する国の施策が功を奏したといえるでしょう。

     そんな中、飲食業界のみならず小売業界やホテル業界など、様々なジャンルで「インバウンド」への対応が急務となっています。2011年以降、国内消費が冷え込んだ中でいかに売上げを維持するかといえば、中国をはじめとする海外からの観光客をいかにして取り込むかが重要になっているわけです。そしてそれは国内に入ってからではなく、自国にいる時からアプローチをしていかなければなりません。例えば現地で出版されているガイドブックなどに掲載して貰ったり、広告を打ったり。無論、インターネットでの情報発信も重要になっています。

     ここ数年の世界的ラーメンブームもあって、日本でも都心や観光地などのラーメン店ではインバウンド対応が必要になってきました。海外からの観光客は日本に来てラーメンを食べたいと思っている人が、私たち日本人が思っている以上に多い。その人たちにどうやって店を知ってもらうか、どうすれば目的意識を持って店に来て貰えるか、そして来たお客さんにいかに満足して貰えるかを考える必要が出て来たということです。

     私たちが慣れない海外旅行をする時、初めての国に行く時にどうやって飲食店を選ぶのかを考えてみましょう。私たちは日本でガイドブックを買い、日本にいるうちにその本を見て店を選んだりすることも少なくないのではないでしょうか。ならば、例えば中国なり韓国なり、ターゲットとする国で売られているガイドブックに掲載されていれば、来て貰える率が俄然上がるということです。もちろんそのためには、営業活動なども必要かも知れませんが、何よりも外国人に対して優しい店であることが重要なファクターになるでしょう。

     メニューの多言語化はマストの時代になっていますし、外国語対応スタッフの配置なども可能な限りすべきでしょう。ネイティヴのように話せなくとも、挨拶やお会計のやりとり、メニューの簡単な説明が出来れば良いのですから、それは勉強をすればいい。そういう外国人に優しい店は、行った外国人観光客がSNSなどで発信し、それを見た外国人がまた足を運ぶという流れになっていくのです。

     ホテル業界では誰もが知っている旅館が、谷中にある「澤の屋旅館」です。ここは30年ものあいだ、インバウンドに向けた動きをしてきた家族で営む小さな旅館です。いち早く口コミサイト(トリップアドバイザー)への施策を打ち出し、地域を巻き込んで外国人観光客が過ごし易い環境作りに尽力をしてきました。その結果、客室稼働率は95%、宿泊客の90%が外国人という盤石の体制を創り出しました。

     同じような例がラーメン店でもみられます。おそらくほとんどのラーメン好きの方が知らない店だと思いますが、成田市にある「ラーメンばやし」というラーメン店も、澤の屋旅館同様に外国人観光客をいち早く取り込むことに取り組んできたお店です。何しろお店の看板から横文字表記で、外国人からすれば入り易い雰囲気になっていて、メニューなども英語対応のものを用意してあります。ここもトリップアドバイザーなどで高評価になり、ガイドブックなどにも掲載されるようになりました。

     世界各国に日本のラーメン店が進出しているのと同じように、世界各国の人たちが日本にラーメンを食べにやって来ています。そこをしっかりと取り込んでいくことが、これからのラーメン店には求められているような気がしてなりません。


    □クロスレビュー「必食の一杯」

     一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回はつけめんTETSUグループ、TEAM102夏の選手権優勝作品である「赤い冷製」を、同選手権審査員も務めた山路と山本が食べて、語ります。

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    つけめんTETSU
    「赤い冷製」850
    ※8/31までの期間限定メニュー
     
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