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ごきげんよう。有料メルマガ評論家の渡辺文重です。2014年10月14日に行われたサッカーの国際親善試合、日本代表vs.ブラジル代表をTVで観戦したのですが、大変興味深い内容だったと思っています。感想をひとことで表すと「ネイマール、スゲー!」でしょうか。
正直、私はサッカーに詳しくはないのですが、素人目に見て、ネイマール選手の決定力が非常に高いことは分かりました。0-4で日本代表が敗れるという結果だったので、日本代表のミスばかりが注目されている印象を受けるのですが、ブラジル代表も失点につながるようなミスをしていたように見えました。そのミスを得点につなげられたのがネイマール選手で、それができなかったのが(ブラジル代表を含めた)他の選手ではないかと思います。要するに、ブラジル代表の中でも、ネイマールは特別な選手なのです。
チームワークも重要ですが、バロンドールを受賞してもおかしくない選手がいるかどうかが、チームの勝敗を分ける。これが、トップレベルのサッカーではないかと思います。アルゼンチン代表のリネオル・メッシ選手なども、その典型ではないでしょうか。W杯ブラジル大会で優勝したドイツ代表のGKマヌエル・ノイアー選手も、ネイマール選手やメッシ選手とはポジションが異なりますが、別次元の選手だったと思います。
チームのレベルを1人で引き上げる特別な選手、といって思い出すのは、ブラジル代表としても活躍したエジムンド選手です。2001年、エジムンド選手はリーグ戦残り5試合というタイミングで、東京ヴェルディ1969に加入します。当時の東京Vは、降格圏内の年間順位15位(/16チーム)に低迷していたのですが、残り5試合を3勝1分け1敗で乗り切り、残留を果たします。
もちろん、2ndシーズンから加入したマルキーニョス選手(現ヴィッセル神戸)の活躍も重要だったのですが、最後の5試合に関してはエジムンド選手の存在感が大きかったことは間違いありません。もちろん、「王様」がいるチームが良いのか、「全員攻撃全員守備」のチームが良いのかは、好みの問題ですので、どちらが正しいという議論は的外れではないかと思います。
以上は、私のサッカー観ですが、ここからが「有料メルマガレビュー」となります。
◆
・スケゴーのサッカー戦術解説
http://www.mag2.com/m/0001598989.html
スケゴー氏は、「やる夫で学ぶフットボールの歴史」のスレ主として知られる人物ですが、戦術に特化した解説をするサッカー論客という印象を受けます。実際、『スケゴーのサッカー戦術解説』は、戦術を分析する内容であることが多くなっています。そして、分析の対象は、日本代表やJリーグが多いのですが、特定のチームだけを追いかけるのではなく、その時に興味を持ったチームや試合を選んでいるようです。
特定のチームだけを対象としない。このことが 『スケゴーのサッカー戦術解説』の特徴となっています。
サッカーの見方は、「コンテクストの共有」と「戦術分析」の2つに分けられます。「コンテクストの共有」とは、例えば、「元ブラジル代表がやって来て、降格寸前のチームを救った」みたいな話を作って共有する楽しみ方です。一方、「戦術分析」とは、「前線でボールをキープできる選手が加入したことで、攻撃の時間が長くなった」みたいな分析をする楽しみ方です。
これもどちらが正しいという話ではないのですが、一般的には「コンテクストの共有」の方が支持されているようです。その理由は、サッカーを知らなくても楽しめるからです。実際、「ドーハの悲劇」から「ジョホールバルの歓喜」へという言葉を並べると、日本サッカーの成長を共有できた気分になってしまいます。しかし、「ドーハの悲劇」となったW杯アメリカ大会のアジア枠は2で、「ジョホールバルの歓喜」となったW杯フランス大会のアジア枠は3.5。両大会のアジア予選における日本代表の成績は、ともに3位ですから、日本が他のアジア諸国に比べて飛躍的に成長したとは言えないのです。
こういう指摘は「冷や水を浴びせる」行為で、指摘された人は嫌な顔をするのですが、『スケゴーのサッカー戦術解説』は、まさに、冷や水を浴びせられた気分になる有料メルマガとなっています。もちろん、素晴らしいチームやサッカーに対しては称賛していますし、テーマによっては「冷や水を浴びせる」内容にならない場合もありますが、「コンテクストの共有」とは別の視点が提供されていることは一貫しています。
スケゴー氏の指摘は、特定のチームを追いかけている、つまり、「コンテクストの共有」を楽しむ立場にいる人には、とんちんかんに思えるかもしれません。その理由は、チーム事情をあまり考慮していないからです。サッカーのチームは、必ずしも最善の選択を行えるとは限らないのですが、そうした「言い訳」は排除されます。
その違いが最も明らかになるのは、選手の起用方法です。スケゴー氏は、ポジションに対する適正がない選手を起用することを問題視しますが、チームのファンからすれば、さまざまな事情があってのことで批判はできないという、意見の相違が起きるのです。また、「コンテクストの共有」における最大の楽しみの1つである「選手の成長」にも、スケゴー氏は懐疑的です。さまざまな経験をへて選手は成長すると思いたいのですが、実際には、そうではないケースも多いのです。
最後に、有料メルマガとしての妥当性についてですが、無料で公開すると「コンテクストの共有」を楽しみたい人の「言い訳」に対応する手間が増えるだけなので、有料メルマガという選択は悪くないのではと思います。
