4月4日(木)、恵比寿LIQUIDROOMで行われた男性ライブアイドル「TRANP」のイベント、「TRANP THE FINAL」に行ってきました。これまで女性ライブアイドルのイベントは何回か行っていて、女性ライブアイドルも出演するステージで男性ライブアイドルを見たことはあったのですが、男性ライブアイドルの単独興行は初めてとなります。キッカケは、こちらのブログを読んだことでした。


記事内にリンクされているTwitter投稿のアカウント名は「X-BORDER【公式】」となっているのですが、これは「TRANP」の公式アカウントです。4月4日の「TRANP THE FINAL」を持ってTRANPは終了。今後「X-BORDER」として活動することが発表されたのでした。

ライブのパフォーマンスは素晴らしく、加えてメンバーの卒業、事前に告知されていた新メンバーの紹介、新ユニット名の発表、さらにサプライズでの新メンバー追加発表と内容盛りだくさん。とても感動的なステージでした。ただし、私が彼らを見るのは今回が初めてで、ほかの男性ライブアイドルのパフォーマンスに詳しいわけでもありません。そのため今回の記事は、私が抱いた“違和感”に焦点を当てたいと思います。

そして、それが「こうした方が良い」という提言ではないことを、先に強調しておきます。

■ドキドキの入場

今回のライブは無料(SS席のみ有料)であることが告知されていました。これは非常にありがたい。しかし、その一方でリスクもあります。会場に着いたものの、会場のキャパシティーを超えたため、入場できなかったという類いです。私の人生では、こういう経験が結構あります。

これを回避するためには、入場時間前に会場へ到着していた方が良い。しかし、客の大多数は女性であることが予想されることから、早めに会場に着いて“浮く”ことも避けたい。そうしたせめぎ合いの結果、会場に到着したのは18時10分。開場予定時刻の10分後です。会場に着くと、会場の外には人がいない。これはスムーズに客入れができたことを意味します。さらに突っ込むと、入場をお断りするほど客が入っていないとも推測できます。まずは、ひと安心。

ちなみに、私の服装はスーツでした。男性声優が数多く登壇するイベントや2.5次元舞台など、女性客が多数派の現場では「女性のプロトコル」が適用されるため、(特に強制されるわけではないですが)最低限の清潔感は必須となります。また、私の外見は“凡人”なので、スーツを着ているとスタッフに間違われる確率が上昇します。これは、女性の多い会場でも違和感なく歩けるというアドバンテージになるのです。

LIQUIDROOMの階段を上ると、入り口に向けた下り階段に列ができていました。スタッフに「ここに並ぶのですよね?」と確認。整理券を渡されて入場を待つことになります。整理番号は「109」でした。ドリンク代500円を渡して入場。入場無料でもドリンク代が必要なのは、男性ライブアイドルに限らない、ライブハウスあるあるです。

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■男性優先エリアから見えた景色

今回のライブでは「男性優先エリア」があることが告知されていました。LIQUIDROOMは上手側に入場口があるのですが、男性優先エリアは下手側にありました。どこに男性優先エリアがあるのか。その告知はされていませんでしたが、「優先エリアを作るなら、ここだろう」という勘で分かりました。これは「女性優先エリア」のあるライブに行くことで得られた知見かもしれません。

私の身長は、会場にいる女性の平均身長よりも高いため、フロア最後方からでも余裕でステージを見ることができます。しかし、女性の中に男性1人というのは、ちょっと居心地が悪い。会場内を見回すと、男性の姿もチラホラ。しかし、自分と同じ観客なのか、それともスタッフや関係者、取材者なのかは区別できません。そこで男性優先エリアに入ったのですが、その時点で私1人。男性優先エリアは少し高い位置にあるため、自意識過剰かもしれませんが、女性客からの視線を感じました。

横から見た観客フロアは、女性ライブアイドル現場とは趣が異なっています。前方は優先エリア(SS席)ですが、椅子を設置。とにかく騒ぎたい人が最前列に集う現場とは、ちょっと違うのだなと理解できます。椅子席の後ろには柵があり、立ち見席です。ここが一般エリアですね。開演まで時間があるため、地べたに座っている人もいます。さらにフロア後方にも、パイプ椅子が置かれています。その中には“子供”も座っていました。子供というのは、私の主観です。単に子供のように見える女性なのか、それともファンの子供なのかは判別不能。いずれにせよ、幅広い年齢層に支持されていることが分かります。

