5月20日(月)、東京下北沢・本屋B&Bで開催されたトークイベント、「『オレらの誇りの同級生』と語るインターネットとサイバーエージェント」を観覧してきました。来年セミリタイアすることを発表している、中川淳一郎氏の“セミリタイアファイナルカウントダウンイベント”の第2弾で、中川氏がゲストと話をするという内容です。この日の登壇者は中川氏と、司会の嶋浩一郎氏、そしてゲストの藤田晋氏でした。
http://bookandbeer.com/event/20190520/
藤田氏は、中川氏にとって主要な取引先・株式会社サイバーエージェントの代表取締役社長です。2001年からサイバーエージェントの仕事していた中川氏が、同社で行ってきた仕事を紹介するコーナーがあったのですが、これはサイバーエージェントの歴史を振り返ることと、ほぼ同義と言える内容でした。
観客にはメディア関係者も多かったため、いずれ大手Webメディアでも掲載されるでしょうから、細かい内容は省略します。
私はもともと藤田氏に親近感を持っていました。私と大成功を収めている藤田氏を比較するなど、おこがましいですが……。中川氏は私と同じ1973年生まれなのですが、藤田も同じく1973年生まれ。現在サイバーエージェントといえばFC町田ゼルビアですが、以前は、私の応援する東京ヴェルディをサポートしていて、元ブラジル代表FWワシントンを連れてきてくれたり、その年にJ2へ降格したり……。そのほか、2000年代前半は、私もパソコンライターとして生計を立てていたため、アメーバブログなどのサービスはひと通り利用していました。
これらが親近感を覚える理由かなと考えていたのですが、それだけではないことに気付きました。“外”から変に評論家を気取らず、プレイヤーとして現場に立つ、責任感みたいなものでしょうか。今回のイベントで実際に話を聞いてみて、そうした印象を受けました。
最後質問コーナーがあったので、挙手して藤田氏に質問をしてみました。
「AbemaTVはMリーグやアニメなど、面白い番組を配信しているので、いち視聴者として応援したいのですが、何ができるでしょうか?」
AbemaTVといえば赤字のニュースばかりが注目されますが、いち視聴者からすると、面白いと思える番組が多い。サイゲームスであれば「グランブルーファンタジー」とかで課金すれば応援できると分かるのですが、AbemaTVでは、具体的にどうすれば良いのかという趣旨です。
この質問、良いことを言っているように思えますが、捉えようによっては「赤字解消の方法を考えているのか?」ということですからね。ただ、藤田氏はポジティブに捉えてくれて、「Abemaプレミアム(月額960円)入会」「投げ銭機能(応援する)の利用」、そして「競輪チャンネルでのウィンチケットの購入(投票)」を挙げます。競輪チャンネルについては「けっこう遅い時間までやっていて面白いんだよね」と熱く語っていました。
「拡散に協力してほしい」とか、ぼんやりした回答だけだったら残念だなと思っていたのですが、そうした思惑を超え、自社サービスについて語ったことは、いち視聴者としてうれしいと感じました。ほら、世の中には、自社サービス(製品、出版物含む)のこと、何も分かっていない社長って多いじゃないですか。藤田氏もイベント中「AbemaTVを見ていない人間に、AbemaTVについて、あーだこーだと言われたくない」と強い調子で話していましたが、その背景には「自分もAbemaTVのいち視聴者」という意識があるのだと感じました。