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「ビギナーズラック」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
ガチャなる言葉がどうにも好きになれない。カプセルトイもソーシャルゲームもしないので別に好きにならなくてもいいのだけれど。無粋なスラングだと思いきや、タカラトミーの登録商標だそうだ。同じカプセルトイのことを僕らが子どもの頃はガチャガチャと呼んでいた。ガチャがひとつ外れたのはあの頃の僕らよりも今の...
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「マリアージュごっこ」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
娘はごはんを食べるのが遅い。保育園の給食が時間通り食べ終わった日は「今日はごちそうさまに間に合った!」と開口一番自慢するくらいだ。特に朝ごはんはいつも遅い。おかげで週に何度も遅刻する。まあ、子どもなんて大体そんなもんだ。僕だってそうだった。だから急かさない。そもそも子どもは急かされるのが一番嫌...
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「いつもと違うこと」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
いつもと反対方向の電車に乗ってみようとか、いつもと違う駅で降りてみようなんていう日が誰にだって年に一度や二度はあるだろう。自由への衝動。繰り返しの毎日の中で自由であることを確かめておきたいという欲求。
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「小さなレジスタンス」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
都心に比べて温暖な三浦半島でも冬の朝はそれなりに冷える。あたたかい布団から出るのが億劫に感じられる朝もある。大人だけじゃない。陽射しが降り注ぐ日中は半袖で浜辺を走っている子どもでさえ平日の朝は布団から出るのを躊躇うものだ。寒さのせいだけじゃない。休日との切り替えが必要な週の初めなんかは特に、あ...
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「誰に教わったのかわからないこと」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
たとえば、自転車のワイヤー錠のかけ方。箸の持ち方、髪の洗い方、歯の磨き方。僕らが普段何気なくやっていること。そのすべては最初から難なくできたわけじゃない。かといって、いつ、誰から、どんな風に教えてもらったのかを詳細に語れる人はほとんどいないだろう。
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「世界に一冊だけの絵本」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
いつか娘にちゃんと伝えたいことがある。その名前に込めた想いだ。どうやって伝えようか。初夏の秋谷海岸でアイスでも食べながらか。あるいは、初秋の大楠山でおむすびを食べながらか。いや―――絵本がいいかもしれない。
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「生まれて初めて感謝された日」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
夜、仕事から帰ると、娘が待ちきれない様子で駆け寄ってきた。ちょっといいことがあるから来て。サプライズ―――隠しきれない隠し事をしているときの顔だ。何だろう、でも、先に手を洗ってうがいするからもう少し待っていて。
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「みんないるから淋しいんだよ」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
人が大勢集まる場所が苦手だ。学校とかパーティーとか。大勢がひとつの目的で集まっている場所が苦手だ。手持ち無沙汰というか、所在なげというか。自分を繕って人とペースを合わせるのが苦手な僕はいつもそういう場所で居たたまれないどんよりとした気持ちになる。打ち上げなんかでも、本当に話したい相手と1対1で話...
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「罪悪感で君は泣く」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
生まれた時から、君は泣いてばかりいた。お腹が空いた。オムツが汚れた。人肌が恋しい。夕陽が落ちる(黄昏泣きって奴だ理由はよくわからない)。転んだ。眠い。淋しい。友達と喧嘩した。思い通りにならない。 そんな君が、最近は罪悪感で涙を流すことが多くなった。小さな胸を痛めて、さめざめと泣き始める。罪悪感と...
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「カレーはかぶるもの」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
子どもに給食があるのはとても有り難い。が、冷蔵庫に貼ってあるメニューをチェックしそびれると、悲劇が起こる。給食と夕食のメニューが、朝食と給食のメニューがかぶることだ。特に、カレー。「給食もカレーだったよ」 帰って来た君が夕食のカレーの匂いを嗅ぎつけ、鬼の首でも取ったようにニヤニヤしながら言うの...
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「好きなように生きていいんだよ」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
行進が嫌いで、いつもひとりだけ列をはみ出していた。集合写真が嫌いで、いつもひとりだけ斜め上を見ていた。いつから、どうしてそうなってしまったのか。あるいは最初からそうだったのか。それはわからない。とにかく、みんなと同じであることに対する強い抵抗があった。 僕はそんな子どもだったんだけど、君はどう...