開演時間10分ぐらい前になると、フロアにいるファンの数も増えていきます。よく考えてみたら、平日18時に入場できる人ばかりではないですよね。男性優先エリアには、最終的に4人が集いました。ライブ中は、男性スタッフがこのエリアに立っていることもあり、それほど寂しい雰囲気ではなかったと思います。

開演前、ファンがピンクのサイリュームを配っていて、男性優先エリアにも「ピンクのサイリュームを持っていますか?」と聞きにきました。私は光る棒を持っていたので「大丈夫です」と言いましたが、こういうファンがいる現場はいいですね。ピンクは、この公演を最後に卒業する「れい」くんの担当色です。


↑私の姿、確認できますかね?

■開演、そしてアンコールへ

ライブのパフォーマンスに関しては「良かった!」という感想しかないのですが、お客さんのノリは独特だなと感じました。男性が多い現場だと、とにかく前に行きたがる人がステージに向かって押し寄せるのですが、そういう雰囲気はない。これは前方が椅子席なことも影響しているかもしれません。

あと声を出すタイミングや拍手、光る棒の振り方も、ちょっと違うなと感じました。私が普段行くオタク現場だと、とにかく高まってきたら声を上げるし、客が終われば拍手をするし、光る棒も思うがままに振り回すものですが、どことなく整然としている。「ここは奇声を発するタイミング!」と思っても、自分以外誰も声を出していないとか……。

あと、一番驚いたのはアンコールの拍手です。「これが“最後の曲”です!」というMCの後にパフォーマンスを終え、メンバーがステージから去ります。ここで普段自分が行く現場ならば、間髪入れずにアンコールが始まります。たとえ会場が明るくなってもワンチャンに賭け、場内アナウンスが流れてから諦めるという感じです。しかし、照明が落ちたままなのに、誰もアンコールをしない。

結局、数分の沈黙の後、アンコールが起こってメンバーが再登場したのですが、これは不思議な光景でした。しかし、よく考えてみると「アンコールをしない」という判断は理にかなっていたように思います。この公演の終演予定時刻は21時。しかし公演中、卒業するメンバーに手紙を読み上げるコーナーなどがあり、“最後の曲”が終わった時点で、すでに21時を大きく過ぎていたのです。またアンコールでは、途中で歌われた曲を歌唱。ファンだからこそ「歌っていない曲はない」と思ったのかもしれません。

しかし実際のところ、ファンは特典会の時間を気にしていたように思います。

■物販列、チェキ列で疲労困憊!

さてライブが終了。これから特典会です。しかし私はと言えば、特典会のシステムが分からず、右往左往。スタッフからの説明や会場の雰囲気、行列の形成などから、システムを推測します。まずは物販でチェキ券を購入し、その後でチェキ列に並ぶシステムなのでしょう。しかし気付いた時は、すでに手遅れ。最初の物販列に並ぶ局面で出遅れてしまいます。

今回は無料公演で、メンバーの卒業、新メンバーの加入とイベント盛りだくさん。さらに終演時間も大幅に押していたため、スタッフも混乱していたようです。最初のチェキ券を買うまでで30分近く並んだ気がします。私は「ゆうじ」くんと「こうき」くんのチェキ券を1枚ずつ購入しました。

さて問題はチェキ列です。今回は8人のメンバーが、ステージのある1階フロア、カフェ、2階の3カ所に分かれて撮影をすることになりました。これは一大事です!

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もし、私の推しグループである女性声優アイドルユニット「i☆Ris」であれば、6人が別々の場所でチェキ列を作っても問題はありません。なぜならば、どのメンバーがどれぐらい人気かを知っているからです。まず“チェキ列に並ぶのに出遅れた”とします。この状況で、私が芹澤優さんと澁谷梓希さんのチェキ券を持っているとして(i☆Risのチェキ会は、そういうシステムではないですが!)どちらを先に並ぶのが正解でしょうか?その答えは、澁谷さんです。私が澁谷さん推しだからとかは関係ありません。先に芹澤さんのチェキ列に並んだ場合、その途中で澁谷さんのチェキ会が終了する可能性があるからです。