※お知らせ
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http://www.targma.jp/watanabe/
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http://sammy-sammy.hatenablog.com/
正直、私はサッカーに詳しくはないのですが、素人目に見て、ネイマール選手の決定力が非常に高いことは分かりました。0-4で日本代表が敗れるという結果だったので、日本代表のミスばかりが注目されている印象を受けるのですが、ブラジル代表も失点につながるようなミスをしていたように見えました。そのミスを得点につなげられたのがネイマール選手で、それができなかったのが(ブラジル代表を含めた)他の選手ではないかと思います。要するに、ブラジル代表の中でも、ネイマールは特別な選手なのです。
チームワークも重要ですが、バロンドールを受賞してもおかしくない選手がいるかどうかが、チームの勝敗を分ける。これが、トップレベルのサッカーではないかと思います。アルゼンチン代表のリネオル・メッシ選手なども、その典型ではないでしょうか。W杯ブラジル大会で優勝したドイツ代表のGKマヌエル・ノイアー選手も、ネイマール選手やメッシ選手とはポジションが異なりますが、別次元の選手だったと思います。
チームのレベルを1人で引き上げる特別な選手、といって思い出すのは、ブラジル代表としても活躍したエジムンド選手です。2001年、エジムンド選手はリーグ戦残り5試合というタイミングで、東京ヴェルディ1969に加入します。当時の東京Vは、降格圏内の年間順位15位(/16チーム)に低迷していたのですが、残り5試合を3勝1分け1敗で乗り切り、残留を果たします。
もちろん、2ndシーズンから加入したマルキーニョス選手(現ヴィッセル神戸)の活躍も重要だったのですが、最後の5試合に関してはエジムンド選手の存在感が大きかったことは間違いありません。もちろん、「王様」がいるチームが良いのか、「全員攻撃全員守備」のチームが良いのかは、好みの問題ですので、どちらが正しいという議論は的外れではないかと思います。
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◆
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スケゴー氏は、「やる夫で学ぶフットボールの歴史」のスレ主として知られる人物ですが、戦術に特化した解説をするサッカー論客という印象を受けます。実際、『スケゴーのサッカー戦術解説』は、戦術を分析する内容であることが多くなっています。そして、分析の対象は、日本代表やJリーグが多いのですが、特定のチームだけを追いかけるのではなく、その時に興味を持ったチームや試合を選んでいるようです。
特定のチームだけを対象としない。このことが 『スケゴーのサッカー戦術解説』の特徴となっています。
サッカーの見方は、「コンテクストの共有」と「戦術分析」の2つに分けられます。「コンテクストの共有」とは、例えば、「元ブラジル代表がやって来て、降格寸前のチームを救った」みたいな話を作って共有する楽しみ方です。一方、「戦術分析」とは、「前線でボールをキープできる選手が加入したことで、攻撃の時間が長くなった」みたいな分析をする楽しみ方です。
これもどちらが正しいという話ではないのですが、一般的には「コンテクストの共有」の方が支持されているようです。その理由は、サッカーを知らなくても楽しめるからです。実際、「ドーハの悲劇」から「ジョホールバルの歓喜」へという言葉を並べると、日本サッカーの成長を共有できた気分になってしまいます。しかし、「ドーハの悲劇」となったW杯アメリカ大会のアジア枠は2で、「ジョホールバルの歓喜」となったW杯フランス大会のアジア枠は3.5。両大会のアジア予選における日本代表の成績は、ともに3位ですから、日本が他のアジア諸国に比べて飛躍的に成長したとは言えないのです。
こういう指摘は「冷や水を浴びせる」行為で、指摘された人は嫌な顔をするのですが、『スケゴーのサッカー戦術解説』は、まさに、冷や水を浴びせられた気分になる有料メルマガとなっています。もちろん、素晴らしいチームやサッカーに対しては称賛していますし、テーマによっては「冷や水を浴びせる」内容にならない場合もありますが、「コンテクストの共有」とは別の視点が提供されていることは一貫しています。
スケゴー氏の指摘は、特定のチームを追いかけている、つまり、「コンテクストの共有」を楽しむ立場にいる人には、とんちんかんに思えるかもしれません。その理由は、チーム事情をあまり考慮していないからです。サッカーのチームは、必ずしも最善の選択を行えるとは限らないのですが、そうした「言い訳」は排除されます。
その違いが最も明らかになるのは、選手の起用方法です。スケゴー氏は、ポジションに対する適正がない選手を起用することを問題視しますが、チームのファンからすれば、さまざまな事情があってのことで批判はできないという、意見の相違が起きるのです。また、「コンテクストの共有」における最大の楽しみの1つである「選手の成長」にも、スケゴー氏は懐疑的です。さまざまな経験をへて選手は成長すると思いたいのですが、実際には、そうではないケースも多いのです。
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