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「タ行がカ行になってしまう娘が国旗を描いたら風刺画になっていた件」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
ずっと舌足らずなんだと思っていた。タ行がカ行になってしまうこと。「たいこ」と言おうとすると「かいこ」に。「とけい」と言おうとすると「こけい」に聞こえてしまう。間違って憶えているのかもしれないと「しりとり」をしたら、ちゃんと「かるた」の次に「たいこ」と言うし「はと」の次に「とけい」と言うからやっ...
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「じゃなきゃいけないことなんて何もないんだよ」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
ある朝、重たいリュックを背負いながら、君が言った。「小学生になったらランドセルじゃなきゃいけないんだって」 とうとう来たか。僕は気づかれないように溜め息をついた。子を持つ親にとって避けては通れない壁だ。いや、問題視しない人にとっては壁でもなんでもないのだけれど。「一応聞くけど、誰がそう言ってた...
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「海の見える小学校」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
僕らは小学校の校庭にいた。空は秋らしく澄み渡っていて、空気は透明だった。風は冷たいけど、陽射しは強かった。石灰で引かれた何本ものまっすぐな白線にやわらかな緊張が宿っていた。もっとも緊張しているのは運営の先生方とカメラを手に見守っている親たちだけなのだろうけど。
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「はじめてのことって期待よりも不安の方が大きいよね」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
はじめてのことって期待よりも不安の方が大きいよね。娘を見ていると改めてそう感じる。娘は5歳になったばかり。まだまだはじめてのことばかりだ。
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「父親と二人きりで過ごす時間は人生でどのくらいあるんだろう」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
働き方が変わった。生き方が変わった。 一番は、在宅仕事の日はなるべく17時から20時にスケジュールを入れなくなったことだ。もちろんよほどのものがあれば別なのだけれど。
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「ぼくはくさいままがいい」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
受け継いでいくこと。伝えていくこと。繋いでいくこと。それが子育てとか教育の果たすべき使命でもあるのだろう。そんな風に感じる瞬間がある。何も知らずに生まれて来た娘に大切なことを伝えた日のことだ。
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「焦げたキャベツとタマゴサンド」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
休日の朝、タマゴサンドを作った。小鍋に卵が浸かるくらいの水を入れて火に掛ける。沸騰したらキッチンタイマーを7分にセットする。茹で上がるまでの間にタマネギを微塵切りにする。タマネギの微塵切りをたっぷり入れたタマゴサンドは母の味だ。というよりタマゴサンドといえばタマネギの微塵切りがたっぷり入っている...
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「薄暮の空でライオンが吠えるまで」
コメ3 草の根広告社 38ヶ月前
娘がさつまいもを手にしたまま薄暮の空を見つめている。僕も妻も洗濯物を取り込んだり夕食の支度をしたりと忙しなく動き回っている。ひと息ついて娘を見るともう10分近く同じ姿勢のまま空を見つめ続けている。「何見てるの?」と聞くと、娘は目線を空から放すことなく答えた。
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「真夜中のだるまさんが転んだ」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
おむつ、何歳まで履くんだろう。溜め息をつくと娘は「紙パンツだよ!」と膨れる。プライドを傷つけてしまったようだ。ごめんごめん。来月で5歳になる彼女は今も眠るときだけ紙おむつ、いや、紙パンツを履いている。膀胱の大きさには個人差があるそうだし、夜中に尿意をもよおしてもトイレに起きないくらい眠りが深いの...
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「子どもを寝かし付けているうちに寝落ちしてしまう理由」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
残暑も峠を越し、彼岸花が咲き誇る季節に入った。午後8時過ぎ、山側に面した寝室の窓を開けると鈴虫の声とともに秋風が通り抜けていく。静かな夜だね、と家族三人でベッドの上で大の字になる。間に挟んだ娘から保育園であったことをあれこれ聞きながら、妻と顔を見合わせ、今日も無事に過ごせたことに感謝する。もう1...