通常は、メンバー全員が同じ場所でチェキ列を作るため、行列の長さで判断すれば良い。しかし、チェキ列が別々にできてしまうと、こういう判断も難しくなります。さらに今回はメンバーの卒業、新メンバーの加入という特殊要素が重なっている。

またまたi☆Risに例えると、赤担当(i☆Risにはピンク担当がいないので!)の若井友希さんが卒業して、同じ赤担当として吉岡茉祐さんが加入。さらにサプライズで永野愛理さんの加入が発表された!となったら、チェキ列がどうなるかなんて、既存のファンでも分からないですよね。しかし今回の「TRANP THE FINAL」は、そんな非常事態が起きていたのです。

そして最も切実な問題として“終電”があります。チェキ会がスタートしたのは22時を過ぎてから。それにもかかわらず、会場には普段よりも多い特典会参加者が待ち構えている。私の場合は翌日0時48分の山手線(池袋行き)に乗れば、徒歩30分ぐらいで帰宅できますが、そういう人ばかりではないはず。当然、駆け引きが行われます。

特に目立ったのは、列の途中に荷物を置いておいて、ほかのチェキ列を確認するという行為です。一応、断りを入れてから列を抜けるのですが、ひんぱんに行われていたので、よくある光景なのかもしれません。または、先ほど説明したような特殊要素ゆえの例外なのかもしれません。もしかすると、女性だけの間では普通に行われている行為で、私が男性だから「念を押して」言われた可能性もあります。ここら辺を語るには情報不足ですが、こうしたこともあり、チェキ列での疲労感はハンパないものでした。

■1枚だけの撮影なのに神対応!

チェキ列も、女性ライブアイドル現場とは違い、なかなか前に進みません。その理由は明白。1人1人の対応が長い!しかし、それも当然です。私はアイドル2人のチェキ券を1枚ずつ購入したと記しましたが、この現場では「10枚」がデフォルトなのです。あくまでも私の観察範囲ですが、女性ファンのみなさんは、10枚チェキ券が基本でした。1枚1000円ですから、10枚で1万円です。たぶん割引とかはなかったはずです。

カードゲームの世界には“シャカパチ”と呼ばれる行為があるのですが、「デッキか!」というぐらいのチェキをパチパチさせている(シャッフルはしていない)ファンの姿もチラホラと。カードゲームの大会だったら、威圧行為でジャッジから注意されますよ!なんてことを思いつつ、福沢諭吉の行列に、野口英世1枚で並んでいる間、どのようなチェキが撮られているのかも観察していました。

自分の撮影の時、どんなポーズにするか。その参考にしようと思っていたのですが……。あまり役に立たない。1人当たり10枚も撮影しているため、いろいろなポーズが目に入ってくるのですが、正面から抱きついたり、足を絡め合ったり、足の上に乗っかったり……。自分にもできそうなポーズもあったのですが、これは体重の軽い女性だから問題ないわけで、相手よりもガタイの良い自分がやったらダメだろうなというポーズが多かったという印象です。

そういう意味で、接触が過剰という指摘は当たっているように思いました。チェキ会での接触が禁止されているi☆Risはもちろん、規制緩めな女性ライブアイドルでも無理そうなポーズが多かったです。とはいえ、1万円です。私個人の感想ですが、許容範囲かなと思いました。

私が最初に並んだのは、新メンバーの島貫勇士(ゆうじ)くんです。担当色は白。


彼の特徴は、声がかわいいこと。それだけで萌えます。そしてチェキ券1枚のおじさんにもかかわらず、熱い抱擁を交わしてくれる。なんか柔らかくて良い匂いがする。神か!

次に並んだのは、緑担当の柿咲光輝(こうき)くん。めちゃくちゃ好みのタイプなので、今回絶対チェキを撮ろうと決めていました。


近くで見ると、本当にイケメン。やっぱり優して柔らかくて、良い匂いがする。良い匂いがするのは、ほかの女性の化粧の匂いが付いているからでしょうか?それにしても、柔らかくて良い匂いがするのは“女性の特徴”と思っていましたが、イケメンも、柔らかくて良い匂いがすることは、人生における最大の発見の1つでした。というか、これに気付いてしまうと、女性ライブアイドルとのチェキとか、どうでも良くなるような……。それは言い過ぎか。

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結局、会場を出たのは23時45分頃。行列は本当にしんどかったですが、チェキで癒されました。みんな、メンズアイドル現場に行くといいよ!